日本橋『吉野鮨本店』まもなく創業150年!職人技の「ちらし」で楽しむ、粋でお手頃なお昼酒

日本橋『吉野鮨本店』まもなく創業150年!職人技の「ちらし」で楽しむ、粋でお手頃なお昼酒

江戸時代から約300年間もの間「魚河岸」があった日本橋は、江戸前寿司の粋と技が詰まった街。夜は格式の高さから少し躊躇しがちな老舗も、お昼なら気負わずに暖簾をくぐれます。今回は百年以上続く名店ながら、気軽に昼酒を楽しめる一軒、1879年創業『吉野鮨本店』をご紹介します。昼下がりの名門で、日本橋の情緒に浸りましょう!

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創業明治12年、トロ発祥の地で「ちょうどいい」老舗の空気に浸る

明治12年。日本橋で屋台で鮨屋を開業。現在の店舗は1970年に建てられたもの。東京駅八重洲口からも徒歩圏内です。

再開発が進む日本橋にあって、ここだけ時間がゆっくりと流れているような感覚になります。暖簾をくぐると、まず目に飛び込んでくるのは見事な一枚板のカウンター。現代ではそう手に入らないであろう吉野杉の無垢材です。

使い込まれた店舗ながら隅々まで磨き上げられた店内はピカピカ。お鮨屋は清潔がなにより。究極なまでの安定感が、食事への期待を高めてくれます。

ここは、今では世界中で愛されている「トロ」という呼び名が生まれた店としても知られています。かつては脂が多く傷みやすいため敬遠されていたマグロの腹身を、大正時代にお客さんとの会話から「口の中でトロけるからトロ」と名付け、提供し始めたのがここ『吉野鮨本店』なのです。

そんな歴史ある店ですが、職人さんの実直な仕事ぶりと、適度な距離感の接客が心地よく、背筋が伸びつつもリラックスできる大人のための空間です。

握りではなく、あえて「ちらし」を選ぶ理由

サッポロ生ビール黒ラベル中瓶:880円

席につき、まずはサッポロ黒ラベルの中瓶を。お昼のビールは格別です。

お通しは甘い”ツメ”をかけたゲソ

吉野鮨といえば「トロ」発祥の店ですし、5代目になる店主さんをはじめ職人さんの腕も一流。握りの美味しさは言うまでもありません。ですが、酒を飲みながら色々な味を一人で少しずつ楽しみたいなら、あえて「ちらしずし(3,300円)」を選ぶのが正解ではないでしょうか。

江戸前寿司において、ちらしは握りの脇役と捉えられることもありますが、ここのちらしは主役級の存在感。提供された瞬間にその理由が判然とします。なにせ具材が豊富。

ちらしずし:3,300円

本マグロの赤身、トロ、真鯛、丁寧に仕事が施された穴子。

色鮮やかな車エビに、注文が入ってから炙られるホタテ、イカ、コハダ、カンパチ。さらに、煮詰めで甘く味付けた帆立貝柱、タコ、小貝柱、赤貝、かまぼこ、煮椎茸、絹さや、酢締めレンコン、玉子焼き。

本マグロのトロも、ここ吉野鮨本店で味わうとなれば、その歴史的背景も相まって格別の趣があります。

一切すじがない赤身は、ねっとりとして実に美味

鮨種の下には、エビのおぼろ、かんぴょうなどが隠れており、食べ進めるごとに異なる食感と味わいが顔を出します。

炙り引き締められた貝柱

酢飯についても紹介しておきたい。昨今は関西由来とも言える甘めの酢飯が多い中、吉野鮨は創業以来、粕酢(赤酢)と塩のみで、砂糖を一切使いません。

キリッとした酸味と塩気。これが、脂の乗ったトロや、甘辛いツメを塗った穴子のコクを際立たせます。この硬派な酢飯だからこそ、ビールや日本酒との相性が抜群なのです。

一切の雑味なし。大きく頷くしかできないほどの味わい。

それぞれの具材がただ乗っているのではなく、すべて「酒の肴」としても成立する完成度。自家製の生姜や添えられるわさび一つとっても、本物の仕事を感じます。

日本橋のまん真ん中で、背筋を伸ばして昼酒を

お昼時、ビジネスマンたちが忙しなく行き交う日本橋のまん真ん中。創業140年を超える空間で、ベテラン職人の手仕事を眺めながら味わうちらしずしは、単なる食事ではなく、日本橋の粋や歴史そのものを味わっているような感覚になります。

東京駅からも歩いてすぐ。ご旅行の際や、自分へのご褒美に、ぜひ暖簾をくぐってみてください。

店名吉野鮨本店
住所東京都中央区日本橋3丁目8−11
営業時間11時00分~13時40分
16時30分~21時00分
日定休
創業1879年