横須賀中央『福ちゃん』走水の地ダコ刺が400円！気軽に使える安・旨居酒屋

老舗の名酒場から手軽な立ち飲み、そして角打ちまで揃う横須賀は飲み歩きが非常に楽しい街です。軽く千円ちょっとで飲める『福ちゃん』ならば、地ダコや東京湾のはまぐりがワンコイン未満で味わえます。

気さくな雰囲気のスタンドで情緒に浸る

地元の人が集まる酒場には、有名店にはない情緒があります。そんな空間に浸るのも飲み歩きの醍醐味です。常連さんとお店の方がつくる雰囲気は、どの店も似ているようで唯一無二。土地柄がでるおつまみなどがあれば尚更楽しくなります。

横須賀中央駅前通りを海岸の方へ進むと、若松町に「トニービル飲食街」という袋小路の飲み屋街があり、ここだけ「ディープ」なムードを残しています。周囲はファミレスやNTT局舎、大型駐車場などになっており、ここだけ取り残されたような雰囲気なのが惹かれます。

そんなトニービル飲食街の入り口にある店が『福ちゃん』です。間口は狭いのですが奥へ広く、ステンレス張りのカウンターが一直線に伸びています。看板には「スタンド居酒屋」の文字があり、椅子も簡易ハイチェアなので、以前は立ち飲みだったのだと思います。

実は何軒かはしごしてから訪ねています。横須賀はお昼から営業する店が多いので、早い時間からついついお酒が進みます。ここへ来るまでビールはしっかり楽しんできましたので、今回はサワーで乾杯です。

物価高騰で低価格の店でも値上げが続く昨今ですが、『福ちゃん』は一回り前の時代と変わらないような価格設定です。

それでいて、お酒の盛りはこの通りサービス満点！

料理は大皿料理が中心で品数は控えめですが、「これ、食べてみたい！」と思わせる料理が多く、何度か通って食べ比べてみたくなります。

とくに、地元の海産物を用意しているのが嬉しいです。仕入れ次第でアオリイカ、スミイカ、ナメタカレイ、エボダイなどかわりますが、磯の街らしい魚介類が登場します。

この日入っていた地ダコは、横須賀市内の漁港「走水」であがったものだそう。きゅっと引き締まっていて、噛むほどに旨味が広がります。

時刻は夜9時前。まだ帰るにはちょっと早いです。もう少しお酒をもらって、この空間に浸らせてもらおうと思います。

時間が早いともう一軒行きたいと思うのですが、帰りやすい駅近くにある酒場のほうが安心です。福ちゃんは、駅に近くて値段もお手頃。どこか軽く飲んでいきたいなというときにぴったりの酒場でした。

（取材・文・撮影／塩見なゆ）