押上「大衆割烹 あおば」スカイツリーのたもと、老舗に心を溶かす

押上「大衆割烹 あおば」スカイツリーのたもと、老舗に心を溶かす

2021年9月13日

東京スカイツリーの完成で変貌を遂げた業平橋・押上界隈。きらびやかな商業施設が話題になりますが、そのたもとにはほっとする家族経営の酒場が多数あります。そのひとつ、「大衆割烹あおば」をご紹介します。

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見上げればタワー、目の前にはいい酒場

業平橋や押上はもともと京成電鉄や東武鉄道が交差する交通の要衝で、東武と京成、2社の本社もあった場所。工場や詰所が多く、駅前は働く人が集ういい飲み屋がたくさんありました。いまでも大衆中華や角打ち、もつ焼き店などが人気を集めています。

見上げればスカイツリー、目の前には大衆酒場。そんなコントラストもまた東京らしいと言いましょうか。新宿の高層ビル群と思い出横丁のような関係に似ています。

めざす「あおば」は押上駅から徒歩3分ほど。

ベテランの大将を中心に家族で経営しているお店。お客さんが多くても家族ならではの阿吽の呼吸で用意が進むのは、みていて嬉しくなるものです。

司令塔の大将が立つ板場に向いたカウンターと、その対面に小上がり。奥に入れ込みの座敷という配置。かなり年季を入った建物です。

壁一面を埋め尽くす品書きに目移りします。刺身の種類が豊富で、まぐろ、ひらめ、まだい、かつお、かんぱち、あじ、さざえ、するめいかなど。冬は牡蠣鍋や鱈ちりもよさそうです。

乾杯はサッポロ生ビール

ここ数年でサッポロビールは「サッポロ生ビール」という表記を「サッポロ生ビール黒ラベル」に変更し、缶や瓶と統一しましたが、「あおば」の雰囲気では昔ながらの「サッポロ生」と呼びたくなります。

それでは乾杯!

お通しは里芋とひき肉の煮物。おひたしなど日々かわります。

品書き

飲み物

半世紀以上続いているお店が、いつの間にか日本を代表する観光地の「ジャパニーズIZAKAYA」になったということで、壁のメニューとは別に用意がある品書きは英語表記対応です。むしろ、Englishがメイン?

瓶ビールは大瓶(640円)で本社が近いアサヒスーパードライと、大定番のキリンラガー。樽生は大衆割烹に似合うサッポロ生ビール(中550円)。価格指標にしやすい酎ハイ類は390円から。

食べ物

刺身はまぐろ赤身(800円)やするめいか(800円)など。(800円)は姿盛りでやってきます。盛り合わせは1,000円から。大衆割烹ですから、最初はお刺身を食べるのが良さそうです。

やきにく(660円)、ピーマン肉詰め(660円)、焼きそば(490円)など、お手頃価格の大衆食堂のような料理も。

「あおば」の店名はやはり宮城のこと。品書きには白石の郷土料理「うーめん」(490円)がありました。

おすすめはレコメンドということで「R」の文字がついています。こういうの、楽しいと思うタイプ。とうふのからあげ(500円)は常連さんに人気の一品です。

ゆっくり流れる時間を楽しむ

混雑しているわけではなく、かといってお客さんが少ないわけでもない。年配の地元客がカウンターでのんびりと過ごしていたり、小上がりでは近所に暮らしているような雰囲気の夫婦が晩酌代わりに飲んでいたりと、実に平和な雰囲気です。

まぐろ赤身(800円)

大将はご年配ながら、腕のよさが伝わるピンとした盛り付けでだしてくれます。

なす肉炒め(640円)

ボリュームは控えめ、昔ながらの優しい味です。

抹茶ハイ(430円)は自家製

寿司屋のお茶割りのような濁った抹茶ハイ。焼酎もお茶も濃い目。

ゆっくりと店に魂がとけだしていくような、ふわーっとした空間です。こういう老舗は近年貴重になりました。世の中が落ち着いたとき、また酒場で相撲中継をみながら”ふやけたい”ものです。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名大衆割烹 あおば
住所東京都墨田区業平5-9-6
営業時間16:30~22:00(ランチ営業あり・日定休)