十条「居酒屋 源」地元の飲み屋好きに愛される大衆割烹

十条「居酒屋 源」地元の飲み屋好きに愛される大衆割烹

2014年10月17日
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十条といえば、お酒好きの皆さまはどこのお店を思いますか?
太田和彦氏のファンでしたら斎藤酒場でしょうか。
吉田類氏ならば天将かしら。
TV東京「孤独のグルメ」がお好きなら田やでしょう。

この街はたくさんの飲兵衛を魅了し続ける名店揃いです。

ちなみに、昔から私の記事を読んでくださっている方ならば、”なゆ”は喜多八と覚えてくださっている?

さて、まだまだそんなもんじゃないんです。この街は路地裏に「おっ」と言わせる銘店がまだまだ隠れています。
ターミナル駅ならばとっくに知れ渡り、グルメ口コミサイト上でも話題になるはずです。十条はここが地元か、もしくは勤め先が近くにある方でないと、なかなか降り立つことはないでしょう。だからこそ、まだ知られぬお店がひっそりと地元の常連さんと共にいきています。

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ここ、源もそのひとつ。とっておきの隠れ家ですが、こっそりと紹介。
十条駅から商店街を抜けて、住宅街の入り口にひっそりと建つここは、まさに十条らしいと感じる大衆割烹です。

大将を中心としたご家族経営をされているようで、アット・ホームな雰囲気なのですが、大将は割烹で修行された方のようで、ひとつひとつが非常に丁寧でかっこいい。店の作り、食器の柄、料理の盛りはたしかに割烹なんです。

お通しに焼き鳥が出るのに驚かされますが、これが美味。玉ねぎが入っているのは十条界隈に多いかたち。
お燗酒を傾けながら、大将の包丁さばきを眺めているだけで心地良いです。

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今日のおすすめは海老とのこと。鼻先からしっぽまで、ピンと尖っていて香り華やか、食感はぷりぷり。ねっとりとした旨味がたまりません。
ここの魚は本当にはずしませんね。十条には魚が美味しいお店が多いですが、これは私とこの街の常連との間でひとつの仮説があります。

関東大震災によって被災した下町の人たちが、郊外である十条に移住されてきたというのがこの街の歴史ですが、おそらくそのときに、当時日本橋にあった魚河岸で働いていた人や、木場や小岩で東京湾の魚を食べさせていたお店の主人たちもこちらに移ってきたのではないかというもの。真相はわかりませんが、十条はそんな歴史多き場所なのです。

町の歴史は酒場の質と直結する、だから十条の酒場は質が高いのではないでしょうか。

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沢の鶴、もう一本お願いします。

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炙り銀杏はいまが季節ですね。
目の前でたっぷりの塩でカンカンに温められてやってきた銀杏はほくほく。はぁ、たまりませんねー。

お客さんは地元の企業や行政関係の方が多く、お座敷では宴会が盛り上がっています。
カウンターでしっぽりを飲む白髪がきれいな年配男性や、テーブル席で天ぷらを頬張るご夫婦など、ここは典型的な酒場のお客さんで暖かく満たされています。

地方都市の駅前にある魚介系割烹のような気分をこんなに身近で楽しめる。
まだまだ十条は奥が深いのです。

ごちそうさま。

居酒屋 源
03-3905-6647
東京都北区十条仲原2-2-2
17:00~24:00(木定休)
予算2,800円