店名はうどんですが夜は立ち飲み店。八丁堀で人気を誇った「びっくりうどん本舗」は2020年に惜しまれながら閉店するも、この度、馬喰町にて奇跡の復活を遂げました。その名も「びっくりうどん本舗りばいばる」。
びっくりうどん本舗とは、2003年に京橋に誕生したお店。3年後には八丁堀に移り、14年続いてきました。店名にある通りうどん店ではあるものの、夜は酒場となり、個性的なおつまみの数々で魅了してきました。
連日店先にはみ出るくらいの常連さんが集う地域トップクラスの人気店でしたが、2020年春、時節柄の影響を受けたことで運営元が解散し、惜しまれつつも閉店してしまいました。
目次
場所が変わってもお店の皆さんは同じです
あれから1年以上が経過した頃、東日本橋の浅草橋交差点、旧日光街道と靖国通りの角に「びっくりうどん本舗」の看板が突如登場しました。
そして2021年7月1日、ファンの皆さんの期待を集めつつ、待望のオープン。
店名は「びっくりうどん本舗りばいばる」ということで、正真正銘、八丁堀の店舗からの流れになります。
忙しくても笑顔を絶やさない名物ご主人をはじめ、お店の皆さんも八丁堀時代の方々が中心です。オープン初日にはそんなお店の皆さんを慕う常連さんが集まりお祝いムードに包まれました。
店は八丁堀時代よりはいくぶんコンパクトになりましたが、スタイルは同じ。厨房に面したカウンター席のほか、立ち飲み用の台が3島用意されています。
この台は、以前を知る人には懐かしいもの。特徴ある一枚板でつくられたもので、八丁堀時代から使われています。慣れた接客の皆さんのムードもあって、新店舗ながらすでに酒場らしい温もりが感じられます。
店の奥がテーブル席になっているのも旧店舗時代とかわりません。着席での利用の際は席料300円で、おしぼり、お通しがついてきます。
旧店舗時代から存在するお店のアイコン的な「椎茸」看板。なぜ椎茸なのかは「ヒミツ」とのこと。なにはともあれ、八丁堀時代の名残が多くてファンにはたまらない空間です。
お店の利用はちょっぴりクセがあります。八丁堀時代と同様なので、知っている人はなんということはありませんが、初めての人は戸惑うかもしれません。
大雑把に言えば「カフェテリア」方式です。カウンター奥の受付コーナーで注文し、都度現金で支払います。お酒は口頭で注文でき、料理は各テーブルにあるメモ用紙に自身で記入の上、受付で手渡します。
他店にはない特徴として、注文のメモには名前の記載が必要です。料理ができあがると名前で呼ばれますので、呼ばれたら受け取りに行くという流れになります。
店員さんに名前を覚えてもらうのも酒場の楽しみの一つなので、名前記載が「びっくりうどん本舗」人気の秘訣だと思います。
調理場に向いたカウンターが特等席でしょう。目の前で次々作られていく料理を眺めながらお酒が楽しめます。それでは始めましょうか。サッポロラガービール(大びん600円)で乾杯!
品書き
お昼はうどん店。300円~の立ち食い価格で用意されています。夜もうどんの注文ができるので、〆の一杯まで完結する人も居ます。
こちらが夜の部の品書き。毎日書き換わります。
八丁堀時代からの人気メニュー、シャシュリーク(630円)、風神ワンタン(580円)、ゆきとら(430円円)もしっかり継承されています。サモサは今のところありません。
お刺身はまぐろぶつ、スズキ刺し、タコブツ、いわし刺しなど380円から。ご主人が自ら発泡スチロールに入った魚を運び込んでいます。
最後にお酒のメニューをご紹介します。樽生ビールはアサヒスーパードライ(中400円・大700円)。以前はお客さんが自分で操作するオートサーバーでしたが、今回はお店の人が注いでくれます。
酎ハイは350円、ホッピーセット(440円)もあります。ベースの甲類はアサヒ系の大五郎。
お昼のうどんの部で用意されている小鉢類もおつまみになります。
いわし刺し(380円)
変わらず刺身の質はとても良いです。立派な大羽イワシに手際よく包丁をいれて完成、いわし刺し。
取材時は初日かつ状況柄の時短営業のため刺身の種類は控えめでしたが、以前のような昆布締めなど手の込んだ刺身にも期待したいです。
シャシュリーク(630円)
これをみると、「びっくりうどん本舗」が帰ってきたと感じます。名物のシャシュリークです。大きな豚肉の塊を注文を受けてからグリラーで焼いていくため時間がかかります。ご注文は最初の注文がおすすめ。
そもそもシャシュリークとはなにか。ケバブのロシア版の料理でして、こちらでもケバブのように焼き上がったお肉を、お客さんの目の前で削ぎ落としていきます。
安くて美味しいお刺身と並行して異国料理がある、これがびっくりうどん本舗なのです。
ご主人の故郷の味、深蒸静岡緑茶ハイ(400円)
料理の黒はんぺん(350円)、酎ハイのすっぱみかんサワー(400円)などからわかるように、ほんのりと静岡推し。実は以前の店舗時代から店長をされている、いまのご主人の出身地は静岡なのだそう。
だから緑茶割りもこだわりがあり、お店で淹れた専用のお茶でつくっています。甘みが強く飲み心地の良いです。
菊正宗(350円)
日本酒は350円から。地酒もあり550円程度。立ち飲みながら、枡にコップを入れた方式でなみなみと注いでくれます。リーズナブルな菊正宗は佳撰。
おすすめのポテトサラダ(350円)
にんじん、きゅうり、とうもろこしなどが入る具だくさんのポテトサラダ。玉子が適度に入っているのがポイントです。黒胡椒のアクセントもあって、正統派ながらあとをひく美味しさです。
昔のびっくりうどん本舗を思い出に
(八丁堀時代のびっくりうどん本舗の様子)
1年以上のブランクがあっても、初日から大勢のファンが集まったびっくりうどん本舗りばいばる。とはいえ、常連が多いから入りにくいかというと、そういう雰囲気でもありません。初めての方も、これを機に新たな行きつけの開拓をされてみてはいかがでしょうか。
明るく楽しいお店、すでに人気店です。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | びっくりうどん本舗 りばいばる |
住所 | 東京都中央区東日本橋2-16-7 ANNI東日本橋ビル 1F |
営業時間 | 営業時間 [月~金] 11:30~15:00(L.O.14:40) 17:00~23:00(L.O.22:00) [土] 17:00~23:00(L.O.22:00) 日曜営業 定休日 日曜・祝日 |
開業年 | 2021年7月1日(以前の店舗を含めると2003年) |