神田「一亀」 みんなの集合場所、街の銘店が帰ってきた

神田「一亀」 みんなの集合場所、街の銘店が帰ってきた

2014年5月29日
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2013年末、東京の飲兵衛の間に衝撃が走りました。
いえ、飲兵衛だけでなく、千代田区全体に大きな悲しみが広がったことは間違いないでしょう。

神田の銘店、升亀の突然すぎる営業終了。

新聞各社もこのニュースを取り上げ、個人経営の居酒屋でも全国的に影響力を持っているということを多くの人が実感した瞬間でもありました。
この酒場は、赤い服とバンダナがトレードマークの社長を中心として、長年サラリーマンの街神田のランドマーク的存在としてたくさんの酔っぱらいを育ててきました。

惜しまれつつも閉店し、この街で飲む人たちの心にぽっかりと空白ができてしまい、神田へ飲みに行く回数すら減った人も多いでしょう。

そんなみんなのふるさと、升亀の流れをくむお店が今年、オープンしました!

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升亀で働いていた従業員さんの有志がつくった居酒屋「一亀」です。
場所は小伝馬町駅寄りの神田です。駅からやや離れていますが、神田という街でまた升亀に会えるなんて、なんと嬉しい事でしょう。

店構えは、JR高架下とは異なり、出来たての綺麗な雰囲気。もしかして、高いお店なんじゃないかと心配になりますが、さて、入ってみましょう。

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いらっしゃい!迷わなかった―?
来てくれてありがとうね―。

向かえてくれた女性は、升亀時代もフロアを仕切っていた方。
いまは女将のようなポジションでしょうか。

店内はカウンターとテーブル席というよくある構造で、升亀よりは少し小さくなっています。でも、女将さんの雰囲気は昔のまんま。
厨房からも、「お、いらっしゃい!」と、見覚えのある顔ぶれが声をかけてくださいました。

「ご無沙汰です。閉店した日が最後ですから、4ヶ月以上経っちゃいましたね。私のこと、覚えてます?」
「少しふっくらされたんじゃない?毎日で飲みっぱなしだもんね!」

あはは。

訪問時は土曜日、ということは升亀だったら「げそ天」の日。名物のゲソの天ぷらが、もともと280円と安いのが土曜はなんと100円。
まだ稼ぎの少なかった頃、このおつまみで何度助けられたことか。懐かしくて泣きそうです。

ビールは変わらずサッポロ黒ラベル☆彡
はい、乾杯です!

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げそ天がある通り、メニューは升亀時代とほぼ同じです。
内容が同じなだけでなく、メニューの書き方やデザインまでそっくり。これは嬉しいです!

升亀と変わってないよ―、常連さんはみんな喜んでくれるから。と大将。

まぐろブツが升亀の名物でしたので、ここでも注文。
ほら、やっぱりいいものが出てくる。

中トロまじりの上物で、この味にうっとり。

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「ウルメイワシは升亀よりもいいもの使っているよ」だそう。
確かに、おおぶりでふっくらしていますね。

大衆酒場で鰯の塩焼きは定番ですね!香ばしいのがビール欲を高めてくれます。

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そろそろスペシャルへ。升亀のオリジナルアルコール、スペシャルは一亀にも引き継がれています。
ワインと焼酎を混ぜた独特なもので、度数がかなり強め。

どんな味かと思うでしょう?これがなかなかいけるんですよー。甲類の甘味をワインが引き立てているようで、逆に甲類のえぐ味はワインに包まれてすっきりと。3杯以上飲むと酔っ払って倒れるからねーと、昔注意されましたが5杯飲んで驚かせたことがあったっけ。

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名物は、これだけではありません。
牛煮込みや定食ものも人気ですが、サラリーマンのみんなに絶大な人気だったメンチカツは、サイズそのままで健在。
わらじサイズのメンチはもちろん手作り。分厚く食べごたえがばっちり。

大きさだけでなくて、味もいいんです。3人で食べてちょうどいい大きさ。お腹が空いていたらぜひ。

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早い時間でも、次々とお客さんが入ってきます。
升亀ほどの立地ではないので、あのころよりは空いていますが、とてもいい雰囲気です。

皆さん升亀の常連だった方ばかりのようで、懐かしいね―と盛り上がっています。升亀の社長も先日来たそうで、ここはまるで同窓会のような雰囲気。

これから、またお店の人気が広まっていき、千代田区の名酒場としてじっくりと熟成されていくことを切に願って、頻繁に通うことにしようと思います。

2階にも席があり、10人以上の宴会もできるようになっています。JRの線路下だったころと違い天井は高いので、酔っ払って頭をぶつける心配はもうありません(笑)

升亀に想い出がある方だけでなく、お近くの方もぜひ一度は飲みに行って欲しいお店です。朝10時から休まず夜まで営業しています。お昼時の定食もおすすめ。
きっと、楽しい時間が待っています。

ごちそうさま。

一亀
03-3862-1709
東京都千代田区岩本町1-8-5
10:00~22:00(日祝定休)
予算2,000円

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