石清水八幡宮「朝日屋」 創業一世紀の参道食堂。鯖寿司だけじゃない魅力

石清水八幡宮「朝日屋」 創業一世紀の参道食堂。鯖寿司だけじゃない魅力

大阪・淀屋橋駅から京阪電車に揺られること40分。やってきたのは、京都府八幡市にある石清水八幡宮駅。駅名の通り、日本三大八幡宮の1つ「石清水八幡宮」の最寄り駅です。

年間参拝者数100万人を越える石清水八幡宮は、初詣の定番の神社の一つであり、厄除開運、必勝祈願を願い一年を通じて多くの人が訪れます。

石清水八幡宮駅目の前にある激渋な看板。ここが今日ご紹介する「朝日屋」です。午前11時から夜まで通しで営業しており、京阪を移動する途中に、ちょっと寄り道して一杯、なんて使い方もできるお店。

店先の鯖寿司の幟が目立ちますが、他にも料理はいろいろ。早速暖簾をくぐってみましょう。

 

着席と同時に瓶ビール。看板の通りのキリンビール(キリンラガー中ビン550円以下税別)。トトトとビアタンを満たして、まずは乾杯。

板前さんがたつ調理場に向いたカウンター席と、食堂らしいテーブルがずらり。店の奥は座敷になっていて、家族連れがのんびりお昼ごはんを楽しんでいます。

創業110余年。歴史感じるつくりなのですが随所で改装がされていて、全体的にはきれいな印象です。

 

チューハイはキリン樽詰レモンハイ(400円)。ハイボールは富士山麓。

おつまみはおでん(500円)から始まり、すじどて煮(500円)、お造り各種(750円~)、サバ串焼きやうなぎ炙り(950円)など。これに加えて麺類(うどん/そば 650円~)、親子丼(800円)にカレーライス(700円)まであります。飲み屋メニューばかりかと思いきや、参道にある休憩場所を兼ねた食堂によくあるメニューもばっちり揃っています。

 

ちゃきちゃきとされたお姉さんたちが注文を取ってまわっています。何にしましょうか。おすすめはお造り。老舗ならではの市場の仕入れ力と、ご主人自ら京都中央卸売市場で修行されていたということもあり、なかなか楽しい内容です。

寿司店のようで、食堂のようで、大衆割烹でもある。それが朝日屋の献立。

 

時刻は午後1時過ぎ。ランチのピークも過ぎて落ち着いた店内へ、暖簾越しに午後の日差しが差し込みます。そんななかつまむ「すじどて煮」。とろとろの牛すじ肉と、サイズを同じになるようさいの目切りにされたぷりっとしたこんにゃく。この食感と深い旨味はたまりません。

 

合わせるお酒は長龍酒造の吉野杉の樽酒。緑の正一合徳利ビンの可愛らしいフォルムが素敵。元祖・瓶詰めの樽酒で、関西ではおなじみの銘柄です。樽香を楽しむお酒はハマるとたいへんです。

 

さて、そんな樽酒にあわせるおつまみは、寒ブリ刺身(850円)。とても厚切り。ほどよく寝かしてぷりっとしつつもねっとりと美味しさが広がります。

 

もう一品。酒造りのシーズンの京都といえばかす汁(300円)です。お店や家庭によって作り方はまちまち。こちらのかす汁は魚中心のお店らしくわかめも入っています。

 

あったまったところで、軽く休憩のチュウハイレモン(400円)。名物の鯖の棒寿しにしましょうか。巻きずし、鉄火巻、握り寿司もあります。

 

持ち帰りのお客さんも多い、石清水八幡宮名物にもなっている朝日屋の鯖の棒寿し。1本買うと2,000円ほどしますが、店内ならば軽いシメの一品としてつまめるのが嬉しいところ。

 

三陸沖でとれ京都の市場に並ぶ上物の鯖。脂がしっかりのっているにも関わらず、しつこさを感じさせない絶妙なしめ具合。旨味はかなり濃厚です。お醤油はほんの僅かに風味づけ程度に使うか、そのままでもちょうどよい塩梅。ぎゅっと詰まっているのに、あっという間に食べられてしまう不思議な美味しさです。

1時間少々を過ごし大満足。お昼から地元に根付いた老舗で飲めるのは最高です。さて、京阪電車で祇園四条に向かいましょうか。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材日/2020年1月26日)

 

朝日屋
075-981-3202
京都府八幡市八幡高坊11-4
11:00~21:30(日祝は20:00まで・木定休)
予算2,500円