奥州街道、日光街道の2番目の宿場町、草加。現在は東京都市圏のベッドタウンとして県内6位の人口約25万人が暮らす街。駅前には商業施設やマンションが立ち並び近代的な表情をみせていますが、そこはやはり歴史ある宿場町。本陣跡は、駅の東側。旧街道沿いに歴史ある商店街があります。
草加で歴史ある店は、名物「草加せんべい」だけではありません。半世紀続く餃子店や蕎麦店も多く、そして居酒屋も地域で長年愛されてきたお店がいくつもあります。
そのひとつ、今日は草加の「三芳」をご紹介します。
草加は浅草から東武伊勢崎線で約20分。東口から100メートルほど進むと旧街道に交差します。三芳はそんな旧街道のすぐ近く。数分も歩けば本陣跡という、昔からの街の中心にある大衆割烹です。
老舗でもピカピカに保たれている厨房。そこに面したカウンター席と、その後ろに広がる座敷という配置。家族経営のお店で、このときは、お店のお子さんがカウンターで常連さんにまざって賄いを食べていました。ほっとしますよね、そういう光景。
日本酒の品揃えが充実していますが、まずはビールから。樽生アサヒスーパードライ(中500円)で乾杯!
高清水、賀茂鶴、〆張鶴に榮川と、日本各地まんべんなく知名度のある地酒が揃っています。
酎ハイは350円から。常連さんは焼酎のボトルキープが多いみたい。
大衆割烹らしい魚介類を豊富に揃えた品書き。価格も雰囲気、内容からすればとても良心的だと思います。今日の魚はインドマグロ刺し(1,000円)、北海道新さんま刺し(750円)、淡路真アジ刺し(700円)、鹿児島活締めシマアジ刺し(850円)、山形甘エビ刺し(650円)など。
天然ふぐや鰻も揃うほか、飲み屋らしい焼鳥、竜田揚げ、イカゲソなどおなじみの料理も一通り揃います。
焼鳥は1本が大きめで180円均一。
シラスおろし(350円)と地元産のヒヤシトマト(250円)。暑さ感じる季節、生ビールとトマトの組み合わせの爽快感が心地よいものです。
ぷりっぷりの甘エビ(650円)。紫蘇の実、紅たで、大葉と丁寧に盛り付けた目でも楽しい一品です。
酎ハイ(350円)を飲みつつ、常連のご夫婦やお父さんたち、そしてお店のお子さんと並び、カウンターでゆっくり過ぎていく時間を楽しみます。
ねぎまとつくね、焼鳥が出来上がりました。鰻も提供するお店なので、やきとりもボッカ串。板前さんがいるお店で丁寧に仕上げた焼鳥は、焼鳥専門店の豪快さとはまた違った良さがありますよね。
隅々まで手入れがされた老舗でもきれいな空間。いかにも職人という感じの寡黙な大将も素敵です。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ ※外出自粛要請以前に取材)
大衆割烹三芳
048-924-3911
埼玉県草加市高砂2-18-5
17:30~23:30(日定休)
予算2,500円