清澄白河「だるま」 80種を超える豊富な料理、大好き下町大衆酒場


下町の酒場の特長のひとつに、決して駅前だけにあるわけではない、というものがあります。どの駅からも微妙に離れた、商店街や参道、はたまた団地の隙間にと、いたる場所に店があります。

職場と自宅の距離が近く、そんな人々の暮らしに酒場も当てはめられている、町工場で栄えた下町ならではです。

深川江戸資料館通り沿いにある小さな商店街に灯る一軒の居酒屋「だるま」も、そんな下町の点在型の一軒。

 

最寄り駅は、いまでこそ東京メトロ半蔵門線と都営地下鉄大江戸線が交差する清澄白河駅になりますが、この駅は2000年の大江戸線開業時に設置されたもので、それ以前は路線バスが公共交通の中心、とにかく遠方からは飲みに行きにくい立地でした。

現在はアクセスのよさもあって高層マンションが立ち並び、工業地帯だったころの倉庫を活用しておしゃれなサードプレイスコーヒーの店なども登場するなど注目の地域です。

 

町工場の街から、東京の先端都市へ変化する清澄白河。それでも、酒場はかわらない。

コの字カウンターと、板貼りの小上がりに小さなパイプ椅子。壁一面の短冊には300円前後のおつまみが80種類近く掲げられます。地元率が高く、お客さん同士の仲もいい。それでいながら、タワーマンションに引っ越してきた今風の夫婦も違和感なく溶け込めるウェルカムな空気感。

17時のオープン以降はどっとお客さんが集まり、あっという間に満卓となることも珍しくありません。

 

生ビールはキリン一番搾り(400円)。瓶ではアサヒ、キリン、サッポロのビール3社を用意。大びん450円と昨今値上がりが続く中で大変嬉しい価格を守りつづけています。

3社それぞれ好きだけど、今宵は黒ラベルな気分なので、サッポロで乾杯。クラフトほどではないけれど、気分によって選べるって素敵でしょ。

 

一番多く飲まれていのはプレーンな酎ハイ。甲類とソーダ、何もたさないもの。”下町ノンベエの終着点は酎ハイにあり”と、いつぞや常連さんに教わったことがあります。深い…

 

料理の種類はとっても豊富。お刺身だけでも常時10種類近くあり、280円からと破格。鯵の刺身は300円、季節によっては岩牡蠣が160円なんて日もあります。定番はまぐろ赤身で550円。通はまぐろ腹身(550円)の脂が好きという人も。

懐がほくほくの”アタリ”な人は、「今日は中トロにしちゃおうかな」と言いながら、850円の中トロにレベルアップしたりしていて、そんな会話を聞きながら飲むのもここの魅力。筆者は賭け事はしないですが、”今日はおごっちゃう”って、一度は言ってみたいセリフです。

 

まぐろは刺身だけでなく、例えばまぐろカマ塩焼きなどもあります。こんなに大きくて、身がたっぷりついてなんと250円。いろんな庶民派のネオ大衆が登場する昨今ですが、一周して古典的な店に戻ってくると、こちらのパワフルさに改めて驚かされます。焼くのに少し時間がかかりますが、おすすめの一品。

 

料理はなんでもござれ。カキフライだってこれで450円。もちろん揚げたてで、店でイチから調理しています。ソースを気持ち多めに掛けていただきます。

 

居酒屋にありそうなメニューは、大抵置いています。さすがに品書きを見ないで頼むのは良くないですが、「なんこつ食べたいなー」と思えば、ちゃんと出てくるものです。焼鳥類も安くて美味しい。

 

餃子だって、ほらこの通り。これもまた自家製で、もっちりした皮の中にこれでもかと豚肉が詰まっていて、噛むとじゅわっと旨味が膨らんできます。そこにすかさずビールや酎ハイを合わせていけば、嫌なことも忘れちゃう。

 

メニューがありすぎて何を食べようか悩んだ方におすすめは肉豆腐。すき焼き的な甘さはなく、醤油ベースですっきりとした味。ボリューム満点で450円。

 

焼きそばも人気の〆メニュー。380円で揚げ玉ものった具だくさん。にんじん、玉ねぎ、もやしに豚肉、居酒屋の焼きそばはお酒のツマミとしてもとっても使えます。ちょいと味が濃い目なのもお酒が進みます。

 

レモンサワーや青りんごサワーなど甘めの酎ハイもありつつ、日本酒は高清水に神鷹と硬派な路線も置いています。まるで、入り交じる客層と同じように料理・お酒もあっちこっちで混ざり合う。

 

最近はワインを楽しむ人も増えていて、ワインにあわせるおつまみ「オニオンロールパン」なる新メニューも登場。まだまだ、だるまの進化は止まらないのです。

テーブル席もありますが、常連さんが多く集うカウンター席が店の味を最大限に楽しめる場所。初めての方は勇気を出して、一人、二人で飛び込んでみてください。きっと、また飲みに来たくなります。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

だるま
03-3643-2330
東京都江東区三好2-17-9
17:00~23:30(土定休)
予算2,000円



“清澄白河「だるま」 80種を超える豊富な料理、大好き下町大衆酒場” への1件のコメント

  1. おのっち♪ より:

    散歩&銭湯&だるまってコースが好きなんです♪
    って私の好みを言っても何も始まりませんが…

    東西線育ちの私としては江東区の呑みがとても落ち着きます(〃ω〃)

    プロ、ありがとうございました(^^ゞ

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