東京「京橋 恵み屋」 立ち食いそばと立ち飲み※現在は夜の立ち飲み営業休止中

東京「京橋 恵み屋」 立ち食いそばと立ち飲み※現在は夜の立ち飲み営業休止中

2016年7月17日

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今宵の一軒は京橋と銀座の境で営業する立ち飲み・立ち食いハイブリッド型の店「恵み屋」です。2001年、脱サラで開業した店主の名酒場です。蕎麦ライターからみれば、十割蕎麦の店、酒場ライターからすればここは朝から通しでやっている昼酒立ち飲みという紹介になります。

平日は朝9時から営業し、ランチタイムは蕎麦を食べるサラリーマンでごった返す店。そのまま昼食のピークが過ぎるとじわりじわりと我ら昼酒部が幅を利かせ、夜は完全に飲み屋となります。恵み蕎麦、さらしな、ダッタン蕎麦、田舎蕎麦と4種の蕎麦が選べるそうですが、蕎麦についてはあいにく語るほどの知識もないので、今日は立ち食い蕎麦前と決め込んで立ち寄ります。

夜は店先まであふれんばかりの立ち飲み客。15年続く酒場ということもあって常連さんが多い。年配の方が幸せそうにしている酒場いい店だという私の持論からすれば、ここはまさにそのタイプです。お客さんの隙間を縫うように店の中へ。

 

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お酒も肴も店の奥のカウンターで店主さんにオーダーするキャッシュオン制です。これだけ多くのお客さんを一人で切り盛りするのは大変そうですが、お客さんも協力しあって程よい一体感があります。

飲み物はと、ビールはアサヒ、酎ハイが最安値で250円、蕎麦屋ということで日本酒や蕎麦湯割りもあります。

 

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すっきりとしたプレーンの酎ハイをもらって、それでは乾杯!しっかりはいるジョッキなのが嬉しいな。

 

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蕎麦屋で蕎麦の前におつまみを食べることを「蕎麦前」と言いますが、恵み屋のつまみもどことなく蕎麦前的をベースとしているように思えます。かまぼこワサビ漬けのせやさつま揚げ、炙り蕎麦みそなんていうものもあります。と思いきやも豚キムチ炒めなんかがあるので、気が抜けません(笑)

 

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定番ということでさつま揚げからをおつまみに。先日の九州取材で飲んでからというもの、ついみかけたら食べたくなるようになりました。油を程よく浴びた練り物は酎ハイのような炭酸系にぴったり。

 

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つぎに日本酒を。定番のお酒を冷酒(常温)でいただきました。地酒が各種ありますが、立ち飲みでは定番酒をくいくいと飲み進めて酔いを深めるのもいいものです。

 

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おつまみ2品目はお湯のかわりに蕎麦湯をつかったその名もそば湯奴(250円)。たっぷり入った豆腐に醤油を垂らしていただきます。そばの風味が一緒になって独特なまろやかさが乗っかった味。これは蕎麦好きははまります。

 

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常連さんが、ここは緑茶割りだとよこっそり教えていただき、さっそく飲んでみることに。なるほど、抹茶がたっぷり入った寿司屋のお茶割り系です。焼酎がしっかり入っている上、ジョッキも大きいので酔いやすい。それでも抹茶でマイルドになっているので、結構飲んでいることに気づきにくい、なかなか狙い撃ちしてくる一杯です。

 

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夜もお蕎麦が食べられます。ありそうで、さほど多くはなかった蕎麦屋の立ち飲みの本領発揮です。立ち食い蕎麦とはいえ、こだわりのオリジナルの蕎麦を出すお店ですから、しめのお蕎麦も期待が持てます。

 

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小盛りは150gで350円。細麺で白い十割そばです。毎日石臼でひく自家製だそうですが、風味が豊かで立ち飲みでこんな蕎麦で〆られるのは素直に嬉しい。

銀座・京橋の境界で、これだけのおつまみを300円前後が中心のメニューで揃えている。立ち飲みとしてみても普段から立ち寄りたくなる内容です。立地のよさや営業時間の長さを考えれば使い勝手も抜群に良い。

ご近所の皆さん、地下鉄ですーっと帰らずに、軽く一杯どうですか?小腹がすいていたら〆のお蕎麦まで。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

京橋 恵み屋
03-3272-8616
東京都中央区京橋3-4-3
9:00~23:00(11:30~22:00・祝日は蕎麦が売り切れるまで・日不定休)
予算1,400円