老舗の名店が集まる東日本橋3丁目で、50年以上地元の人々に親しまれてきた町の中華屋さん『味乃一番』。名物料理の麻婆豆腐は、お酒を飲むことが多い酒類業界の人にもファンが多い。昼は定食、夜はお酒メインで楽しめます。
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パンダが店のマスコット
赤を基調とした巷の町中華と異なり、ネオン管の看板やレトロなシャンデリアに”ハイカラ”的な艷があります。ここは馬喰町・東日本橋エリアのオフィスと飲食店が入り交じるエリア。
旧日本橋区の人形町や小伝馬町、馬喰町は”ズルい”くらいに老舗のいい店が集まっています。飛び抜けて有名なお店でなくても、聞けば歴史があって錚々たる食通が通っていたりするものです。
今回ご紹介する『味乃一番』も、そんな旧日本橋区らしい歴史あるいい店のひとつ。創業は1972年です。
年季の入った建物ですが、よく手入れされています。店先にはほどよい目隠しとして笹のプランターがあり、かつて食品見本が並んでいたであろうショーケースにはパンダが詰まっています。
店内の至る所にパンダが飾られています。女将さんになぜパンダなのか聞いてみると、「この辺りは問屋街で、中国へ出張や転勤するお客さんが多く、皆さん中国のお土産として持ってきてくださるんです」とおっしゃいました。
日本橋横山町は江戸初期の頃から栄えてきた商業地であり、国内最大のアパレル関係の問屋街です。衣類だけでなく、私たちお酒好きが日々お世話になっている酒問屋もあります。
そのひとつ、日本名門酒会の母体でもある有名な酒卸「岡永」の社長・飯田永介さんが、実は『味乃一番』を私に教えてくれました。
品書き
ランチメニュー
- 麻婆豆腐定食ほか:950円~
- 担々麺・五目そば・マーボ麺・:各900円
- エビソバ・エビチャーハン:1,000円
定番
- アサヒスーパードライ中瓶:610円
- 陳年紹興酒:610円
- 春巻き:800円
- シューマイ:450円
- その他、中華のメインディッシュいろいろ
町中華とも大陸中華とも違う、老舗日本中華の味
アサヒスーパードライ(610円)
ランチタイムは定食や麺飯類、シューマイ、春巻きのみとメニューが絞られていますが、その分価格はお手頃。もちろんお酒は注文可能です。
ランチでも飲んで良い状況ならもちろん飲むでしょう。ということで、アサヒスーパードライの中瓶をビアタンに注ぎ、それでは乾杯!
麻婆豆腐(950円※ランチ)
お目当ての品がこちら!店の名物であり、酒類関係者にもファンが多い「麻婆豆腐」です。品書きに「辛口」とあるので警戒しがちですが、『味乃一番』の麻婆豆腐はトウガラシの辛さではなく花椒の辛さです。
頭にツンとくる刺激と、複雑なコクと旨味、トロトロになるまで煮込まれた肉と豆腐の食感が相まって、スプーンがぐんぐんと進みます。辛い料理が苦手な私も、これはいくらでも食べられます。
くーっと刺激が来たところに、よく冷えたスーパードライをすっとあわせる。これは、前日お酒を楽しく飲んだ日のお昼にぴったり。軽快、爽快、目がさめる!
辣椒魚柳 白身魚の辛味炒め煮(950円※ランチ)
こちらは衣をつけて揚げた白身をエビチリ風に仕上げた炒め煮。肉厚でポクポク、食べごたえがあります。こちらは紹興酒が欲しくなる!
ランチの定食にはスープがついてきます。しっかり辛いものを食べ、適度にスーパードライを飲んで、〆にスープ。うん、なんだか整ってきました(笑)
二軒目は、100mほど離れた場所にあって、お昼からやっている岡永さんの角打ち(立ち飲みコーナー)「岡本屋永吉商店」に行きましょうか。
ごちそうさま
続いてきた店は、やっぱり間違いない。お店の皆さんもとても親切ですし、お客さんも使い慣れた方ばかりで落ち着いています。日本橋エリアがもっと好きになる一軒だと思います。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 味乃一番 |
住所 | 東京都中央区東日本橋3丁目3-5 |
営業時間 | 営業時間 <月~金> 11:30~14:30 17:00~21:30 〈土>11:30~14;30 定休日 日・祝・第3土曜日・不定期土曜日 |
創業 | 1972年 |