中板橋で人気の酒場「やきとん万備(ばんび)」。創業は2008年。朝締め(店舗HP記載内容より)のモツをその日のうちに串打ち・焼き上げ提供するというこだわりで、名物のレバーは絶品です。
商店街の中にある個人経営の人気店
板橋区はいつのまにかやきとん激戦区の激戦区の様相を呈してきました。中野区野方の人気やきとん店「秋元屋」や、同店から独立した店主の店で修行された方が出店しています。加えて近年は老舗やきとん店・焼鳥店から独立した人も、この街に店を開くことが増えています。
今回ご紹介する「万備」そうした秋元屋で修行し開業した一軒。秋元屋から続く伝統の味噌だれ(店舗HP記載内容より)で焼き上げるやきとんもクセになる美味しさです。
さて、万備を目指して東武東上線で中板橋駅にやってきました。私鉄沿線らしい商店街に囲まれた駅前踏切から1分ほど。ちょっと入り組んでいるので迷いそうですが、赤い提灯が目印です。
店は入口に向いて焼台があり、それを囲むL字カウンターと、奥にテーブル席という配置。老舗酒場と比べれば新しい…。といっても、もう創業から15年近くになるわけで、街に長く根付いてきたお店の風格がでているように感じられます。
夕方の商店街に向けて開放した入り口。そこから差し込む夕日に照らされて、さぁ、ビールタイムです。
万備のビールは、ビールの銘柄に変更があり、現在は樽生がアサヒスーパードライです。瓶では引き続きサッポロラガーが用意されています。
トクトクと注いで、それでは乾杯!
シンプルな品書き
品書きをみていきましょう。店内の掲示物では、差し込みの日本酒や、お店のおすすめの料理が紹介されています。
こちらが手元の定番メニュー。樽生ビール(中500円・取材時は税別表記)、瓶ビール(赤星大びん600円)、サワー各種(バイスやクエン酸など瓶の割材もふくめ380円)。
ちなみに、お通し(有料の突き出し)はありませんが、席料で100円がかかります。
秋元屋で修行された方のお店も、それぞれ個性があり、バル風の料理を増やしたり、ご主人が趣味で釣った魚のお刺身を食べさせるお店など様々。万備はやきとん・もつ料理に徹しているように感じる品揃えです。
れば、しろ、はつ、ちれなど、串は1本単位で注文可能で120円。鶏のやきとり(150円)もあります。
定番料理がしっかり美味しい
すぐでるマカロニサラダ(280円)
串の注文とあわせて、すぐにでる定番のマカロニサラダを注文。ホイールなど、形状が異なるマカロニ(パスタ)が使われた遊び心ある一品で、黒胡椒による引き締めによって、いい味に仕上がっています。
もつ煮込み(ハーフサイズ280円)
もつ煮込みは千差万別。好みもひとそれぞれで旨味と特有のクセが好きな人もいれば、ふわっとした圧力鍋で仕上げたようなシチュー風が好きな人もいます。
万備のもつ煮込みは、正統派のつくり方ですがクセは抑えめで、少し甘めの味付けです。根菜とたっぷりのネギがバランスをとっており、そうした野菜類もビールを誘う味。
やきとんは味噌だれとレバタレを
備長炭の遠赤外線で、じっくりジワジワと串が焼けていく。味噌ダレがヂリヂリしている感じがたまりません。写真はかしら味噌。
こうばしい香りが漂う店内、マカロニと煮込みをつまみながらワクワクしていると、5分ほどで焼き上がりました。
しろ(味噌)とちれ(塩)。ちれは脾臓(ひぞう)で、ふわっとした網脂(あみあぶら)とレバーに煮た食感の身が交互に串打ちされており、非常に濃厚な脂の旨さが感じられます。
名物のれば。一言で表せば「ぶりっぶり」。しっかり熱せられていますが、このブロックの中でどうしてこんなに肉汁が保たれていたのかと驚くほどにジューシーです。甘さがしっかり主張したタレとのバランスもとてもよいです。
バイスでさっぱりと
ホッピーもよいですが、バイスもやきとん・もつ焼きと相性がいいチューハイのひとつ。甘酸っぱさが豚の脂を流してくれて、再び串を食べたくさせてくれます。
しっかり美味しい、堅苦しくない接客もちょうどいい「万備」。秋元屋出身のお店を巡られている方だけでなく、東上線沿線の方も一度途中下車して飲みに行ってみてはいかがですか。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | やきとん万備 |
住所 | 東京都板橋区中板橋13-11 |
営業時間 | 営業時間 [月~金] 16:00~23:00 [土・日・祝] 15:00~23:00 日曜営業 定休日 無休 |
開業年 | 2008年 |