市川「朝日屋」 低価格、高品質!腕のよい料理にノックアウト

市川「朝日屋」 低価格、高品質!腕のよい料理にノックアウト

2017年6月14日

市川の朝日屋を知ると、ちょっとした低価格居酒屋では感動しなくなるかもしれません。とにかく、高品質で低価格と、日常酒場の王道をいく魅力をもったお店です。

もつ焼きのモツは船橋食肉市場直送、焼鳥の鶏は朝挽き国産鶏。もちろん注文を受けてから焼き始める手抜きなしの忠実系。肉だけでなく海鮮も優秀で刺身の品質もよく、船橋市場へ簡単アクセスの地の利を活かしている銘店です。

店構えこそ、最近にぽっと誕生したようなラフな造りですが、外観に似合わず店の中は飴色の染まり、スタッフの方の気さくな接客も相まって、なんだか長年続いている”イイ酒場”を偶然引き当てたような気分になります。

 

畳の小上がりに昭和サイズの4人テーブルが数卓。土間部分は2人テーブルが無造作に並び、15時半と早い開店にも関わらず明るいうちからほぼ満卓の賑わいです。奥にはスナック風のカウンターがあり、一人飲みも安心。

 

2010年オープンの酒場とは思えない年季の入り方。昨今のネオ大衆酒場が真似したくともできない雑多(適当)でわちゃわちゃとした品書きが素敵です。酒場の短冊はソート(ジャンル別に整列)してはいけないのです。どこに何が書かれているかわからないから楽しいし、悩む時間も含めて酒場の味です。

 

日替わりに刺身、フライ、アラ、唐揚げなど。全般的に料理がリーズナブルで、200円台のおつまみ2品でだいぶ楽しめます。

 

常連さんたちを引き寄せる低価格。若い人からヘビー酒場ユーザーのご隠居さん、若い夫婦まで客層も様々です。こんなお店が家の近所にあれば、それは通いますよね。スーパーのお惣菜と比較して戦える内容なのですから。

 

お酒は生ビール黒ラベルが390円、中びん赤星が490円、江戸川を越えてここは千葉県ですが、対岸の名物ドリンク・下町酎ハイは280円と嬉しい値段。基本サッポロ系のアルコールで揃えられていてラムハイまでありますが、ソフトドリンクに「リボンオレンジ」(ポッカサッポロ)を入れているあたり、見逃せない。

 

ほとんどのテーブルに置かれている赤星の中びん。朝日屋でも赤星は大人気です。240mlタンブラーにトトトと注いで、では乾杯!

店の雰囲気が昭和テイスト全開で、その中で輝く赤星は美味しいに決まっています。

 

イチオシのおつまみは200円のだし巻玉子。昆布だしを吸ってヒタヒタの玉子は、もちろんお店で作る自家製です。たかが玉子焼と侮るなかれ、むしろ朝日屋はこのだし巻にこそ最大の価値があるといってもいいほど。

 

もつ焼きの紹介はまた別の機会にするとして、今日はブリ刺しがいいよというオススメもありお願いすると、低価格酒場とは思えないほど立派なブリが登場。脂ののりの良さや鮮度はもちろんですが、板前さんの腕がいい。刺身の角が立っていますし、しその花が添えられワサビ受けには桜形の人参が使われています。この写真だけならば、「新富町の割烹で2,000円くらい」と言ってもごまかせそう(笑)

 

せっかくの素敵な刺身ですが、気分は下町酎ハイでしたのですみません。まさかこんな立派とは思わなくて。天羽のエキスと思われる酎ハイは、みんな大好き下町の味。もちろん、別に日本酒も揃っていますので、あえて低価格酒場だからこそ贅沢に頼んでみるというのも良さそう。

市川の底力を見せつけられた。朝日屋はまさにそうまとめるのが相応しいでしょう。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

朝日屋
047-326-5931
千葉県市川市市川1-2-1
15:30~23:00(日定休)
予算1,800円