盛岡『茶の間』60年続く名店が建て替えで、まるで高級割烹に!でも地酒1杯350円

盛岡『茶の間』60年続く名店が建て替えで、まるで高級割烹に!でも地酒1杯350円

60余年続く盛岡を代表する酒場のひとつ『居酒屋 茶の間』。2019年に建て替えた店舗は非常に贅沢な造りですが、料理は昔の手頃な価格のまま。気軽に飲める店として今も地元の皆さんに親しまれています。名物の銀鮭トロ粕煮やホヤをつまみに地酒を楽しみませんか。

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地元の木材を多用した立派な内装に驚く

いまはなき、桜山の旧店舗

昭和30年代に創業し、現存する盛岡の居酒屋でも古参の一軒。盛岡の街を飲み歩いてきた人なら一度は利用したことがあるような、世代を越えて愛用されてきた居酒屋です。

新店舗建て替え直後の様子。開業前に内覧会にて取材。

長く櫻山と中央通の2店舗体制でしたが、2019年に中央通側を建て替え、立派な新店舗になりました。建て替え後、開業直前にも取材していましたが、改めて本格始動した様子をご紹介いたします。

建て替え後、ご存知の通り酒類の提供規制、移動制限などがあり、せっかく新築された店舗も、お客さんが入らない状況が長く続いていました。最大40人が宴会できるスペースも、新築直後のお祝い利用以降、長く使わないままだったと聞きます。

建て替え以前から大好きな店だっただけに、復活後の様子が気になって仕方がありませんでした。

暖簾は旧櫻山店と同じものがかかっています。

内観

内覧時の様子

日本酒が350円、料理の多くが500円前後の店とは思えない、ゆとりのある配置です。地元の木材を多用し、立派な一枚板のカウンターを配したつくりは、予算1万円くらいの店と言われても不思議に思えません。

二階には畳敷きの座敷もあり、新しくてもどこか懐かしい雰囲気があるとても素敵な造りです。

カウンターの内側には珍しい酒燗器がありました。

新築として再オープンからあっという間に4年が経過した今、お客さんが戻ってきたこともあり、熱量たっぷりの名店の雰囲気が感じられます。

品書き

お酒

  • 樽生ビール キリンラガー:中570円・小420円
  • 瓶ビール キリンクラシックラガー・サッポロ黒ラベル中瓶:各680円
  • 日本酒 鷲の尾・月の輪:350円
  • 鷲の尾(八幡平) 純米生貯蔵:950円
  • 酔仙酒造(陸前高田・大船渡)活性原酒雪っこ:600円
  • サワー各種:440円
  • キリンウイスキー陸(御殿場):480円

料理

  • かつお刺身:720円
  • かつおたたき:750円
  • ほや(酢・刺身):500円
  • たこ頭刺身:500円
  • 銀鮭トロ粕煮(8月~11月はおやすみ):520円
  • 塩さば焼:450円
  • あじ大葉フライ:530円
  • 若鶏のパリパリ焼:600円
  • いかフライ:500円
  • ピリ辛舞茸炒め:390円
  • 和風ローストビーフ:580円
  • どぜう鍋:990円
  • だしまき玉子:520円
  • 豆腐冷・温:330円
  • 南蛮みそ豆腐:390円
  • わらび煮付け:450円

銀鮭トロ粕煮はもちろん、どの料理も間違いない

キリンクラシックラガー(680円)

樽生ビールは一番搾りではなくキリンラガーというのがこだわりを感じるポイント。瓶ではキリンの定番銘柄では唯一の熱処理ビール「キリンクラシックラガー」が用意されています。それでは乾杯

お通しは嬉しい茶碗蒸し。しいたけからいい出汁がでています。

ポテトサラダ(390円)

かなり丁寧に潰したマッシュ状のポテトにしっかりマヨネーズを入れた王道のポテトサラダ。しみじみ美味しいです。アレンジする店が多いですが、やっぱり『茶の間』はこうでなくちゃ。

銀鮭トロ粕煮(520円)

こちらが、『茶の間』オリジナルの銀鮭トロ粕煮。酒造りが盛んな盛岡らしい酒粕をたっぷり使用した料理です。酒粕は八幡平の鷲の尾のものだそう。三陸は銀鮭の産地ですし、こういう料理に土地の風情が感じられます。

トロッとしており、箸で持ち上げると崩れそうなほどです。酒粕の濃厚なコクと甘さ、鮭の旨味と塩味が合わさり、他では食べたことがない秀逸な味に仕上がっています。

コップ酒 鷲の尾・月の輪(350円)

女将さんが目の前でお酒を注いでくださいました。酒粕と日本酒が合わないはずがありません。「鷲の尾」か「月の輪」が選べるコップ酒は1杯350円です。

きゅっと一口。盛岡っていいなーと思える瞬間です。

盛岡はコンパクトにまとまっていて、酒場が多い。お酒は美味しいし、三陸の海の幸も、盛岡を囲む山の幸、川の幸も楽しめる。何度訪ねても、毎回気持ちよく飲める街だと思います。

たこ唐揚げ(550円)

ザクザクの衣をまとったタコ唐揚げ。ビールとも日本酒とも相性がイイ!

ごちそうさま


茶の間は持ち家の家族経営。二世代で切り盛りされている雰囲気もとっても温かく、心地よい気持ちにさせてくれます。

あいにく、名物の銀鮭トロ粕煮は8月から11月までは酒粕等の関係でお休みとなりますが、夏はワンコインでホヤ刺しが楽しめますし、ほかにも地元食材の料理が豊富。

一枚板の重厚感あるカウンターでの一人飲みから、二階の座敷を使った宴会まで幅広く利用できますので、ぜひ立ち寄ってみてください!

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名居酒屋 茶の間
住所岩手県盛岡市中央通1-10-4
営業時間営業時間
17:00~24:00
定休日
日曜日
開業時期1959年頃