博多「大衆割烹ひかり」 筑紫口すぐ、一人でも二人でも、宴会でも推したい魚料理の店

博多「大衆割烹ひかり」 筑紫口すぐ、一人でも二人でも、宴会でも推したい魚料理の店

2019年7月7日

福岡の繁華街は巨大です。天神で飲むか中洲で飲むか…。いやいや、案外、博多駅周辺も飲み歩きが楽しめます。

駅を管理するJR自身が駅ナカに多くの飲み屋さんを抱えているほか、博多口、筑紫口ともに新旧多くの飲み屋があり、全国チェーンだけでなく、ローカルなお店も充実しています。

おすすめの一軒に、筑紫口の「大衆割烹ひかり」があります。

約半世紀前に、「ひかりは西へ。」のキャッチコピーとともに博多に延伸した山陽新幹線。そんなひかりの乗降改札すぐの場所に、「大衆割烹ひかり」も誕生しました。

大箱で入り口も大きく明るいです。老舗感は薄いですが、それは店構えだけ。店内に入れば、きっと酒場好きの皆さんも納得されるはず。

昭和ムード漂うあったかな内装に、大量の白い短冊。板前さんたちや白衣姿のベテランお姉さんが忙しく働くムードは、まさに大衆割烹です。

一人、二人ならば奥に長く一直線に伸びるカウンターへ。玄界灘の幸が次々盛り付けられていく様子を眺めて焼酎一献、素敵でしょ。

テーブル席も広く用意があり、鍋を食べる二人組や、スーツ姿の地元のお父さんたちの宴会があっちもこっちも。

さて、まずはやっぱりビールから。380円とリーズナブルで嬉しい生ビールはキリン一番搾り。それでは、乾杯!

ビールは瓶でアサヒスーパードライ、キリン一番搾り、サッポロラガー、サッポロヱビスと用意。果実酒やサントリー角ハイボールも380円と良心的。

地酒は新潟が中心です。

福岡にきたら、やっぱりこれ。九州各地の本格焼酎が揃うほか、飲みきりで手造りかめ仕込み(500ml・1,180円)が魅力的。

差し込みメニューで日本酒いろいろ。

料理はその数100品以上。ふぐやクエといった福岡の割烹らしい名前が並びますが、大衆割烹の名の通り価格は手頃です。

板前さんの後ろには、今日のおすすめ。クエ刺し、平目刺し、馬刺しや鶏たたきなど。

アラカブの煮付けもあります。

刺盛りや、焼き魚、小鉢のついたひかりセットは、常連さんに人気のお得メニューです。

すぐでるおつまみ。まずはビールのおつまみに、ごまさばを。濃いめの漬け汁の甘さが、ぷりぷりのさばによく絡んでいます。

さて、せっかくですから、ここの名物、クエ料理を頂きます。クエは、アラとも呼ばれる高級魚。

まずはクエ刺し(980円)から。血合いが薄く鯛よりもさらに上品な見た目。淡く優しい旨味と、もちもちしたふぐ刺しのような食感です。柑橘類で味を引き締めてみるのもよいですね。

あわせるお酒はかめ仕込みの麦焼酎。ロックでちびちびと。

クエは事前予約で刺し、鍋、お通しを含んだセットがあります。冬から初夏、梅雨明けの頃にかけて特に美味しいと言われるクエ、ぜひ食べておきたいです。

クエ鍋の上品な味わいはたしかに癖になります。ゆっくりとお酒のペースにあわせて静かに旨味を楽しみたいです。

ぶつ切り、アラ、そして切り身と様々入り、ゼラチン質をちゅるっと楽しむ皮やキモも焼酎を誘います。

クエを手の届く値段で楽しめる、大衆割烹ならではでしょう。

みるからに鮮度抜群、キラキラのきびなご刺し(580円)です。背びれや骨の処理も丁寧。酢味噌にちょんとつけて頬張れば、お酒をすっと含まずにはいられません。

大衆割烹ひかり、駅に近くておいしい魚でいっぱいの良き飲み屋。

ネオン輝く街に繰り出すのもよいですが、まずは一軒、こんな老舗ではじめてみるのはいかがでしょう。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

大衆割烹 ひかり
092-471-7309
福岡県福岡市博多区博多駅中央街6-11 内田ビル 1F
17:00~23:00(日定休)
予算4,000円