民話の里・遠野へいったことはありますか。今も伝わる多くのむかし話、そして遠野物語やかっぱ伝説など、遠野が関わるストーリーは実に豊富です。さらには、お酒好きなら一度は訪ねたい場所でもあります。何を隠そう、ここはどぶろく特区。加えて、キリンビールなどで使用されている国産ホップの生産地でもあります。もちろんグルメだって魅力は数多。ひっつみ汁に馬肉料理、清流の川魚、じんぎすかんも名物です。
そんな遠野へ、次のお休みは旅に出てみませんか。
これまで、遠野のホップや老舗酒場を記事にしてきましたが、今回はじんぎすかんをご紹介。老舗の「まるまんじんぎす館」で、ビール片手にラム肉を頬張りましょう。
遠野の街が一番活気づく夏。ホップの収穫が行われる8月にあわせ「遠野ホップ収穫祭」が開催されます。2019年で5回目となります。
遠野ホップ収穫祭2019
開催:2019年8月24日(土)・25日(日)
場所:蔵の道ひろば
webホームページ:https://www.lets-hopping.com/
※筆者は今年も遠野ホップ収穫祭2019へ取材に行きます。
遠野へのアクセスは、JR釜石線が便利。花巻出身の童話作家、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のモデルと言われている路線で、岩手の県庁所在地・盛岡や花巻から遠野を経由し釜石まで結んでいます。
第五回遠野ホップ収穫祭にあわせ、釜石線では「臨時快速 遠野ホップ収穫祭号」も運行予定です。※詳しくはJR東日本プレスリリース[PDF]
もちろん、定期列車に乗っても快適・ラクラク。自然豊かな岩手の山を縫うように列車は駆け抜けます。お酒を飲みながらほろ酔い旅を。
8月、ホップ畑ではダイナミックなパノラマが広がります。2階建ての建物に相当する高さまで伸びたつるには、青々としたホップが鈴なりに実っています。こうしてホップ畑をみると、改めてビールが大地の恵みだと感じます。
遠野の見どころはホップだけではないのですが、Syupoは酒場メディア。そろそろ目的の「まるまんじんぎす館」へ。まるまん精肉店のジンギスカンだから「まるまんじんぎす館」。駅前の飲食店街に構える一軒で、いぶし銀の雰囲気がノンベエ心をくすぐります。
カウンターと小上がりという配置。家庭的な雰囲気は、旅先の緊張をほぐしてくれます。
ホップの里・遠野ですから、もちろんビールで乾杯!秋になると遠野ホップを使用した「とれたてホップ一番搾り」もキリンビール仙台工場での醸造を終えて、ここ遠野の飲食店に登場することでしょう。
樽生のキリン一番搾り(小四00円・中500円・大800円)、キリンクラシックラガー(中びん・530円)、酎ハイは各400円。日本酒(380円~)は遠野の造り酒屋・上閉伊酒造の看板銘柄「国華の薫」です。
じんぎす館セット(3,200円)は2.5~3人前とボリューム満点です。食事メインでしたらシンプル定食(ライス・味噌汁・漬物・デザート付き 1,580円)もあります。
ラム肉はオーストラリア産を使用しているそう。
バーベキュー感覚でトッピングできる豚ホルモンや野菜、ウインナーなど。500円前後とリーズナブル。
“じんぎすかんはおつまみ感覚でちょっとずつ。じんぎすかん鍋を囲むよりもお酒をメインで。”
という気持ちもありますよね。軽めにつまむならば「ラム肉と野菜の鉄板焼き」(1,200円)。
じんぎすかん鍋は登場しないものの、お店で仕上げてくれたラム肉と野菜が丁度いいくらいやってきます。厨房に向いたカウンター席でつまむと、気分はすっかり飲み屋さん。
スジや脂を感じさせない、柔らかく優しい味。北海道のようにタレ漬けをしたものではなく、遠野は生ラムを焼いたあとにタレをつける方式。クセの少ない旨味を引き出すタレも、味のポイントです。
遠野で焼き肉といえば、牛や豚ではなく昔から羊だったと伺いました。じんぎすかん鍋がある一般家庭も多いそうで、まさに地域に根づいた食文化です。
遠野を訪れた際は、ぜひ一度はじんぎすかんを楽しんでみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビール株式会社)
まるまんじんぎす館
0198-60-1185
岩手県遠野市中央通り1-8
18:30~22:00(ランチ営業あり・火定休)
予算3,000円