中山道9番目の宿場町・深谷宿。かつての街道の道幅をそのまま残す旧道には、歴史ある商店や造り酒屋などが立ち並びます。また、新一万円札の肖像画に決まり話題となった渋沢栄一の生まれ育った街としても知られています。
古い街には、ほどよい感じの飲みどころあり。今回は深谷駅前で1949年(昭和21年)から続く老舗鰻屋を訪ねます。
JR深谷駅は、東京から高崎線で1時間30分ほど。東京駅丸の内口の赤レンガ駅舎に深谷の赤レンガが使われたことに関連して、1996年に建てられた現在の深谷駅舎は赤レンガ風のタイルで装飾を施し東京駅を模したものとなっています。
そんな駅舎のほうに向いて、北口ロータリーには渋沢栄一の銅像が置かれています。
目指す都家は、北口から旧街道のほうへ向かって3分ほどの場所。ちなみに、都家の隣(右)が果汁入カップ氷菓やアイススティックで全国区の「赤城乳業」の本社です。
テーブル、小上がり、座敷の配置で、カウンターはないものの一人で4人テーブルをつかってちびちびお昼酒を楽しむことはもちろん可能。ベテランのお父さんが美味しそうに地元・深谷のお酒を傾けていました。お昼から通しで飲める貴重な場所です。
なにはともあれ、まずはビールから始めましょう。キリン一番搾り(530円・以下税別)で乾杯!
樽生、瓶(560円)ともにキリン。日本酒(360円~)、抹茶ハイなどの酎ハイ類(430円)もあります。
唐沢川、小山川、利根川と河川が多く川魚が多く生息していた場所で、海は遠くとも川魚料理が根付いてきた地。都家も鰻を看板にしていますが、ドジョウやナマズ、コイなどの料理を揃えています。
かつ煮(600円)や鰻屋の焼鳥(250円)も魅力的。お重ではなく、鰻蒲焼きの単品(1,540円)で飲むのもいいですね。
お勤め中の方の昼食時、ささっと昼食を食べていく人も多く、親子丼やとんかつ定食なども人気。
とじょうは柳川のほかに唐揚げ(800円)もあります。サクサクに揚がったどじょうを食べながら、お昼酒をビール片手にゆったりと。
しばらくすると、お願いしていた鰻の白焼きが出来上がりました。合わせるお酒は、深谷の地酒「菊泉」の生吟醸。
菊泉をつくる滝澤酒造には深谷のシンボル的な存在、深谷のレンガで建てられた煙突が現存しています。酒造りに必要な米を蒸す工程においての排煙用で建てられたもの。そんな深谷の歴史をいまに伝える酒蔵でつくられた日本酒です。
皮までやわらかくホクホクに仕上がった鰻。ワサビ醤油であっさりと。日本酒といっしょにちびり、ちびりと。暑い季節、食欲がないときはご飯なしで白焼き&日本酒という選択、いいですよね!
深谷まつりや、菊泉の滝澤酒造の酒蔵見学の前後に、鰻でお昼酒はいかがですか。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
都家(みやこや)
048-571-3858
埼玉県深谷市西島町2-12-3
11:00~20:00(水定休)
予算2,600円