小岩「大竹」 美味しく安く居心地よし!朗らかな名店。移転しても変わらぬ魅力

小岩「大竹」 美味しく安く居心地よし!朗らかな名店。移転しても変わらぬ魅力

小岩のもつ焼きといえば、皆さんの一番はどこでしょう。名店揃いの小岩でお店選びは毎度悩みます。

駅の北口で香ばしさに誘われて吸い寄せられる「大竹」も名店です。

40年間に渡り北口で愛されてきた大竹ですが、二の字カウンターの木造店舗が耐震基準を満たさないということで2017年12月29日に既存店舗での営業を終了。2ヶ月ほどの間を経て、駅から300mほど離れた場所の新店舗で営業を再開しました。

以前より少し広くなり、席数も若干増えたとのことですが、それでも小岩で長く愛される名店だけあって、夜な夜な店先に溢れんばかりの人が集まってきます。

 

これまでの二の字から変わってL字カウンターとテーブル席という配置。お客さん同士の距離の近さはそのままで、隣同士になったなら気がつけば昔からの飲み友達かのように盛り上がる、そんな和気あいあいとしたムードです。

 

カウンターは昔の店舗から引き継がれています。暖簾などにも昔の香りを感じ、新店舗なのに懐かしい。

 

大竹といえば、下町ハイボール。「ボールちょうだい」の言葉があちこちから聞こえる定番の飲み物。しっかりの甲類と強い炭酸、例えにくい不思議な味のエキスが入った黄金色。氷いりが標準ですが筆者はなしで飲むのが好き。では乾杯!

 

飲み物の値段も旧店舗のまま。下町ハイボール300円、生ビール500円、梅ハイも人気です。

 

料理のメニューもほぼ変わりはありません。ボリューム調整が多少行われていますが、昔を知る人も違和感はまったく感じないでしょう。どの料理も良心的で、値段に比べボリュームが多いのも人気の秘訣です。

 

もつ焼きは2本で200円。一串100円とは思えないほど大ぶりです。にんにくたっぷりスタミナ味のタレをつけて焼いたカシラは絶品。

 

脂だらけなのにクセがなく、濃厚な味がしっかりした余韻を残します。そこにすかさず強炭酸でしっかり濃い下町ハイボールが超絶マッチします。

串が大きいで、1本100円だからといつものやきとん店の感覚で最初からいろいろ頼んでしまいますと大変なことに。ご用心。

 

大衆酒場で食べる冷やしトマトは脂を流してくれる良き脇役。野菜が高くともここはずっと200円。

 

もつ焼きだけでなく、刺しも魅惑の顔ぶれ。とくにタン刺し(300円)はぜひ食べてほしいイチオシです。醤油に酢をかけた味で、かなり辛いカラシを僅かに塗って食べます。脂がぎゅっと詰まっていて見た目以上にジューシーです。

 

その余韻にはボールはもちろん、ビール(300円)だって抜群にあいます。大竹ではジョッキを凍らせていて、ふわふわの泡を載せてゃってきます。

 

「もつ焼き大竹、乾杯はサッポロ黒ラベル」のオリジナルポスターが大竹とサッポロの距離の近さを感じます。それにしても中ジョッキなのにごまかしのないサイズ。この大きさで大生ではないなんて。

 

昔からの常連さんに支持される瓶ビールは、変わらぬ赤星。粋で元気な常連さんが赤星を勢い良く吸い込む姿は、下町の変わらぬ風景です。

 

お通しなし、ボリューム満点の串や刺し。たっぷりの煮込みもお酒をクイクイと進ませる。二千円あれば十分に食べて酔って、そして一期一会の笑いもあって、それでおつりが来る。家族経営でアットホームな接客もあいまって、実に朗らかな気分にさせてくれる酒場です。

 

旧店舗の建物も好きでしたが、新店舗でもあの頃の雰囲気はそのままです。一度はお立ち寄りになってみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

旧店舗時代の記事はこちら

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

大竹
東京都江戸川区西小岩1‐12‐12
16:30~23:00(月定休)
予算1,700円