広島『ビールスタンド重富ekie』駅ナカでスイングカラン。新幹線前に極上マルエフ!

広島『ビールスタンド重富ekie』駅ナカでスイングカラン。新幹線前に極上マルエフ!

2020年11月9日

広島の歓楽街「銀山町」で、たった二時間しか営業しないビールスタンドが、ビールファンやビール業界関係者の間で話題になりました。

重富酒店が酒販店の一画で開く、小さな立ち飲みコーナー「ビールスタンド重富」です。これまで、あまり注目されてこなかったサーバー(カラン)の形状によって変化するビールの味の違いとその魅力を発信した同店は、その後、全国のビール飲酒シーンに大きな影響を与えることになりました。

“・行列のできる人気店。 ・17時から19時の二時間のみ。 ・おつまみはなくビールのみ。 ・しかも2杯まで。”と、なかなかハードルの高いお店でした。

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お昼から駅ナカで重富のビールが飲める

(参考:銀山町 ビールスタンド重富)

そんなビールスタンド重富が、JR広島駅新幹線口の駅ナカ(改札外)のリニューアルにあわせ、駅内商業施設「ekie」に出店。営業時間は11時から20時と長く、2杯までの制限もなくなりました。※お酒は適量で。

しかも、新幹線を下車して改札から徒歩1分という、大変アクセスのよい場所です。これは、広島出張や旅行に行ったら立ち寄らずにはいられません。

山陽新幹線広島駅。プラットホームは3階に位置します。重富で一杯飲めるかと思うと、車内でのビールも控えめになりそうです。

コンコース階(2階)にある新幹線改札口を抜け、もう1フロア下の地上階へ。

2019年10月の「ekie広島」全館開業にあわせて誕生した、1階のエキエキッチン。ビールスタンド重富をはじめ、広島市安佐北区にある1869年創業、菱正宗の蔵元「久保田酒造」の直営店角打ち「酒舗 菱正宗」も出店しており、立ち飲みのはしごも楽しめます。

ビールスタンド重富は、わずか2坪の小さなお店。こちらもおつまみの販売はなく、ビールのみ。しかもビールの銘柄は1種類のみという尖ったコンセプトはそのままです。

アサヒのマルエフを注ぎわける

ビールはアサヒビール社の看板ブランド「アサヒスーパードライ」開発以前からある、アサヒ樽詰生ビール(通称マルエフ)です。

タップコーナーの隣には、常時適温である5℃に温度管理された大型ウォークイン冷蔵庫が設置されており、複数の19L樽が寝かされています。しばらく振動のない冷温の中で樽ごと冷やすことがこだわりの一つです。

ビールは一度注ぎ、二度注ぎ、そして泡だけの「ミルコ」など、8種類。

人気の理由は、この「昭和のサーバー」(スイングカラン)。注ぐ人や注ぎ方によって味が変わるといわれています。

通常の居酒屋などにあるカラン(ドラフトコック)はコックが手前・奥に倒す構造なのに対し、スイングカランはZ軸を中心にハンドルを左右に回すことでビールを出したり流速を変える構造です。

また、一般的なビールサーバーはビールが流れる回路の内径がφ5mmなのに対し、昭和のサーバーはφ9mmと太いです。この差は、流速に現れ、昭和のサーバーから勢いよく注ぐ樽生ビールは、爽快感を感じる程よいガス圧になります。

カランを締め気味に注ぐと液はモヤのような泡にかわり、注ぎ始めにできた荒い泡の下から持ち上げるように細かな泡が形成されていきます。最後に粗い泡は”泡切り”をして払い落とします。

一杯できあがり!駅ナカなので支払いはICOCA、Suicaなどの交通系電子マネーでらくらく。

スイングカラン(昭和のサーバー)で注いだビール

スタンド前の立ち飲みテーブルに持っていき、あとは思い思いにビールと向き合うだけ。ビールファンも、出張終わりの会社員も、旅の合間の夫婦も、みんなで美味しいビールを片手に10分ほどのビールタイムです。

腰に手を当てて、お風呂上がりのビン牛乳のごとく「グイッ」(※お酒は適量を自分のペースでゆっくりと。)と飲むのが立ち飲みならでは飲み方です。

グラスではなくプラカップでの提供ですが、その印象を上回る美味しい生ビールが楽しめることは間違いありません。

同店が昭和のサーバーと呼ぶスイングカランのほかに、昭和40年以降に増えてきた現代風のドラフトコック(平成のサーバー)もあり、サーバーの違いや注ぎ方による味の変化を楽しむことができます。

これ以上ない新幹線直結の好立地。旅の給水所にいかがですか。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名ビールスタンド重富 ekie
住所広島県広島市南区松原町1-2 ekieキッチン 1F
営業時間営業時間
月曜日~金曜日 16:00~21:00
土曜日~日曜日 10:00~21:00
日曜営業
定休日
元旦(1月1日) ekie休館日に準ずる
開業年2019年