長岡「焼鳥 保可里」 焼鳥片手に吉乃川。酒の町の夜にしっとり浸る。

長岡「焼鳥 保可里」 焼鳥片手に吉乃川。酒の町の夜にしっとり浸る。

2019年10月22日

酒処・長岡は、新潟県内最多の16蔵が集まる地。あの「久保田」も長岡のお酒です。駅ナカには長岡の酒を飲み比べできる利き酒コーナーがありますし、市内の飲み屋街へ繰り出しても、どの居酒屋も地元の酒を看板に掲げています。

長岡駅東口の広場に向いた焼鳥の店「保可里」は、吉乃川をメインに扱うお店。古き良き昭和の焼鳥の佇まいを残し、近隣で働く人々で賑わう、常連さんの多い飲み屋です。

雪深い土地だけに、歩道まで伸びたひさしが特徴的です。ガラガラと音をたてる扉も今は少なくなりましたね。

大将が立つ焼き台を前にしてL字で配置されたカウンター。コンパクトでお客さん同士、そして大将との距離が近く、同じ時間を共有する一体感も魅力。スーツ姿で慣れた感じで飲んでいる二人組の常連さんのとなりへ、軽く会釈を交わしつつ。

寒くても、暑くて、一杯目はビールが好き。キリン一番搾りの樽生(600円)で乾杯!

飲み物のメニューは、ビールから始まることが一般的ですが、さすが酒処。こちらのお店は「酒300円、ビール600円、酎ハイ400円、赤300円、白300円」といった並びです。日本酒が一番安い。

まずは、湯豆腐から。ほかにも肉豆腐やもつ煮、かも鍋、おでんといった鍋物、煮物があります(500円前後)。寒い時期は焼鳥の前にまずはあったかい鍋なども。

具だくさんで舞茸やしめじなどきのこも入った湯豆腐。ぴんと張り詰めた外の空気を吸ったあとは、このぽかぽかとした空気がいものです。お隣さんとお酒話をはさみつつ、まずはひといき。

お酒は長岡の酒、吉乃川を筆頭にして、越乃景虎など地元のお酒がいくつも用意されています。冷蔵庫にぱんぱんにつまった一升瓶をさっと取り出し、目の前で勢いよく注いでくれます。

上品なお店で丁寧に味をって飲むのもよいですが、長岡駅前の老舗焼鳥屋で地元のお父さんたちに囲まれてきゅっと飲む酒もまた格別です。

焼鳥はとり、とり皮、砂肝、なんこつ、そして豚もつでカシラ、タン、ハツなど。濃い目で甘くみりんが効いたタレにたっぷり浸けた串を頬張ります。(2本1皿で300円)

刺身はないものの、いかわた珍味やホタルイカ、げそ天にイカ納豆と、イカの料理が充実。タイミングが良ければ鮭白子が絶品だとお店のご近所さんが教えてくれました。

地元の皆さんが仕事帰りにちょっと引っ掛けていく「保可里」です。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

焼鳥 保可里
0258-32-8693
新潟県長岡市台町2丁目3-9
17:00~23:00(第1および3日曜日定休)
予算2,000円