北大路「中華のサカイ本店」 昭和14年創業。冷めんだけじゃなく、中華飲みも魅力的

北大路「中華のサカイ本店」 昭和14年創業。冷めんだけじゃなく、中華飲みも魅力的

京都は数多の食文化を育んできた地。町の中華にも京都ならではの個性がみられます。

一見すると京都は日本食料理の店ばかりにみえるのですが、気にかけて歩いてみると、実はかなり中華料理店があることに気づきます。からしそばならばあっちの店で、天津飯ならこっちの店でと、地元の方からこだわりを聞きます。冷めん(冷やし中華)ならば、「中華のサカイ本店」がまずは抑えておきたいお店なのだと友人が話していました。

冷めんの店とはいっても、そこは町の中華。冷めんを手繰りお会計というのはもったいないので、ちゃんと飲んでみようと立ち寄りました。

場所は京都市営地下鉄の北大路駅から徒歩15分ほど。新大宮商店街のなかほどにあります。

 

創業は昭和14年。甘味処からはじまり、洋食店を経て中華となった歴史を持つお店。ちょうど、おじいちゃんと一緒に来ている親子3世代の家族連れが食事を楽しむ姿がありましたが、地域で長年親しまれているお店というのは言うまでもありません。

 

樽生(600円税込)はアサヒ、瓶はアサヒとキリン。今日は瓶ビール(中ビン600円税込)の気分、トトトとヒヤタンにラガービールを満たし、では乾杯。

 

中華料理店によってはアルコール類はビールと日本酒、紹興酒の3品のみ、なんてことも多々ありますが、中華のサカイ本店は、ハイボールや酎ハイ(アサヒ樽ハイ倶楽部)など選択肢が広いです。

 

お献立。素敵な響き。

看板メニューの冷めん(750円~税込)は、中華のサカイでは通年メニュー。毎日、冷やし中華はじめました状態。カラシの効いたゴマダレ味なのですが、今日は飲みに来たのでぐっと我慢。

洋食店の名残で、オムライスやクリームソーダがあるのもポイントです。

 

なんたって、サイドメニューをみたら最初から〆の炭水化物には手を出せません。

一品料理はA4メニューに両面、全60種類。むし鶏(818円以下税別)、白菜甘酢からし漬け(591円)、かに玉(818円)、ホイコーロー(727円)にトンポーロー(1000円)などバラエティ豊か。冬季限定の豚まん(182円)はファンが多いと聞きます。

中華の定番、餃子(6個300円税込)と手頃なのでまずは頼みたいところ。

 

さっとでてくる食べやすいサイズの餃子。ぱりっとした焼き目が楽しいです。

 

古くからやっている中華屋さんは、紹興酒を日本酒徳利にいれて提供することがあり、これがとても好きなスタイル。燗をつけてもらった紹興酒をちびりと飲んで、そのまま餃子をひとくち。

 

春巻き(909円税別)も独特です。春巻きの皮といえば全国的には小麦粉がベースになっていますが、京都の春巻きは「中華のサカイ」に限らず、多くのお店が、薄焼きの玉子を皮として使っています。

 

ぱりっとしているものの、内側はしんなりとしていて独特な”さく・ふわ”食感。竹の子がたっぷり入ります。

 

白身魚の甘酢炒めなど、一品料理もそれぞれ日常的に食べたい、でもちゃんとした本格中華という味。食べ慣れている味ですから、安心してビールとあわせてワイワイ楽しめます。

 

冷めんもよいけど、やきめし(600円)もね!ラードの香りともちもちのライスは、よくあるチャーハンとは一線を画すもの。添えられた紅生姜はもっちり系やきめしをより懐かしい味に染めてくれます。全体的にはあっさりとしつつも、濃い味のチャーシューがアクセント。ビールを進ませるやきめしです。

京都の主要な名所や繁華街からは離れていますが、だからこそ、観光視点とは違った京都の町並みや人々の暮らしを感じることができる一軒だと思います。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材時期/2020年2月以前)

 

中華のサカイ本店
075-492-5004
京都府京都市北区 紫野上門前町92
11:00~22:00(日定休)
予算1,800円