新潟「せきとり本店」 手がとまらない!巨大な唐揚げも気づけばぺろり

新潟「せきとり本店」 手がとまらない!巨大な唐揚げも気づけばぺろり

新潟のせきとり本店といえば、地元の人には知られた存在。

在京キー局にも取り上げられることがあり、その名は少なからず知られています。看板料理はカレー風味の半身唐揚げです。メディアで取り上げられすぎるとディープな酒場を愛するものとしては「うーむ…」となりがちですが、ここはそんなことはありません。

新潟の梯子酒で時間があれば一度は訪ねてほしい、純粋に鶏の美味しい老舗酒場としておすすめです。

 

JR新潟駅から新潟の中心飲み屋街である古町までは高頻度でバスが走り、最近は「BRT(バス・ラピッド・トランジット)」として整備され、高頻度・明瞭運行で結ばれています。ですが、めざすせきとり本店はその先。

新潟港に近い古くからの港町にあり、決して梯子酒で利用しやすい立地ではありません。一応新潟交通のバスが30分間隔くらいなのでいけますが、強い意志が必要です。

 

新潟市内の移動は公共交通では路線バスしかなく、うまく使いこなせれば実は結構便利。でも、複雑で何度訪れても「バス案内所」のお世話になっています…

 

そうしてやってきました、せきとり本店。唐揚げが名物でも、看板料理は焼鳥で、通いなれた常連さんが日常の中でふらっと立ち寄り数本つまんで飲んでいくようお店です。

 

残雪ある市内でも、店に入ればビールが欲しくなります。せきとりは昔からアサヒスーパードライ(530円)。冷凍ジョッキに注がれて、特製エクストラなコールドになったドライで乾杯!

 

日本酒は麒麟山で二合770円。焼鳥と日本酒の相性のよさは言うまでもありません。

 

黒板のように貼られた品書きから料理を選びます。名物の唐揚げとむしやき(半身を蒸したもの)はそれぞれ時価と気になる文字。800円から1,000円くらいで変動幅は少ないので、それくらいと思っておけば安心です。

串は150円で、こっちも美味しいのですが今夜は一人で取材なので食べ切れないからまたのお楽しみ。

 

鳥スープはぜひ〆に頼んでほしい一品。昔から変わらない影の名物(160円)です。メニューは以上でかなりすっきり、ほぼ鶏専門という内容です。

 

寒いときは鶏スープは先に頼んでみてはいかがでしょう。これと簡単な野菜で唐揚げが揚がるまでの十数分が繋がります。いえ、むしろビールは二杯目になるかも。

 

店の構造は入り組んだカウンター。凹型とでもいいましょうか。焼き物はカウンターから見える焼台で調理され、揚げ物は奥の厨房でもくもくと揚げ続けられています。

持ち帰りの人も多く、店は空いているようでも焼き・揚げはひっきりなしに続いて、続々と手渡されていきます。

 

唐揚げが全国的には取り上げられますが蒸し焼きは地元の定番の味。蒸したてが美味しく、肉汁がしみ出したスープにキャベツをつけると美味しいと、となりの常連さんが教えてくれました。

 

半身まるごとでてくるので食べ方に悩むかもしれませんが、トリセツがあるのでこの通りにすれば簡単。

 

待つこと10分ちょっと。カレー風味が漂う大きな半身がやってきました。肉厚でぷりぷりに肉汁を蓄えた唐揚げ。国産鶏使用とのこと。

 

表面はカリカリなのにむしるとジュッと汁が流れていきます。カレーといっても特殊なスパイスは使っていないそうで、むしろ揚げ方に秘訣があるそうです。

 

トリセツの通り…ではなく、半身揚げの標準的な食べ方でぐいぐいと開いて、ふわっと広がる香辛料の香りに包まれつつ、そのまま口へ運びます。ノンベエ好みのしっかり味。でも塩が強すぎるわけではなく香辛料がよきアクセント。油はすっきりしていて二軒目に半身をひとつ食べても胃もたれしなさそうなすっきりした余韻です。

 

夢中で食べればあっという間にぺろり。スーパードライも進みます。

広く知られた酒場でも、ノンベエ視点でみればまだまだ街のいいお店。お時間がありましたら、新潟市街散策のひとつとして立ち寄られてみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

せきとり 本店
025-223-5934
新潟県新潟市中央区窪田町3-199
16:30~21:30(月定休)
予算2,000円