大阪というと食い倒れの街なんていうイメージがありますが、学生時代、修学旅行でそれを体験しようと道頓堀当たりに行くんですよね。で、電動蟹ロボットや定番たこ焼き、不思議なレストランに入って大阪の食を満喫した気分になる。少し大人になると、これに串かつが追加されますが、本当の大阪飲兵衛はそんな日常は送っていないのです。
「安くて美味しいものを」
東京の人の何倍もこの気持ちが強い思われる大阪の人はいったいどこで飲んでいるのでしょうか。
その答えが、ここ京橋にありました。
立ち飲み屋が多く、朝からやっているお店も少なくありません。
今回紹介するお店は、この中でもとびきり楽しい一軒。居酒屋丸進さんです。立て看板には「まいどおおきに まるしんです」と書かれています。
この日は12時に立ち寄ったのですがもう店内はびっしり満員。それでも、詰め詰めで入れるのが大阪流。お客さんも、飲んでいきなさいとばかりに場所を作ってくれます。
おっ、久しぶり!元気だった?
笑顔で迎えてくれた大将の進藤さん。進藤さんのお店だからまるしん。
「今日は取材も兼ねておじゃましました。どうぞよろしくお願いします。」私
「ばんばん撮っていってやー、その代わり美味そうに頼むわ」進藤さん
美味し”そう”でなくて、ここは美味しいから大丈夫(笑)
今日はですね、鯖なんてどうでしょ。
ここのお店は提案型で料理をススメてくれます。
こういうときは任せたほうがよいので、それをもらいましょう。
鯖はシメではなく生。生鯖を出せるだけの自身があるからできるもの。もっちりしていますが、脂は少なめで丁度いい。なるほど、きずしにしない理由はそういうことですね。
そして、何を頼んでもサービスでついてくる中トロ。ボリューム的には鯖よりも多いんじゃないかと思うほど。そして、これが美味。こういうサービスも大阪の酒場の魅力ですね。イワシの天ぷらは、久しぶりのご挨拶ということで大将から。
飲み物はビールかタコハイを飲んでいる人が多いです。お酒もありますが、早い時間はビールが気持ちいいですからね。黒ビール(小瓶290円)をちびちびと飲み進めるのも楽しい。
名物の玉子焼き。甘くないのが関西流。だし巻きですね。
ふっくらしていて、箸がすっと中へ入っていきます。この厨房でこの忙しさなのに、手抜きがないのがまるしんさん。
レモンハイにしましょう。
ここで、東西酎ハイの違いについておさらい。
東京ではサワーと呼ぶことがありますが関西では通じないことが多いです。サワーという名前は、目黒区の割り材メーカー博水社が作った言葉で、これが東京ローカルな「サワー」という名称になりました。関西では、サントリーが作ったタコハイや、宝のCHU-HI、アサヒのハイリキなど、炭酸アルコールドリンクは、”ハイ”をつけるのが一般的。そして、関西の酎ハイは総じて甘め。
ここのレモンサワーも甘いものです。関西で甲類焼酎と炭酸を入れた酎ハイを飲もうと思っても難しいです。
お勉強はここまで。
ということで、ハイリキレモン風の酎ハイ(290円)を頂いています。甘いけど、ご当地ドリンクですし楽しみましょう。
名物160円の湯豆腐。魚のアラでだしをとったもので、お豆腐とのバランスが実にイイです。まるしんに来たら、とりあえずこれから始めるという人も多いです。なにより、驚異的なコストパフォーマンスが魅力。
お隣さんと盛り上がってきました。西はお客さん同士の交流が基本。
そういうの苦手ーって人はオーラを発すれば大丈夫ですが、せっかくならご当地話を聞いておいて損はなし。
となりは20代の社会人男性3人。別に酒場マニアというわけではないそうですが、天満・京橋は土曜のお昼から飲みまわるのが基本と笑って答えてくれました。七津屋行った?夕方になれば”とよ”も楽しいよなどなど、ご近所銘店情報もこういうところから仕入れると口コミサイトにはない本当の噂を知ることができます。
ほかにも女性お一人様や身なりの良い紳士、そして定番のジャンパーおじさままで客層は実に幅広し。東京以上に、昼酒だったり立ち飲みというものが一般の人の日常に入り込んでいることがよくわかります。
近くにある”とよ”は、ここまるしんで修行した人がやっているお店なんです。”とよ”もいいけどウチが地番でしょ?と笑う進藤社長に再会を約束して、さて、次のお店を目指しましよう。
ごちそうさま。
あ、紅生姜天食べ忘れたっ。大好物だったのに。とほほ。
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(取材・文・撮影/なゆ)
まるしん
06-6351-2154
大阪府大阪市都島区東野田町3-2-19
11:00~21:00(日祝は19時まで・水定休)
予算1,800円