90年続く仙台最古の居酒屋『明眸』で麒麟ラガーや銅製酒燗器でつけた両関を楽しむ

90年続く仙台最古の居酒屋『明眸』で麒麟ラガーや銅製酒燗器でつけた両関を楽しむ

現存いる仙台最古の居酒屋と言われている『明眸』は、青葉区一番町で90年以上の歴史があります。その歴史や店構えからはハードルの高い店のように感じますが、温厚な女将さんの優しい接客、そして2,000円台で楽しめる良心価格は、まさしく「大衆酒場」です。

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1930年から脈々と受け継がれてきた、「いつもの店」

外観

明眸と書いて、「めいぼう」と読みます。澄んだ美しい瞳という意味です。優しい女将さんが切り盛りする優しい酒場にぴったりな名前。創業はなんと昭和5年。仙台で営業を続けている居酒屋としては最古になります。(2023年 Syupo調べ)

南町通沿いにあり、青葉区一番町駅が最寄りですが仙台駅からも徒歩12分ほど。文化横丁からハシゴ酒できる距離です。

いまでこそ、飲み屋の中心街は北側の国分町へ移りましたが、1976年までは『明眸』前に仙台市電の一番町電停があり、このあたりは今よりも賑やかだったようです。現在、この界隈はオフィス街で『明眸』もメーボービルとなり、その一階で飲み屋を続けています。

内観

90年続く酒場といえばハードルの高さが気になるのではないでしょうか。確かに入り口はチェーン居酒屋と比べればだいぶ入るのに勇気がいる佇まいですが、いざ入れば、そこは優しい女将さんが迎えてくれるアットホームな酒場です。

立派な分厚い一枚板のL字カウンターは奥行きも広く、実に心地が良い。整然と並ぶテーブル席はどこか喫茶店か長く続く中国料理店のような落ち着きがあります。

随所に店の歴史を物語る装飾品が掲げられ、ちょっとした歴史資料館のよう。

こうした味わいある酒場が現役で使われ、地元のお客さんたちが日常の一部として利用している光景は、非常に貴重です。この景色の一部になって飲めることがたまらなく嬉しい!

品書き

お酒

  • 瓶ビール キリン一番搾り・キリンクラシックラガー・サッポロ黒ラベル・サッポロラガー大瓶:800円
  • 瓶ビール アサヒスーパードライ中瓶:600円
  • 瓶ビール キリン一番搾り黒生 小瓶:500円
  • 日本酒 両関:新撰270円・上撰360円・生酒750円・純米酒400円~
  • 日本酒 乾坤一・日高見・澤乃泉・墨廼江:各580円~
  • 米焼酎 五年蔵:2,000円
  • 焼酎乙類(麦焼酎)キリンピュアブルー:2,200円

料理

  • かつお刺:600円
  • 塩さば焼:550円
  • 焼とり 豚のタン・ハツ・レバー:170円/本・4本セット680円
  • 湯豆腐・冷奴:260円
  • なすの肉みそ:450円
  • きざみとろろ:450円
  • つみれ汁:450円
  • かきの山椒煮:400円
  • 串かつ:650円
  • 目玉焼き:350円
  • 三角油揚げ:400円
  • ポテトサラダ:400円
  • お浸し:350円

冷えたラガー、酒燗器でつけた両関、カツオ刺し。みんなイイ!

キリンクラシックラガー(800円)

老舗の酒場には大瓶が似合います。キリンの通年銘柄で唯一の熱処理ビール「キリンクラシックラガー」をいただきましょう。昭和40年代の苦い”キリン味”がクセになる。それでは乾杯

かつお刺(600円)

看板料理は焼鳥ですが、カツオ刺身や塩サバ、牡蠣山椒煮といった宮城の郷土料理も揃えるご当地感ある酒場です。三陸といえばまずはカツオでしょう。

分厚く切られたカツオは、脂が乗っておりねっとりとした食感と濃厚な旨味、適度な酸味がたまりません。その余韻にぐっと苦味のクラシックラガーを。

ポテトサラダ(400円)

ちょっとした小鉢も、女将さんの手作りがほとんど。シンプルながら、しみじみ美味しいポテトサラダ。提供直前にマヨネーズを追加するのが嬉しい!

キリン一番搾り大瓶(800円)

ビールは、アサヒ、キリン、サッポロと3社揃っていて、さらにキリンだけでも3銘柄を置いています。老舗酒場はこうしたバランスをとる店が多いですが、『明眸』はとくに種類豊富。最近、リニューアルしたキリン一番搾りをもらって、のんびりと空間に心を溶かしていきます。

キリン一番搾り<黒生>小瓶(500円)

適度に飲んだら、つぎにキリン一番搾り<黒生>をもらって、グラスの中でハーフ&ハーフをつくります。

焼とり4本(660円)

そうしている間に、カウンターの内側に設置されたコンパクトな焼台で、女将さんが焼とりを焼いてくれました。豚タンを筆頭に串は豚モツ3種類。そういえば、仙台で古くから続くやきとり店は豚モツが多いです。戦後の東京下町にできたもつ焼き酒場と似ています。

さて、『明眸』の串は、すべて長ネギを挟み込んだねぎまタイプ。しっかり大きく満足感があります。

両関(270円~)

温かい料理には、温かいお酒を。『明眸』のお燗酒は特別です。

店のアイコン的存在になっているのは、カウンター中央に鎮座する酒燗器。伊達政宗の頃から400年以上、銅細工が根付いてきた仙台らしい銅製です。

以前使用していたものが故障した際、近くの職人が初代酒燗器を参考に寸法を変えずに複製品をつくってくれたそうです。まさしく一点もの。いまも修理しつつ使用しているそうで、夏場でも常に火が入り、すぐにお燗を注げるよう準備されています。

お酒は発酵の町として知られる秋田は湯沢で170年造られてきた「両関」。うま口ながらキレがよく、酒場の風情に似合う飲み飽きないお酒です。創業当初から長く「両関」一筋でやってきたそうです。

ごちそうさま

黒帯ノンベエさんたちが通い続けてきた店ですが、近年は若い常連さんも増えているそうで、取材時も静かに飲む若いお客さんが数組いらっしゃいました。老若男女が緊張せずにのんびりくつろげる老舗酒場です。

仙台のミュージアムアライアンスが発行する観光ガイド『見験楽学散歩』にも『明眸』の酒燗器が紹介されるなど、文化的な視点でも注目されている同店。仙台の夜、ふらりと訪ねてみてはいかがでしょう。

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syupo.com

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビール株式会社)

店名明眸
住所宮城県仙台市青葉区一番町2-7-11
営業時間営業時間
17:00~23:00
第一・第三土曜営業
17:00~22:00
定休日
土・日・祝(第一・第三土曜営業)
創業1930年