ボストン「ボストニアパブリックハウス」 1902年築の建物で楽しむオイスターとブラッディメアリー

ボストン「ボストニアパブリックハウス」 1902年築の建物で楽しむオイスターとブラッディメアリー

ボストンは実に美しい街です。アメリカ開拓初期の頃より開発が進められた歴史は、街のいたる所に感じることができます。17~20世紀のヨーロッパを思わせるようなテイストは、例えば街の家々に、また、今歩いている足元の石畳から感じられるものがあり、米国誕生のワンシーンに居ることを感じます。

シカゴから1日かけてアメリカ大陸を東西にひた走るレイクショア・リミテッド(Amtrakの夜行列車)を降りたら、ボストンはすっかり夜。ボストン中央駅は街の中心部に近く、早めにホテルへチェックイン。探索は翌朝から…

そうして、翌日早朝、ホテル近くのパブ「ボストニアパブリックハウス」を目指しました。

 

歩行者に優しい街で、早朝はハーバービューを楽しみつつ、中心街の名所を軽くジョギング。ぼちぼちのどが渇いてきたので、パブで一杯やりましょうか。

 

1902年に建てられた歴史ある建物。ボストンの中心街はその建築時期を考えれば驚くほど立派な建物が当たり前のように立ち並び、建築好きの心をくすぐります。金融街の中央にあり、夜はビジネスマンの社交場になるのでしょう。

今日は日曜日の朝、サンデーモーニングといきましょう。

 

100席ほどある大箱ですが、店の中央に置かれたカウンターが人気です。常連さんが並ぶなかに空席をひとつみつけ、軽く挨拶をして、さてさて…

 

ボストニアパブリックハウスだけでなく、アメリカでは日曜日は午前中から営業しているパブが多い印象。サンドイッチなどのスタンダードなモーニングもありますが、ここはやはり現地のベテランさんに習って、カクテルでスタート。

 

カウンターで飲む多くのお客さんの前に置かれているものと同じカクテルを。ブラッディメアリー。ウォッカベースのトマトジュースでビルドした一杯です。

そういえば、ブラッディメアリーは午前中にしか飲んだことがないカクテル。夜はマンハッタンやマティーニを選びがち…。特に意識していたものではありませんが、なぜか朝はこれが飲みたくなります。

世界的にブランチの定番、ブラッディメアリー。二日酔い撃退カクテルなんて言われていますが、はたして。

 

ボストニアパブリックハウスでは、プレーンな状態ででてきますが、これでがっかりしてはいけません。なんと店内にはブラッディメアリー専用(一応サラダバーも兼ねてるとか)の、フリービッュフェがあります。

カクテルピックに刺さったオリーブとチーズの串や、トマト、パプリカ、きゅうりなどがずらりと並んでいます。なんとサイコロ状にカットされたベーコンまで。もちろん、色々載せたあとは定番のセロリを差し込んで、できあがり。

 

じゃじゃーん。これで日曜日がスムーズに進みます。レモン、ライム、タバスコ、塩をいれて、甘味、酸味、旨味に香り、そして塩と、いろんな味が全部入った一杯です。

では乾杯!

 

東海岸のモーニングにはオイスターやクラムを食べるのもスタンダードなのだとウェイターさん。もちろん、それを望んでここにきました。ということで、オイスタープレートをオーダー。

 

地元ボストンやメーンで収獲されたフレッシュなオイスターを数種類揃えています。そういえば、港は目と鼻の先。ここもまた世界の港町食堂です。

レモンやビネガー、カクテルソースをつけて、タバスコを振りかけて頬張れば大満足。タバスコと生牡蠣の相性は抜群によいですね。だから、ブラッディメアリーにもぴったり。

 

洗練されているけけどどこか素朴な空間。ボストンという街の歴史背景を感じつつ、気取らず楽しめるよき空間です。

親しみやすいバーテンダーやウェイターも素敵。ボストンの飲み歩きをスムースにしてくれる空間でした。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材時期/2020年2月以前)

 

Bostonia Public House
bostoniapublichouse.com
+1 617-948-9800
131 State St, Boston, MA 02109 アメリカ合衆国