盛岡からJR山田線の快速列車で約2時間。本州最東端の街、宮古市。三陸を代表する景勝地「浄土ヶ浜」に代表される太平洋沿岸の豊かな自然に囲まれた街です。
三陸沖漁場やリアス式海岸周辺で操業する漁業は街の主要産業であり、何より観光客を魅了する観光資源でもあります。マダラや鮭の水揚げ高は特筆する量であり、秋鮭といえば宮古と言われるほどです。
そんな魚介類を楽しむならば、夜はやはり居酒屋や寿司店へ。そして翌朝はホテルを早めに出発し、市場を目指してみてはいかがでしょう。宮古には宮古港に併設された地方卸売市場宮古市魚市場と、地元の生活や飲食店の仕入れに利用されている宮古市魚菜市場の2つがあります。少量買ってそれをつまみに飲むならば、魚菜市場がいいと前日に酒場で教わり、早速挑戦してきました。
終戦直後の露天商が市場の原点。1960年代には40店舗以上になり、1967年に初代となる市場建屋が建設されます。現在の建物は1995年に建て替えられたもので、37店舗が店を構えています。
市場内にはいわて生協(コープ岩手)のスーパーも併設されています。市場内の飲酒は常識の範囲内で可能ということで、ビールや地元の男山などのお酒をまずはここで調達します。
敷地内には丼ぶり店や食堂がありますが、今日の目的は市場そのもの。
市場内には水揚げしたばかりの魚介類が並んでいて、これをバーベキューで楽しむ専用コーナーまで用意されています。今回は一人なので、流石にバーベキューは恥ずかしい…
三陸を代表する食材、ホタテは大ぶりのものがなんと300円。ブリのこども「しょっこ」は一尾90円。魚介類好きには夢のような売り場が広がっています。ホタテなどはその場で開いてもらうことも可能で、活貝を豪快に頬張れば、旅先の楽しさ100倍です。
名物のイカ、タコ、ウニ、三陸産ビンマグロの中落ちなどの、これまた驚きの300円台から並んでいます。
さすがに瓶入りのウニは量が多く値も張るので悩むところですが、いくらは1,500円となんとか手が届きます。本州の鮭水揚げ量トップになることもある宮古は、いくらももちろん名産品。
食堂では丼ぶりのごはん単品も販売しています。豚汁といっしょに購入し、あとは市場内で買い集めてきた、いくら、ホタテ、タコを用意。
缶ビールをぷしゅっとあけて、市場朝酒スタートです。乾杯!
地物だけで揃えた海鮮おつまみ。鮮度抜群の魚介類は、とくにビール、日本酒にあわせるならば帆立の貝柱が絶品。甘く華やかな香りが心地よいです。
ある程度つまんだところで、いよいよ海鮮丼に。ごはんやトッピングの具材あわせて費用は2,000円ちょっと。それもこんなにたっぷり具材を載せています。
手頃な価格で贅沢な海鮮盛りが楽しめる宮古魚菜市場。市場の店員さんとの会話も楽しみの一つです。
素朴だけどいいものいっぱいの三陸宮古の市場酒でした。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
宮古魚菜市場
0193-62-1521
岩手県宮古市五月町1-1
6:30~17:30(水定休)
予算2,500円