池袋から東武東上線の準急で16分。埼玉南部にあるベッドタウンの朝霞。通勤通学の帰宅ラッシュで賑わう東口から少し歩いたところに、一升瓶をずらりと並べる人気の居酒屋があります。この町で働く人や、自宅近くで軽く一杯と地元の人が集まる店「御船」です。
2019年10月には和光に支店「朝霞ミフネ」も開店させ、勢いのある飲み屋。種類豊富な刺身などの海鮮を中心としたおつまみと、100種類をこえるお酒を前にして、何を頼もうかと悩むのも楽しいです。
朝霞駅周辺は開発が進み、いまもマンションや戸建住宅の建設が続いています。東武鉄道によると、なんと成増駅よりも乗車人員が多いそうです。
そんな賑やかな駅前から徒歩2分。駅前からすぐに閑静な住宅街のため、御船も落ち着いた雰囲気。それでも、暖簾の向こうから賑やかな声がかすかに聞こえ熱量を感じます。
大将や元気なスタッフの皆さんが迎えてくれるカウンター席と、テーブル、奥に小上がりというつくり。天井にはずらりと人気地酒蔵の前掛けが掲げられ、こだわりの酒屋を訪ねたような雰囲気です。
日本酒を飲みに来ましたが、まずはビールで喉を潤したい。樽生のキリンラガー(600円※以下取材時)で乾杯!
瓶ビール(大瓶570円)、酎ハイ(390円~)、ハイボール(470円)。ボトルの本格焼酎は10種類以上が常時揃っています。
お通しは小皿3品。この日は一切れのアジ刺しがはいっていますが、お通しに刺身や手の混んだ魚介料理が出てくるお店は、このあとも期待してついあれこれ頼みたくなるものです。
刺身は黒板から。刺身だけでなんと20種類近くもあります。秋さばに始まり、くじら、サーモン、さんま、するめいす、カレイ、ぶり、真生牡蠣、真アジに天然鯛など。刺身の種類が多いということは、それだけ注文が多いということ。値段も手頃です。
日替わりの差し込みメニューもすごい種類。メニューをみているだけでジョッキのビールが乾いてしまいそうです。
定番メニューはフライや焼き物、洋食となんでもござれ。イカゴロ焼きもあれば、うな重だってあります。
真いわし(590円)。鮮度バツグン、包丁の入り方もよく身がピンとしています。もちもちとした歯ごたえと、じんわり広がる脂が日本酒を間違いなく誘います。
日本酒を選ぶのだって、また楽しい。写楽(会津)からはじまり、田酒(青森)に七賢(山梨県北杜)石鎚(愛媛県西条)と各地の人気銘柄がずらり。
選んだお酒は、会津坂下の飛露喜(1合780円)。やや辛く、それでいて旨味も感じる飲み心地の良い飛露喜の定番です。
あわせるおつまみは、焼き魚なんていかがでしょう。キンメダイやメバルなども600円前後で、提供されるものはこの通り、しっかり。
カウンターでのんびり、気になる肴をつまみつつ各地の地酒を堪能するもよし。地元のお父さんたちのように、ボトルの焼酎を飲み交わしながらじっくり過ごす宴会も楽しそうです。
品数の豊富さだけでなく、親しみ感じるほどよい距離感の接客も魅力でしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
御船
048-465-4214
埼玉県朝霞市根岸台5-1-6
17:00~22:00(木定休)
予算3,000円