日本酒生産量一位の兵庫県。菊正宗や白鶴、剣菱といった大手蔵がある東灘が日本酒の故郷として知名度が高いですが、東灘と並んで酒の都なのが実は明石市と言われています。
江井ヶ嶋酒造をはじめ太陽酒造など現在、市内では7蔵が日本酒づくりをおこなっています。また、漁師町ということもあって、早い時間からお酒を楽しむ人々が多いことから、昼酒の楽園となっています。
市内には新旧、様々な角打ちがあり、数分歩けば隣の角打ちへ梯子できてしまうのです。
三國酒店は、そんな明石の角打ちの中では硬派なお店。年配のご主人と後継ぎのお子さんで支える街の歴史あるお酒屋さんです。店先は至って普通の酒販店。冷蔵ケースと酒棚の間をすり抜け、バックヤードを抜けた先に角打ちスペースが待っています。
カウンターとちょっとしたテーブルで10人ほど入れる角打ちスペース。午前10時のスタートとともに、常連さんたちが集い、ちょっとした集会所となります。初めての人はソワソワするかもしれませんが、店主さんはじめ、皆さんいい人たちなので、角打ち好きならばきっと溶け込めるはず。
手作りのおつまみが20種類ほど。お店を切り盛りするご家族による手作り料理が冷蔵ケースに入っており、好きなものをいただきましょう。130円からとリーズナブルで、なんと手作りの本格餃子まであります。
2タップのサーバーに、アサヒスーパードライと樽ハイ倶楽部がつながっています。さすがお酒屋さん、というと失礼ですが、ビールサーバーはぴかぴかで大変状態のよいビールが楽しめます。
樽ハイ倶楽部のレモンで、乾杯。せっかく手作り料理があるのですが、実は取材時は満福で6Pチーズでごめんなさい。
ビールは大びん400円とリーズナブル。アサヒとキリンが選べます。
古いお店ですが、しっかり手入れがされている店内。常連さんやお店の方のやわらかな物腰のトークもあって、お昼からここで飲むとまるで天国のような気分。
日本酒の種類が豊富で、とくに明石の酒蔵のお酒がほぼ全蔵揃っているのが素敵です。江井ヶ嶋酒造の神鷹など、土地のお酒を楽しみましょう。ちなみに、甲類の白玉焼酎は江井ヶ嶋酒造が製造しています。(田端の初恋屋などの甲類)
年配の常連さんの集合場所ではありますが、日本酒は街の角打ちのそれを越えるこだわりがあり、季節感のあるレアな銘柄が当たり前のように並んでいます。
リーズナブルにお酒と触れ合える、典型的ながら、これぞ角打ちという魅力が詰まっています。200mlのビアタンにたっぷり注がれて350円の特撰をリピートして、へろへろになっていく筆者でした。近くに立ち飲み、角打ちが多数ありますので、立ち飲み好きの方にオススメのエリアです。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
三國酒店
078-911-6403
兵庫県明石市鍛治屋町4-22
10:00~20:00(日定休)
予算1,000円