三条京阪『マルシン飯店』1977年創業、京都で中華飲みするならば

三条京阪『マルシン飯店』1977年創業、京都で中華飲みするならば

2020年4月18日

今日は京都市東山区で有名な町の中華料理店、いわゆる町中華の「マルシン飯店」をご紹介します。

名物は天津飯で、関東で食べる甘酢餡をつかったものではなく、京都独特ともいえる醤油系中華スープにとろみを付けた餡が使われています。

考えてみると京都の中華料理は全国の中華とは異なる独自の進化をしているものが多くあるように思います。マルシン飯店が火付け役の一軒となった中華スープの「天津飯」しかり、生地に薄焼き玉子をつかった春巻き揚げ、辛子味のピリカラ「からしそば」、にんにくやネギなどニオイの残る食材を抑えたお座敷前に食べられる中華など様々。

そんな独特な中華をおつまみにして飲むビールは格別。これもまた京都を訪ねる楽しみの一つです。

マルシン飯店は東大路通と三条通の交差点に近い場所。JR京都駅からは京都市営バスが便利。三十三間堂、清水道、祇園、東山を通るゴールデンルート上にあり、バスの本数は相当多いです。京阪電車の京阪三条、または地下鉄の東山が最寄り駅。

東山三条のバス停の目の前がマルシン飯店。雨天でも安心。安心といえば、ここ「マルシン飯店」は午前11時から翌朝6時までずっと営業しています。ランチ時は行列ができるほどに賑わいますがアイドルタイムはのんびりとした時間が流れる昼酒、深夜飲みの楽園です。

赤い化粧板をはった合板のテーブル、昭和の百貨店食堂を彷彿させる懐かしい椅子。ショーケースごしに差し込む外の光。あぁ、ほっとします。創業は1977年、開業時から「眠らない店マルシン」というキャッチフレーズで深夜営業をされていたそうです。現在は2代目が店を継ぎ、地元の人に愛されてきた味を守っています。

夜の中華も好きだけど、日差し差し込む中華店で飲む生ビールも大好き。ここの樽生(680円)は昔ながらのたっぷり入る中ジョッキ。銘柄はサッポロ黒ラベルです。それでは乾杯!

瓶ビール(大ビン760円)も樽生と同じくサッポロ黒ラベル。チューハイ(500円)は樽詰めチューハイの氷彩サワーを置いています。

マルシン飯店はお昼・深夜もやっているだけが特色ではありません。人気の秘訣はこのメニューの豊富さにもあります。なんとジンギスカンまで選べます。

お店がイチオシする料理は餃子。のちほどいただきましょう。

マルシン飯店を教えてくれた地元の酒販店さんのイチオシ、そして私も大好きな一品、鶏味噌炒め(970円)。焼肉定食が870円のお店で、単品で970円は贅沢な一皿なのですが、鶏肉もやさいもたっぷりなボリューム満点料理で、これとビールがあればとりあえず幸せになれるのです。

見た目は酢豚のようですが、天津飯が甘酢ではないのと同じく、かなり和食テイストのある味噌炒め。その旨味とビビットな味付けがお酒のおともにぴったりです。

全国的に街の中華店で多く見かける紹興酒といえば、二大メーカーがあります。ひとつは「古越龍山」でお馴染み、関東生まれで現在はキリングループの永昌源、そしてもう一社は「塔牌(トウハイ)」をつくる京都発祥の酒類企業、日本酒松竹梅や甲類焼酎でお馴染み宝酒造です。

マルシン飯店の紹興酒は、やはり京都の宝酒造てした。本社事務所も近いですしね。このヒヤタンいっぱいに注いで、ちびちび飲むのがまたのいいんです。

お店のイチオシメニューは、中華つまみの代表格、餃子(330円)。

京都中華らしいクセがなくニオイを抑えたシンプルな味。ですが軽いわけではなく、餡がとってもジューシー。豚肉の旨味が心地よいです。

場所がよく、時間も気にせず使える便利なマルシン飯店。行列に並ぶピークどきをはずして、アイドルタイムで空いていそうだったら軽く一杯飲んでいくという使い方はいかがでしょう。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材時期/2020年2月以前)

店名マルシン飯店
住所京都市東山区東大路三条下ル南西海子町431-3
営業時間営業時間 11:00~翌AM 6:00
定休日 火曜日
開業時期1977年