小岩『小野内』昭和12年創業。刺身も煮魚も絶品!質のよい肴にえびす顔

小岩『小野内』昭和12年創業。刺身も煮魚も絶品!質のよい肴にえびす顔

2022年11月11日

「親の代から酒は小野内」がキャッチフレーズ。小岩の北口にある酒場『小野内』を訪ねます。戦前に創業した界隈きっての老舗です。名物は煮込みと絶品揃いの海鮮料理たち。古き良き酒場のムードに浸りましょう!

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老舗の酒場好きなら一度は訪ねたい名店だ

JR小岩駅周辺は、総武線沿線の中でも特に老舗酒場が元気です。快速が停車する新小岩よりも、お酒を飲むのが好きならば小岩に住んだほうが楽しいに違いありません。南口の商店街に注目しがちですが、北口にもいくつか名店があります。

蔵前橋通り沿いに構える小野内は、この界隈で最も歴史ある酒場です。創業は1937年(昭和12年)。現在の店舗もタイル貼りで渋い店構えですが、現在の建物になる前は、角に広くガラスの引き戸を並べ大きな暖簾をかけた店でした。

外観

「これはいい店だ」と感じ取れる名店のムードを漂わせる店構え。「親の代から」というフレーズは実に誘われるものがあります。

内観

いらっしゃい!と大将と女将さんが迎えてくれます。下町方面の酒場らしい家庭的であったかい雰囲気に、お酒を飲む前からすでに癒やされます。カウンターはL字でね、壁側にはテーブル席が並びます。二階もあり、宴会ができるようです。

大人がリラックスして酒と肴と酒場風情に浸れる店、それが『小野内』です。壁にずらりと掲げられた短冊を眺めて、なにから始めようか悩むこの瞬間がたまりません。

品書き

お酒

樽生ビールはサッポロヱビス。瓶ビール大瓶はサッポロ黒ラベルなど。

酎ハイ類は、ハイボール(焼酎ハイボール)ウイスキーハイボール焼酎緑茶割りレモンハイなど。

日本酒は菊正宗高清水純米酒300ml瓶純米酒菊姫菊姫にごり超特撰特等酒 賀茂鶴正一合

焼酎は菊正宗7年貯蔵35度など。

料理

コチ刺身アジ刺身アジタタキハモ湯引き生うにイシガキ貝刺し特大サザエ刺身エボダイ塩焼銀ダラ煮付江戸前穴子煮付江戸前穴子白焼マコガレイ煮付若どり竜田揚げアユフライイカフライ目光から揚げ名代もつになど。

しみじみ美味しいと思える肴が揃う

サッポロ ヱビスビール

昨今、ビールジョッキのサイズが小さくなる傾向が続いていますが、老舗酒場のジョッキは昔ながらの大きさであることが多いです。『小野内』では、小ジョッキでも巷の中ジョッキサイズなのです。特大はなんと1Lも入る巨大なもの。しかも状態は抜群に良いです。

たっぷりあって、しっかり美味しいヱビスに気分があがります。それでは乾杯!

『小野内』のお通しはお豆腐です。一口サイズですがこれが実に美味しい。

にこみ

名物のにこみは、味噌ベースで濃厚な旨味が楽しめます。一般的な煮込みとは別物の美味しさ。焼酎ハイボール(いわゆるボール)があるので、ボールとあわせればそれだけで満足しそうです。

オクラ

ちょっとした箸休め的な野菜類も盛り付けに一手間かけていて、これがとても嬉しいです。

菊姫にごり酒

ビールのつぎは日本酒にしましょうか。菊姫のにごりは、お店やお酒屋さんがオススメする銘柄。ふっくらとした甘さですが後味はすっきりしており、刺身や煮魚ともよく合いそうです。

刺身盛り合わせ(スペシャル)

ひとつずつ、丁寧な仕事を感じる、盛り付けも美しい刺身たち。どれも素晴らしいです。内容は季節や海の状況など仕入れ次第でかわります。取材では箱ウニまで合わせた豪華な内容!もちろん単品で頼んでも十二分に楽しめるに違いありません。

あじたたきは、白ネギと大葉を効かせた爽快な味で、これが日本酒をぐんと進ませます。夏はハモを出してくれるのも嬉しいです。

酒場というよりは、割烹と呼ぶほうが良いかもしれません。

高清水純米酒

美味しい肴があるとお酒が進みます。高清水のスタンダードな純米酒は案外珍しいかも。すっと染み込む美味しさ。

本格焼酎 菊正宗七年貯蔵

珍しいお酒といえば、菊正宗の七年貯蔵の米焼酎があります。菊正宗の焼酎というだけでも興味がわきますが、樫樽に貯蔵したという手間のかかったお酒です。

ぬた

甘さ、酸味、そしてコクが絶妙なバランスのぬた。クキュッとしたネギの食感も楽しいです。

菊正宗 大

こうなると、お酒を飲むペースも上がります。定番酒は変わらずファンの多い灘の酒「菊正宗」です。お燗酒をきゅっと飲めば、再び肴を選びたくなるから不思議。

銀ダラ煮付

どれも美味しいものばかりでイチオシを決めるのは難しい!それでも、甘く濃いめの煮魚がお好きな方には、銀ダラ煮詰がイチオシです。みてください、この照り感。琥珀色に染まった身から、じゅわっと銀ダラならではの脂が滲み出てきます。老舗らしい安定感抜群の煮魚です。

アジフライ

刺身に使うような立派なアジをつかったアジフライもインパクトは十分。ザクザクの衣と、厚くフカフカとした身のコントラストがたまりません。このサイズだと筆者は味付けにソースよりも醤油をかけたくなります。

メヒカリのから揚げ

何度か訪ねていまして、これは別の日にいただいたメヒカリ。揚がり具合が秀逸で、中はギリギリ芯まで火が入った程度で、驚くほどしっとりとしています。

焼酎ハイボール

下町でおなじみ、色付きの焼酎ハイボールも『小野内』の人気を支えてきたオリジナルテイストの酎ハイです。氷はわずかでレモンスライスが浮かんだ様式美も楽しい一杯です。

老舗酒場には、続いてきた理由が必ずあります。『小野内』の料理には、常連さんの心をつかみ続ける美味しさがありました。これは確かに、親子二代で飲みに行きたい酒場です。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/西彦商店・サッポロビール株式会社)

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店名小野内酒場
住所東京都江戸川区西小岩4丁目14-1
営業時間17:00~23:00(日祝定休)
開業年1937年