盛岡「味処 美乃」 ご夫婦で切り盛りされる良心価格の魚処。

盛岡「味処 美乃」 ご夫婦で切り盛りされる良心価格の魚処。

2019年11月27日

今日は盛岡、大通にある「名店会館」でのれんを掲げて40年になる飲み屋「味処 美乃」を訪ねます。盛岡は人口約30万の都市ですが、飲み屋街の規模はかなり大きく、「大通」界隈は、北東北最大の歓楽街と評されています。

盛岡は沿岸の都市ではないものの三陸沿岸との交通の便はよく、市内で食べる鮮魚はなかなかのレベル。加えて山の幸はもちろんのこと、南部杜氏が手掛ける銘酒も非常に充実しています。地方都市で飲み歩きたい人にはもってこいの街です。

ギラギラネオンの歓楽街から離れて少しの場所に、「名店会館」という名のレトロな屋内型横丁があります。賑わう大箱の居酒屋もよいですが、こんな横丁をふらりふらりと梯子するのも楽しいものです。目指す「美乃」はこの中にあります。

笑顔で迎えてくれた大将と女将さん。ご夫婦で切り盛りされているあったかい雰囲気の飲み屋さん。お客さんは地元企業や公共団体などで働くお父さんたちが中心ですが、意外にも若いグループの姿もあります。

包丁をにぎる大将の前、砂かぶりのカウンター席へ。カレイ、つぶ、ホヤ、さんま、そしてホタテ。どれも魅力的。大皿にはこぶりなヤリイカの煮付けをはじめ、ナスピーマン炒めやアスパラベーコンなどが盛られていて、眺めているだけでお酒が進みそうです。

乾杯はキリンビールで。長年キリンを扱われているそうで、樽生ビール(中540円)は一番搾りではなくキリンラガーというのがこだわりポイント。先にくる苦味がまさにキリン味。

さすが酒処、盛岡。紺屋町の菊の司・七福神を筆頭に、釜石の浜千鳥、八幡平のわしの尾 一関の磐乃井こでられねなど土地の銘柄が並んでいます。定番酒も地元のもので、1合330円から。

今日のお刺身は三陸沖のかつお、近海のあじ、つぶにイカに小肌。毎日書き換わる品書きには旬の食材が並びます。(取材は晩夏のころ)

旬の三陸生さんま、サバも金華で知られる東北ブランド。他には、地元産しいたけと三陸ホタテが山ほど入ったボリューム満点のかき揚げが名物です。郷土料理の「ひっつみ」は通年で食べられます。

地元味噌と鮮度のいいぷりっぷりのアジを包丁でトントン叩いてできあがり、アジのなめろう(650円)。

脂ののった大ぶりの秋刀魚は塩焼きで(650円)。

土地の魚介類というピースには、地酒というピースが一番すっとはまるもの。お店から1キロも離れていない盛岡は中津川沿いの酒蔵、菊の司の冷酒をあわせて、ひといき。お客さんたちの岩手の言葉も素敵だし、女将さんや大将が教えてくれる料理のお話も旅の楽しみです。

L字カウンターとちょっとしたテーブル席。大将がお客さんのテーブルを見渡せるちょうどいい大きさです。騒がしくなく、落ち着いた雰囲気で、良い料理をちょうどいい値段で提供してくれる飲み屋さんでした。

こういう雰囲気が大好きです。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビール株式会社)

味処 美乃
019-651-1493
岩手県盛岡市大通1-11-18 名店会館
17:00~25:00(日祝定休)
予算2,800円