東京 千代田区「水道橋」。駅の北側には小石川後楽園やドーム球場、そして南側は中小のオフィスビルや大学が立ち並ぶビジネス街です。神楽坂と神田という二大繁華街に挟まれた街ですが、100軒以上の居酒屋がしのぎを削る飲み屋激戦区でもあります。
会社終わりに一杯ひっかけにくるお父さんたちに加え、最近は若い人の姿も多く、居酒屋の顔ぶれもここ数年で大きく変わりました。
2017年12月開店の「たこといかのでん」(開業時はいかのでん)も新進気鋭の一軒です。もつ焼きでんの姉妹店で、全国的にも珍しいイカとタコを専門にした居酒屋です。
スタイルはもつ焼き店の豚モツをそのもも海鮮に置き換えたかたちというのが、一番わかり易いと思います。串打ちしたイカが焼ける美味しい香りに包まれた店内。L字のカウンターを配置したつくりで、利用は1~2名くらいがちょうど良さそう。店員さんとの距離が近く、調理風景のライブ感もお酒を進ませます。
人気店で満席近いことも多いなか、なんとか1席みつけて、さあ飲みましょう。星マークが輝くジョッキで楽しむ黒ラベル(450円)。では乾杯!
瓶ビールはサッポロラガー(大ビン650円)、ホッピーは白黒あってセットは450円。もつ焼きのでんと同様にサワー類のバリエーションが豊富で、不思議なネーミングも並んでいます。いかのでん時代から佐渡島推しで、日本酒にも「北雪」、「真稜」、「天領盃」、「真野鶴」、「金鶴」と、佐渡島5蔵がすべて揃っています。よく見るとお店の看板にも、佐渡島の絵柄が書かれています。
料理は笑ってしまうほどにイカとタコのオンパレード。イカもタコも大好物の筆者にはたまらない内容です。煮込みもここは豚や牛のモツではなく、しっかり「たこいか団子汁」となっています。
ここにきたらコレ!いか刺し(280円)。この値段でこのきれいな盛り付け、ステキでしょう。生姜をたっぷりとかしていただきます。イカ刺し用に50円追加を支払うと肝醤油がでてきます。ねっとりとした美味しさは、ビールや日本酒を誘います。
たこいか団子汁(380円)は甘めの醤油味。根菜でクセをとっていて団子は素直に美味しい味。たこといかだけのつみれは珍しいですよね。優しい味にほっこりしつつ、ビールをぐっと。
サワー類は一部を除きナカ(焼酎)とソト(割材)が別々にでてきます。好みの分量で割っていただきます。そして、ここのナカはキンミヤ焼酎を冷凍庫でシャーベット状になるまで冷やした「シャリキン®」になっているのが特長です。ナカが冷えているので氷いらず。グラスいっぱいに冷たい酎ハイが満たされるのはいいことです。
ソルティドッグのようにグラスの縁に塩がついている「レモンサワー」(380円)。すっきりした味が楽しめます。
団子汁をつまみにのんびり飲んでいると、げそ焼き(280円)も焼き上がりました。シンプルだけどしみじみ美味しいこの味。
もつ焼きのでんでも使われているオリジナルの生姜味噌が添えられてきます。すりおろした紅生姜のような味でしっかり濃い味。イカの風味ともよくあいます。
10席ほどのカウンターでみなさん思い思いにお酒と料理を楽しむ空間。仕事帰りにちょっと立ち寄るのに向いています。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
たこといかのでん
03-6261-2888
東京都千代田区神田三崎町2-13-6 トキワビル 1F
16:00~23:00(土日祝は13:30~売切まで)
予算2,000円