東向島駅から5分ほど歩いた住宅街の中にぽつんと佇む一軒の赤ちょうちん『もつ焼き酒場 隅田』は、実は70年以上続くこの界隈きっての老舗酒場です。親しみやすいご夫婦が切り盛りされており、のんびりとした下町酒場のひとときが楽しめます。
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靴を脱いであがる、小さなカウンターの酒場
東京都墨田区、東向島。歴史あるこの町は住宅街の中に酒場が点在しており、駅利用者を相手にした一般的な飲み屋とはまた違った雰囲気の店が多いです。向島百花園近くにある『もつ焼き酒場 隅田』もそうした酒場の一つです。
隅田川七福神のひとつである白髭神社や、白鬚橋を渡って南千住へ向かう途中にあるものの、人通りはけして多くはなく、『もつ焼き酒場 隅田』以外、周囲に明かりをともしている店はありません。だからこそ、この赤ちょうちんが猛烈に魅力的に感じます。
それでは、いざ店内へ。
暖簾をくぐってすぐの場所がタタキになっていて、店内へは靴を脱いであがります。もつ焼き店では非常に珍しい構造です。6人ほどが並べる掘りごたつカウンターが焼台前にあり、さらにその奥が8人程度入れる入れ込み座敷というつくり。
店主と女将さんが優しく迎えてくれます。なんだか、東京下町のもつ焼き屋に入ったはずが、どこか東北のローカルな駅前酒場へ入ったような気分です。
品書き
- 酎ハイ:350円
- レモンハイ・アンズハイ・トマトハイ・ウーロンハイ・緑茶ハイ・梅酒ハイ:各450円
- 普通酒:450円
- 菊正生酒:780円
- スーパーニッカ水割り:850円
- カシラ・タン・ナンコツ・ハツ・レバー・シロ・テッポー
- コロッケ:150円
- グラタンコロッケ2個:600円
- レバーフライ:400円
- ミニ春巻:280円
- ポテトサラダ:350円
酎ハイと大ぶりのもつ焼きは、シンプルな美味しさ。
レモンハイ(450円)
この界隈は色付きの酎ハイを看板ドリンクにしている酒場が多いですが、こちらの酎ハイ、レモンハイは色がついていません。それでいて、しみじみと美味しいバランスです。それでは乾杯!
塩らっきょう(300円)
注文したもつ焼きが焼けるまでのつなぎ役として塩らっきょうを注文。
もつ焼き
ここのもつ焼きは豪快です。火が通りやすいように平たく整えられているとはいえ、この大きさはインパクトがあります。表面がパリッパリになっているのも特徴。それでいて焼き具合は絶妙で、噛むほどに肉汁がジュワッときます。
味付けはタレと塩がありますが、今回はどれも塩でいただきました。品書きに値段が書かれていませんが、1本百数十円なので、気にすることはないとか思います。おすすめはタン塩とシロタレ。
コロッケ(150円)
サイドメニューのコロッケは、1個150円とスーパーのお惣菜のような値段で、揚げたてホクホクのものを提供してくれます。
ごちそうさま
町に密着した昔ながらの小さなもつ焼き店で飲むことも、酒場好きとしては非常に価値を感じます。忙しない日常を忘れ、スマートフォンを開かずに心地よいオフラインのひとときを楽しみました。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | もつ焼き酒場 隅田 |
住所 | 東京都墨田区東向島4-22-7 |
営業時間 | 平日17:00~23:00 土曜16:00~23:00 日曜15:00~21:00 不定休 |
創業 | 70年前 |