八幡浜『どーや食堂』まかない丼600円が超オトク!ビールをつけて港酒

八幡浜『どーや食堂』まかない丼600円が超オトク!ビールをつけて港酒

2021年6月5日

八幡浜港の市場に併設した「どーや食堂」は、朝7時から魚介類を肴にビールを楽しむことができます。とくに10時までのまかない海鮮丼は600円とは思えないほど豪華な内容です。旅先の朝酒として、満足度の高い場所です。

古くから四国における西の玄関口として栄えてきた八幡浜(やわたはま)。現在も九州・臼杵(うすき)や別府を結ぶフェリーが発着する重洋な海上交通の拠点です。また、四国有数の水揚げを誇る漁港であり、沖合底引き網漁船(トロール漁)など多数の漁船の基地となっています。

港には公設の水産物地方卸売市場が併設されているほか、飲食店や近隣住民向けの小売を行う「どーや市場」があり、常に新鮮な魚で溢れかえっています。今回はそんな市場に併設された「どーや食堂」での朝酒をご紹介します。

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八幡浜へは陸路も楽しい

九州から海を渡るならば八幡浜港に直接上陸するわけですが、陸路ならば、JR予讃線の八幡浜駅が街の中心駅。松山から特急宇和海で約1時間。特急は新設された短絡路線で山間部を貫いて走りますが、松山から八幡浜へは、瀬戸内海ぎりぎりを走る旧線「愛ある伊予灘線」という路線もあります。

取材時は、こちらのあえて時間がかかる「愛ある伊予灘線」経路を使いましたが、常に海を眺めて走る路線はとても気持ちよかったです。

四国は暖かくて穏やかで景色もいい。海を眺めながらのんびり汽車に揺られ、八幡浜駅に到着しました。

レトロだけどほどよく賑わいある八幡浜

鉄道よりも海運が先にあって、そうして形成された八幡浜市なので、街の中心は駅ではなく港を囲むように広がっています。駅から八幡浜港までは歩くにはちょっと遠く、移動はバスが便利。路線バスが比較的利用しやすい便数で結んでいます。

漁師町というのは、大都市の経済圏とは別に発展してきたところが多く、八幡浜の市街の様子もまさにこれ。規模が大きく、飲食店街も立派。宿や商店のつくりから繁栄の様子が繁栄の様子がうかがい知れます。

町並みを眺めながら、レトロなバスで10分ほど。八幡浜港バス停に到着しました。

近年、港周辺は観光拠点として整備されたようで、道の駅・みなとオアシス「八幡浜みなっと」という施設になっています。

八幡浜港はフェリーとトロール船の基地

駅前から港に一直線に伸びてきた道「昭和通り」は、そのまままっすぐ進むとフェリーのお腹に飲み込まれるように作られています。

海の向こうには九州があります。

「すべてを忘れ、景色に染まるように釣りを楽しみたい…」そんな気分にさせてくれる入り江の様子。近くでは漁業関係者が仕事終わりに一杯を楽しんでいました。

併設された市場は魚種豊富

宇和海からとれた魚は、市場などを通して全国へと発送されます。本記事掲載時点の直近の水揚げでは、サワラが最多で、つぎにスルメイカサザエエソイサギ真鯛の順であがっているようです。(JF八幡浜漁協ブログ 令和3年6月4日より)

漁港に隣接するどーや市場も、観光市場だからと侮るなかれ。

どれも安く、水揚げされたばかりでピチピチとしています。取材時は桜の季節で、タチウオメバルホゴイトヨリヨコ(マグロ)、ウチワエビなどが並んでいました。

どーや食堂

どーや市場の食堂だから「どーや食堂」。プレハブのような建物に学校用の椅子やパイプ椅子を並べたそっけない造り。ラーメンや八幡浜名物のちゃんぽんなど、市場関係者向けのがっつり料理もある、職域食堂を兼ねた場所です。

サッポロ生ビール黒ラベルで乾杯

全国津々浦々、市場で朝酒は旅の醍醐味!ビールサーバーも設置されていて、生ビールが楽しめます。それではサッポロ黒ラベルで乾杯。

学校の椅子でビールを飲むのは、なにかのロールプレイングをしている気分。オーダーはカフェテリア方式で、注文してしばらくすると呼ばれます。先払いのセルフサービス。

まかない海鮮丼600円

どうですか、この海鮮丼。600円とは思えないでしょう!

「まかない」としている理由は、お昼のメインで提供されている海鮮丼(それでも900円)などに使う刺身のきれ端でつくっているからだと思いますが、逆に魚種が笑ってしまうほど豊富です。

真鯛ヒラメ(カレイ)、サワラタチウオハマチなど、どっさり。内容は水揚げ次第で、日々変わります。

薄い刺身がごはんを隠すように敷かれているのではなく、しばらく箸をほり下げないとごはんが出てこないくらい、魚がたっぷり。宇和海の名産品であるしらすの釜揚げも大量です。

やや甘めの醤油にわさびをといて、これをちょいちょいと浸しながら頬張れば、ビールが進むこと間違いなし。

のんびりとした港の食堂で、魚の値段感覚を忘れてしまうようなサービス満点の海鮮丼で楽しむ朝の一杯。前日の夜、市内の老舗バーで「Iターンするなら八幡浜がいい」と話した言葉がふっとよみがえってきました。魚が美味しい街って素晴らしい!

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名どーや食堂
住所愛媛県八幡浜市沖新田1581
営業時間7:00〜14:00(年末年始以外無休)
開業年2014年
公式サイトホームページ