蒲生四丁目『魚庭本店』名物は生マグロ。昭和12年創業の老舗スーパー直営店

蒲生四丁目『魚庭本店』名物は生マグロ。昭和12年創業の老舗スーパー直営店

2022年11月24日

生マグロが看板料理。大阪は蒲生四丁目にある老舗スーパー直営の立ち飲み『魚庭本店(なにわほんてん)』は不思議な立ち飲みです。値段は手頃で、この価格としては非常に価値を感じる料理が楽しめます。開店は午前11時から。

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レトロな城東商店街に構える人気店

長堀鶴見緑地線で京橋から1駅、今里筋と鶴見通の交差点にある蒲生四丁目駅。キタやミナミ、京橋界隈の繁華街とは違った魅力があるこの界隈は、「がもよん」の愛称で呼ばれています。いわゆる下町風情が感じられる場所として近年注目されています。

とくにレトロなアーケードが残る城東商店街は味わい深い雰囲気です。

そんな「がもよん」のランドマーク的な存在が、1937年から続いている酒販店を起源とする老舗スーパー「ではらストアー」です。創業時から酒類販売だけでなく、惣菜や漁港直送の鮮魚を並べるなど特長的な売り場が人気となっています。

店の一画には立ち寿司コーナーや立ち飲み処もあり、こちらもお昼から飲みたいお客さんたちで早い時間から賑わっています。

外観

立ち飲みコーナーの店名は『魚庭本店』。開店は2009年。天然生マグロを名物にしており、献立の約半数がマグロに関係する料理となっています。

スーパーマーケットが立ち飲み店を開く例は他の地域にもありますが、同店は特にパワフルな雰囲気。まさしく食い倒れのまち・大阪らしい1軒です。

内観

店に入ると元気なベテランお姉さんたちが迎えてくれます。

「いらっしゃい!奥へどうぞ。」

そんな案内に従いカウンターに沿って店の奥へ。椅子席のない硬派な立ち飲み店スタイル。口開けの11時に訪ねましたが、すでに通い慣れている風のお客さんが数名。その後も続々とお客さんがやってきました。バッグをカウンター下のS字フックにぶら下げて、それでははじめましょうか。

品書き

お酒

樽生ビールはアサヒスーパードライ中ジョッキ:439円。瓶ビールはアサヒスーパードライ大瓶:549円。

日本酒は定番が大関:385円、冷酒大関生貯蔵酒:385円。さらに、月桂冠樽酒:439円、プレミアム地酒 越乃寒梅:439円、青物の地酒にごり酒原酒:439円。

その他、ブラックニッカハイボール:439円、チューハイ(樽ハイ倶楽部):385円、麦焼酎かのか:385円など。

料理

看板料理のマグロのお造りは種類が多く、天然生マグロ:549円、本マグロ中トロ:769円、本マグロ上赤身: 659円、生マグロ中落ち:659円、生マグロの天身:605円など。常連さんにはくじらも人気のようで、「今日はある?」なんて会話も。くじら紅白お造り:549円、サラシ鯨(オバケ)酢みそ:549円など。

寿司は、生マグロ鉄火巻:769円、生マグロにぎり2個:439円など。

天ぶらは110円~で、1品から注文可能です。ちくわ天:110円、しいたけ天:110円、穴子天:219円、ジャンボえび天:219円、イカ天:219円など。

219円均一の手頃なメニューでは、若どり唐揚げを頼む人が多いようです。

秋冬限定メニュー

おいしい湯豆腐:385円、生まぐろジャンボネギマ:439円、カキおでん:439円、タコおでん:439円など。

確かな美味しさ、生マグロにうっとり

アサヒスーパードライ生ビール(439円)

なにはともあれ、お酒をもらいましょう。常連さんは日本酒やハイボールからスタートする人も多いようです。瓶ビールは昨今の値上げもあり価格改定されましたが、それでも大瓶549円の安さには驚きます。

私は樽生のアサヒスーパードライをチョイス。それでは乾杯!

名物 天然生マグロ(549円)

書き換えづらいファサードにも天然を謳うこだわりが素晴らしい。生マグロのお造りはこのボリューム。食べごたえは十分にあります。

盛りがよいだけでなく、なるほど、確かに味がよいです。引き締まった赤身ならではの爽やかさ。それでいてコクもあります。安定して天然生マグロを仕入れるのは昨今ご苦労があるかと思いますが、その価値は十分にかじられます。

樽酒 月桂冠

京都・伏見のお酒「月桂冠」。樽酒は珍しいので頂いてみました。ふわっとしたほのかな甘味。

湯豆腐(385円)

大阪の立ち飲みで、冬になると食べたくなるのは湯豆腐です。東日本に多いお湯に浮かべたものとは違う、出汁に沈めてとろろ昆布を載せた関西標準の調理法です。

汁そのものの出汁の美味しさもあり、これで日本酒やビールが結構進みます。

えび天(219円)

品書きにある通り、ジャンボサイズのえび天。常連さんにも大人気のようです。

お椀にしっかりと天つゆを入れてくれ、これに浸して食べれば気分はそば屋の天抜き気分です。近年、コストや運営の手間から、立ち飲みでは天つゆを省く店が増えましたが、筆者はやはり天つゆが好き。

食品スーパーの系列とはいえ、店はここ一店舗だけ。しかもそれほど広くはない店ですが、これだけ力強い料理を揃えているのはさすが大阪です。開店から14時まで限定で提供される600円ほどの海鮮丼を「アテ」にして飲むのも良さそう。

いつもの京橋とは違った酒場で飲みたいときや、「がもよん」散策の合間にふらりといかがでしょう。

ごちそうさま。

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名魚庭本店(株式会社 出原)
住所大阪府大阪市城東区今福西1-8-14
営業時間11:00~21:00(日定休)
開業年2009年(運営する株式会社出原は1937年創業)
公式サイトhttps://naniwahonten.rwop.jp/