福岡天神『天ぷら屋台天一』渡辺通りで60年。珍しい天ぷらが主役の天神屋台

1962年創業、福岡の屋台でもとくに歴史がある『天一』は、笑顔いっぱいの女将さんと職人気質の大将が切り盛りする屋台。看板料理は天ぷらとおでん。料理やお酒が美味しいのは言うまでもありませんが、なにより皆さんの人柄が魅力です。

（タイアップ：オエノングループ 合同酒精株式会社）

大都市の真ん中にある人情交差点

黄昏時になるとどこからともなく屋台が集まってくる福岡市中心部。全国的に減少傾向にある屋台ですが、福岡ではいまでも100店近くが営業を続けています。福岡の屋台は行政や周辺施設と良好な関係にあり、街の文化のひとつとして紆余曲折ありながらも守られてきました。

九州最大の繁華街、西鉄電車の福岡天神駅周辺にもたくさんの屋台がでています。初めて天神の夜を歩く人はきっと「こんな駅前に屋台！？」と驚くはずです。

今回ご紹介する『天ぷら屋台 天一』は、天神駅すぐ。三菱UFJ銀行福岡支店前にあります。地下鉄の天神駅からは30秒も歩かずにたどり着けます。なんと羨ましい！

お店をご紹介してくれた、福岡の屋台に詳しい合同酒精さんによると、鉄板焼が多い屋台の中で珍しい天ぷらを看板料理に掲げた店とのこと。それは楽しみ！ということで、電球色に輝く暖簾をくぐりました。

女将さんが笑顔で迎えてくれるとともに、常連さんたちからも「いらっしゃい」と声が続きました。どうも、お邪魔します。カウンターのみで席数は10席ほど。

動力を持たず、人力で引いてくる屋台なので店の大きさは4畳半ほど。コンパクトにまとめられた厨房スペースには、本格的な天ぷら鍋が鎮座しています。

昼間はビジネスパーソンが早足で行き交う天神交差点近く歩道なのに、夜は完全に別世界です。照明に照らされるお客さんたちの笑顔と福岡弁の会話。おでん鍋の湯気でポカポカの空気。暖簾の中と外でこんなに違うものかと車道側を振り向けば、そこは家路を急ぐ人たちがやはり早足で往来していました。

カウンターにめり込むようにドンと置かれたおでん鍋が、天ぷらと並ぶ名物です。透き通った関西風の出汁。西日本なのでちくわぶはありませんが、丸天やちくわ、タコ天など、天ぷらものが多くて魅力的。裏メニューでおでん出汁を使い、天かすを合わせた屋台うどんもあるそうです。

常連さんが多く、同行頂いた『天一』をおすすめした合同酒精さんもそのひとつ。カウンターの奥には何十年と通っている大ベテランさんも。仕事帰りに通っているという人が多いのはオフィス街ならでは。福岡屋台は観光名所のひとつではありますが、ここ『天一』の主役はいまも地元の皆さんです。

1秒で提供される強炭酸瓶チューが人気

おでん

小さな丸椅子なのに、一度座れば動きたくなくなるほど居心地がいいこの空間。まずは、女将さんのオススメ「瓶チュー」をもらいましょう。ガス圧が高く、注ぐだけで強炭酸チューハイになる瓶チューは、樽詰ハイが置けない屋台にはぴったりなのだそう。

あわせるおつまみは、目の前のおでん。それでは乾杯！

『天一』は今はなき女将さんのご主人が1962年に始めた屋台です。ご主人がなくなったあとは女将さんと、女将さんの弟さん（大将）で切り盛りされています。

天ぷら盛り合わせ

天ぷらは、初めてならば悩まず盛り合わせが良さそう。深夜1時まで営業している屋台ですから、二軒目に来ることもあると思いますが、それでもぺろりと食べられるような、軽くてサクサクな天ぷらです。

出汁がよく効いた甘めの天つゆに、サクサクの海老天を軽く浸して…。屋台とは思えない本格派の天ぷらに大満足です。

いまでこそ、福岡の屋台は鉄板とラーメンが有名ですが、昔は寿司（現在、福岡の屋台では生ものの提供は禁止されています）やうどん、天ぷらが主流だったそうです。言われてみれば、天ぷらも江戸の屋台から始まったものですし、屋台で天ぷらというのは伝統的なスタイル。昭和37年創業で、一貫して天ぷらを続けてきた『天一』は、昔の屋台の雰囲気を色濃く残しているわけですね。

ごちそうさま

ご自身でも嗜む程度に瓶チューを飲むという、明るく笑顔が素敵な女将さん。瓶チューの絵柄入りのTシャツがよく似合っていす。

たくさんの屋台があって、どこへ入ればよいか正直悩むと思います。そんなときは、60年以上続いてきた地元密着の店を選んでみてはいかがでしょう。楽しくあっという間に時間が流れていきました。

（取材・文・撮影／塩見 なゆ　タイアップ／オエノングループ 合同酒精株式会社）

店舗詳細

• 瓶ビール中瓶 アサヒ・キリン：600円
• 清酒：400円
• 焼酎：400円
• 瓶チュー：550円
• 天ぷら盛り合わせ：1,100円～
• 天ぷら単品：150円～
• おでん：150円～
• すじ煮込み（どて焼
• やきとり手羽先・軟骨・バラ・砂ずり・とり・鶏つくりなど：150円～