梅小路京都西『村上食堂』朝5時に暖簾掲げるローカル食堂で、京都の一日をスタート

梅小路京都西『村上食堂』朝5時に暖簾掲げるローカル食堂で、京都の一日をスタート

2019年10月23日

京都の台所と言えば「錦市場」ですが、業務用の台所といえば京都中央卸売市場です。この市場の周辺は駅前ではないのに飲食店が点在していて、筆者の京都の街巡りの楽しみの一つになっています。

市場といえば、朝が早い。市場で働く人々のためにあるお店もまた朝が早い。中央卸売市場第一市場の南、七本松通りと七条通りの交差点近くにある「村上食堂」は朝5時から営業しています。

京都滞在の日は、朝から元気に”食堂飲み”に繰り出そうという方にもぴったりです。

村上食堂は創業から半世紀、現在のご主人は二代目。いまも原則無休で営業し、市場関係者や夜勤明けの人で午前中から賑わうお店です。もちろん、しっかり飲めます。

合板のテーブルとパイプ椅子が並ぶ店内。テレビでは朝のワイドショーが流れ、それを注目して見るわけでもなく、ゆるいムードのなかで瓶ビールを傾ける常連さんたち。がっつりご飯メニューの他人丼やそば、うどんを食べる学生風の人もいます。

基本セルフの方式で、ショーケースには煮魚、刺身、揚げ物、焼き魚等が並び、各々好きなものを取り出して食べるという流れ。うどんなど麺類は注文を通すとご主人が準備してくれます。

定食にビールをつけるのもよいですが、こんな雰囲気だとしっかり飲みたくなってしまいます。単品の小皿を集めて、瓶ビールでスタート。アサヒとキリン、今日はどっち。手前にあるキリンラガーでまずは。それでは乾杯!

みっちり詰まった関西味のだし巻き卵(150円)と、たこときゅうりの酢の物(150円)。小皿は300円前後で、一人で摘むのに丁度いい量です。

明るい午前の光が暖簾の隙間から差し込みゆらめく店内。ビアタンを満たしては乾かしを繰り返し、いい気分。

メインには、よこわ刺しか、天ぷらか、カレイの煮付けも良さそう。でも、今日はちょっと寒いので豚じる(250円)を。

薄くちりちりの豚バラ、ニラ、もやし、お揚げ、豆腐が、どれも同じくらいの大きさで、すくい上げると色々絡まってきます。汁というよりは、豚野菜味噌煮とでもいいましょうか。あっさりしているのに、ビールを進ませる美味しさがあります。九条ネギの風味も心地いい。

京都のローカル食堂は、日常の「京都らしさ」があります。基本無休で営業されているので、次回の京都の朝は食堂飲みからスタートされてみてはいかがでしょう。

梅小路京都西駅の開業により、鉄道でのアクセスも今は便利になりました。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

村上食堂
075-313-5523
京都府京都市下京区西七条北東野町95
5:00~20:00(土は14:00まで・不定休※基本無休)
予算1,500円