大分「田崎洋酒店」 笑顔あふれるワイン角打ち。地域のノンベエ御用達。

大分「田崎洋酒店」 笑顔あふれるワイン角打ち。地域のノンベエ御用達。

人口およそ50万人が暮らす大分市。九州地方で5番目に人口が多い都市で、それにみあった立派な飲み屋街が広がっています。大きなアーケード付き商店街や、遊歩道にアレンジされた小路など、中心街はほろ酔い散歩にぴったりです。

そんな大分駅周辺で地元の人に愛されている酒販店、田崎洋酒店をご紹介します。ここは地方都市では珍しいワインにフォーカスした角打ちです。

 

大分へは大分空港を使った航空機でのアクセスがメジャーではあるものの、九州内の移動は鉄道も負けてはいません。D&S(デザイン&ストーリー)列車と名付けられた個性的な列車が縦横に走ります。今回は、小倉から特急ソニック号に乗って、周防灘の車窓と駅弁をおつまみに大分を目指しました。

 

以前の激渋な平屋の駅舎から一新、大分駅は駅ビルに商業施設「アミュプラザおおいた」とJR九州ホテルブラッサム大分を併設した立派なものに生まれ変わっています。

 

戦国大名・大友宗麟公像が見守る府内中央口も、都市の玄関に相応しい風格とデザインとなりました。

 

駅前から大分県庁・大分城までの間は府内町といい、中央町、都町と一体的に市の繁華街を形成しています。とくに府内町は酒場やバーも多く、大分で飲むなら欠かせない一画です。

地名の「府内」は、江戸時代、大分が府内と呼ばれていたことに因み、町の歴史を今に伝える場所でもあります。

 

そんな歴史ある府内町で1923年(大正12年)から続く酒販店「田崎洋酒店」は、お昼から営業の飲めるお酒屋さんです。

 

洋酒店の名の通り、ワインや輸入ビール、スピリッツの割合が多く、町の酒販店とは思えないほどの立派な品揃えです。ご主人のワイン好きは接客にあらわれていて、とても楽しそう。ワインエキスパートの資格も取得されているそう。話を聞けば聞くほど、あれもこれも飲んでみたくなるトーク上手な方でもあります。

 

取材時は20時頃。お店はたくさんの笑い声に包まれています。

昔から通うお父さんたちがワイン片手に語り合う店内。さらに最近転居してきたという若いご夫婦や、久しぶりに実家に帰ってきたという家族連れまで、店内は老若男女の角打ち利用者で満員御礼の賑わいです。

 

お客さんがみんな楽しそうにしている様子を笑顔で見守る女将さんと、陽気でおすすめ上手なご主人。挨拶もそこそこに、まぁ飲みましょうよと、早速一杯。

 

全国の角打ちを巡っていますが、親戚一同大集合のようなムードは未経験。私も輪に混ぜていただいて、それでは乾杯!

 

取材時はイベント開催中でしたが、通常でもワインは一杯200円から。お世辞にもおしゃれとはいえない空間ですが、酒屋の一画で飲むことが好きな人には、ここはもう天国のような空間でしょう。蛍光灯に照らされたワイングラスだっていいじゃない。美味しいのですから。

 

海外ビールのブランド入りグラスも売られていて、旅先でなければ購入したかったです…。

 

ワインのあとは、サッポロ黒ラベル。大分県には西日本唯一のサッポロのビール工場があります。ここの黒ラベルはもちろん大分の九州日田工場製でした。角打ちの定番の乾き物やチーズなどをおつまみにして。

 

楽しい時間はあっという間に過ぎていきます。気がつけばだいぶいい時間。意気投合したご近所の皆さんともう1軒、ワインバーに行きましょうと盛り上がり、こちらでは一旦お開きに。楽しい時間をありがとうございました。

ご興味ございましたらぜひ。駅に近い元気な角打ちで一献傾ければ、大分がもっと楽しくなるはず。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/九州旅客鉄道株式会社)

 

田崎洋酒店
097-532-2689
大分県大分市府内町2-6-16 田崎ビル 1F
9:00~22:00(原則無休)
予算1,500円