船堀「伊勢周」 地元の皆さんでいっぱいの名酒場。鮮魚から洋食まで100種類を楽しむ

船堀「伊勢周」 地元の皆さんでいっぱいの名酒場。鮮魚から洋食まで100種類を楽しむ

2019年8月22日

今日の酒場は、船堀駅から歩くこと10分。なにかのついでに暖簾をくぐるというよりは、ここを目指してやってくるという場所。だって、そこには人情味あふれるお店の皆さんと、美味しい100種類の肴とお酒が待っているのですから。

1953年(昭和28年)創業、歴史ある酒場「伊勢周」です。

かつては教室サイズの広間に巨大なコの字を配したレトロなお店でしたが、現在は建て替えられています。それでも、風情はあの頃のまま。

現在は厨房に向いてL字に配されたカウンターとなっていますが、実は混んでくるとカウンターの内側にもお客さんが入れる、巨大な長テーブルとして使われます。そこでは、その瞬間をともに過ごすお客さんたちの一期一会の会話がはじまり、下町ムードを体感することになります。

料理は100種類。店の壁を埋め尽くさんばかりに品書きが貼られています。内容は、刺身、焼き魚、天ぷら、焼鳥に炒めもの、さらにはスパゲティなどの洋食とバラエティに富んでいます。ここは大人のファミレスです。

10分も歩けば、中ジョッキ1杯分は喉が渇くに決まっています。現在の樽生ビールはアサヒスーパードライ(中ジョッキ580円)。さぁ、乾杯!

お通しはきまってモツ煮込み。これが非常に美味。マイルドな旨味がとろけるように広がり、ビールを強烈に誘います。これがなんと無料。

お通しでビールを飲んでしまったので、続いて常連さんに大人気の緑茶ハイ。

合わせるおつまみは、あじたたき(580円)。ぷりっぷりの歯ごたえと爽やかな磯の風味。鮮度抜群です。

城東エリアの大衆酒場で飲むべきものといえば、やはり焼酎ハイボール(430円)。割材のタンサンは珍しいヤングホープが使われています。かすかな黄金色で、風味はすっきり、甘さはほとんど感じないドライな”ボール”。

せっかくですから、焼鳥も少し焼いてもらいました。2本1皿(280円)。砂肝やボンジリ、ささみなどの鶏串のほか、カシラ、タン、シロ、バラなど豚串も。

瓶ビールでは、赤星の愛称で昨今人気急上昇の銘柄・サッポロラガーも取り扱い。加熱処理ビールならでやさしく飽きのこない味は、酒場のおつまみとマッチします。

伊勢周のスパグラタン(680円)は、炭水化物で飲まない人にだって一度は食べて欲しい絶品メニュー。オーブンで焼くため提供には15分ほどかかります。

太めでコシのない喫茶店風ナポリタンスパゲティに、ホワイトソース、海老やベーコン、玉ねぎなどのグラタンの具を載せたもの。美味しいものにはカロリーがある!(笑)

三代続く家族経営の良い酒場。お客さんも世代をこえて通われていて、実に家庭的な雰囲気です。わちゃわちゃしているけれど、座ってみると不思議なほどに居心地がいい空間で、気づけば1時間はあっという間。

お店近くに、都営バス・新小岩駅行きのバス停がありますので、お帰りは路線バスが便利です。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

伊勢周
03-3651-6013
東京都江戸川区松江3-3-4
16:00~23:00(木定休)
予算3,000円