高円寺『大将ニ号店』新店舗で再開。名物料理の肉豆腐は一味違う

高円寺を代表するやきとり大衆酒場『大将』の二号店が2023年末に店を建て替えて営業を再開。明るく開放感があり、若い人でもふらりと入りやすい雰囲気です。二号店の新名物「肉豆腐」はまるで五目餡掛けのようでした！

完全な新店舗なのにどこか懐かしい

中野区から先は杉並を通り一直線に西へ伸びるJR中央線。不思議なことに、直線上にある各駅の駅前には昭和から親しまれてきた老舗・大箱のやきとり（もつ焼き）店があります。

そんな中央線直線やきとりシリーズで高円寺の代表とも言える店が、1977年創業の『大将』です。駅の南口ロータリー正面に構える本店を含め、駅周辺で長年3店舗体制を続けてきました。現在は2代目が暖簾を守ります。

2号店は近年、営業しない期間などがありその後が気になっていましたが、2023年11月に建物を新しくして営業を再開。明るく開放感があり、若い世代でも気軽に入れる雰囲気になりました。

新しくなっても入り口はふたつ、赤い看板も変わらず二箇所に別れており、面影を色濃く残しています。

豪快に焼いたやきとりを店先に並べるスタイルも以前のまま。夕方のピーク時はテイクアウトのお客さんも途切れないほどで、炭火でガンガンと焼いています。

打ちっぱなしで広くとられた店内はまさしく今風の大衆酒場なのですが、やっぱりどこか懐かしいムードです。その理由は…

壁に大きく貼られた品書きがムードを演出しています。最近はモバイルオーダーの浸透で壁の短冊は賑やかし程度という店も増えていますが、大将の張り出しは要チェック。鍋料理など手元のメニューにない発見があるかも？

高円寺で何人かで飲むときは、必ず候補に入ってくる大将。3軒ありますし、15時オープン、定休日がずらしてあるのでいつだって利用可能。しかも駅前だから帰りも安心。

今回は新店舗の取材ということで訪ねていますが、気分はすっかり「いつもの大将飲み」です。一杯目はやっぱり生ビール。銘柄は昔から変わらず、ずーっとサッポロ生ビール黒ラベル。それでは乾杯！

看板料理の焼鳥は必ず頼むとして、一緒にいつも注文しているのが「マカロニサラダ」です。大将のマカロニサラダはコンブーフ入り。濃厚な味に仕上がっています。新しくなった二号店はドライパセリがアクセントになっています。

創業時から継ぎ足し続けているというタレはサラリとしつつしっかり甘く、これが鳥皮を照り照りにしています。大将の焼鳥は断然タレがおすすめ。飛ぶように売れていくため鶏の鮮度がよいのも特長です。

生ビールのつぎは、ゆっくり飲める瓶ビールで。ドーンとでてくる633mlの大瓶赤星が、新店舗になっても似合います。

さて、ここからが気になる新2号店名物です。まずはぜひ挑戦してみてほしい丼ぶりいっぱいにでてくる「肉豆腐」。どうですか、このボリューム。二人以上でもきっと大満足。

一般的な肉豆腐といえばすき焼き風に肉と豆腐を甘じょっぱく煮たものですが、こちらは全くことなります。むしろ、豆腐の中華五目餡かけというほうがよさそう。豚バラと野菜がたっぷり。中華味で旨味が濃厚なのでビールが進みます。

大将二号店オリジナルで「ソイハイ」が加わっているものの、私は昔から飲んできた「玉露割り」をチョイス。この色、この濃いお茶の味。旧サッポロ飲料業務用玉露茶をつかった緑茶ハイは大衆的な酒場料理によく合います。

二号店の名物料理2品目は「スタミナ豆腐」。ニンニクスライスをこれでもかと載せた厚揚げ豆腐です。これほどニンニクスライスを載せた料理を食べたことはありますでしょうか。

コクのある醤油味があと引く美味しさ。飾らないガツンとした酒場料理が大将らしいですね！

新しくなっても、みんなが集まる大将のにぎやかな雰囲気は昔のままでした。15時オープンとスタートが早いですし、今度の休日は復活の大将二号店飲みはいかがでしょう。気候が良ければビヤガーデン的な雰囲気も味わえます。

（取材・文・撮影／塩見なゆ　取材協力／サッポロビール株式会社）