浦佐「えづみや」 八海山に抱かれた水と米の里。昼酒も楽しめる駅前酒場へ。

浦佐「えづみや」 八海山に抱かれた水と米の里。昼酒も楽しめる駅前酒場へ。

東京から上越新幹線で1時間30分。ここは八海山に抱かれた米の里、南魚沼。日本有数の豪雪地帯です。豊富な雪解け水によって育まれた米や、八海山の伏流水とそのお米をつかった酒造りが盛んです。3つの造り酒屋があり、「鶴齢」の青木酒造、「八海山」の八海醸造、「高千代」の高千代酒造と、いずれもメジャーな銘柄です。

そんな日本酒の里を訪ねて、浦佐駅に降り立ちました。この駅前で軽く昼食ついでに一献楽しむならば、「えづみや」が間違いありません。

 

上越の峠越えをして、湯沢や塩沢のスキー場エリアを横目に過ぎると、そこには今までの山々が幻のように、ぱっと平野が広がります。ここが魚沼盆地。夏は一面の緑に、実りの秋は田んぼが黄金色に輝きます。

JR浦佐駅前には田中角栄の銅像が鎮座し、街の発展を見守っています。

 

「えづみや」へは、浦佐駅新幹線口(西口)から徒歩わずかな場所。新幹線から上越線への乗り換えの合間にも使いやすい駅前酒場です。日中は食堂として、夜は街一番の大衆酒場として地元に根付いています。

 

小上がりが連なり、奥はテーブル席が並ぶ広い店内。地元の木材を多用したぬくもりあるつくりです。山里の街なので、豚や鳥料理がメインで、日中は街が誇る世界的ブランドの「魚沼産コシヒカリ」をたっぷり使った「本気丼(マジドン)」で町おこしの一翼を担っています。

 

ご飯も良いですが、私はやっぱりこっち。新潟限定のサッポロビール「風味爽快ニシテ」です。工場がない新潟でなぜ新潟限定のビールがあるかというと、長岡出身の中川清兵衛が日本人初のビール醸造技師としてドイツで学び、その後、サッポロビールの主任技師となったという歴史から。

新潟でしか飲めない、樽生風味爽快ニシテで乾杯!

 

昔ながらのたっぷり入る中・大ジョッキ(中530円)が使われているので、一杯の量が多い。でも、美味しいのであっという間です。※お酒は自分のペースでゆっくりと。

酎ハイ類はレモンサワーや玉露ハイが350円均一とリーズナブル。お昼は定食に一杯のお酒をつけてちょい飲みしたい。

 

そして、なによりここは新潟・酒の国。ご当地のお酒、高千穂、八海山、緑川に雪中梅とよりどりみどり。

 

じゃんぼ油揚げ(栃尾揚げ)や八色(やいろ)しいたけなど地元の食材が並ぶ品書き。

 

八海山の雪解け水をつかい養殖されている八海山サーモンも魅力的です。

 

酒類関係者におすすめいただいた、「かつ煮」。ご飯を少なめの定食(かつ煮定食930円)でもってきてもらい、おかずをおつまみにしていただきます。

 

魚沼は豚料理が盛ん。とくにとんかつを出すお店が非常に多いです。雪国だからでしょうか、熱々で食べられるように鉄鍋で出すお店や、ラーメンに載せているところもあります。えづみやのカツ煮も地元食材を使い、熱々に煮込んだ逸品。さて、お酒を一本つけてもらいましょうか。

おつまみチャーシューや豚天など、夜の黒板メニューにも豚料理が並びます。

 

お刺身に唐揚げ、小鉢、そしてサッポロ風味爽快ニシテが2杯ついた「生ビールセット」は、夜の定番。まずはこれで始めるというお父さんもいます。

 

せっかくなので、最後は軽くごはん…!?

なんと美味しいごはんでしょう!

いつもは〆を食べない筆者ですが、驚くほど美味しく、ぺろりと完食。さすが魚沼。

ランチタイム、夜ともに地元客で満卓近い賑わいになる人気店です。お近くにお越しの際はぜひ覗いてみては。ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

味処 えづみや
025-777-2062
新潟県南魚沼市浦佐325-6
11:00~14:00 17:00~22:00(月定休)
予算2,000円