王子『宝泉』創業半世紀。3代に渡る家族経営！生ホッピーと名物料理を堪能

創業約50年になる王子の老舗酒場『宝泉』。特長はなんといっても、広い店内に対になって配されたコの字カウンターです。お客さんや店員さんが向かい合う一体感は非常に楽しい！名物の肉豆腐や珍しい樽詰ホッピーが進むこと間違いありません。

訪ねる価値ある一軒

桜の名所で知られる飛鳥山公園がある王子は、春には多くの花見客で賑わいます。また、東京駅から京浜東北線でたった18分というアクセスの良さもあり、最近は人気のベッドタウンになりました。しかし、かつては製紙工場や印刷所が建ち並ぶ紙の街でした。現在でも国立印刷局が駅近くで稼働し、紙幣の印刷が行われています。

歴史ある地域には、人々が働く場所に老舗の居酒屋があります。王子にも例外ではなく、駅東側の「王子1丁目」には老舗の酒場が集まっています。今回はその中の一つ、半世紀にわたり続く『宝泉』をご紹介します。

外観

王子駅からは徒歩5分ほど。煌々と光る宝泉の袖看板がみえてきました。早速、縄のれんをくぐって店内に入ってみましょう。

店内は小学校の教室1つ分よりも広く、テーブル席はありません。代わりに、広々とした空間にコの字型のカウンターが2つ対に配置された独特の構造となっています。

席数は40程度と比較的多いものの、ピーク時には満席になるほどの人気店です。配置はかなりゆとりがあり、向かい合うカウンターは別のお店のような印象を与えます。

品書き

• 瓶ビール サッポロ黒ラベル大瓶：580円
• 生ビール サッポロ黒ラベル：580円
• 日本酒1合：350円
• 冷酒300ml：690円
• たる酒300ml：790円
• 生ホッピー（樽詰ホッピー）：550円
• 酎ハイ（緑茶ハイ・青リンゴ・バイス・レモン・瓶ホッピーなど）：各350円

料理

• やわりめ（名物）：490円
• マグロブツ：490円
• カンパチ刺身：530円
• タコぶつ：490円
• もやしチャーシュー：490円
• 手羽先明太：490円
• おでんセット：490円
• アジフライ・ハムフライ・揚げシューマイ：各390円
• ポテトサラダ：330円
• ちくわ天：330円
• 肉豆腐・肉じゃが：各390円
• 牛スジ：220円
• うるめイワシ：330円
• サバ塩焼：490円
• ニラタマ：330円

家族経営のあたたかい接客としみじみ美味しい肉豆腐

サッポロ黒ラベル大瓶（580円）

店に入ると、左側には大女将が仕切るカウンターがあります。右側のカウンターは二代目ご夫婦の担当です。店内は満席に近いですが、右側の角に空席があったので、無事すべり込むことができました。さて、まずは瓶ビールを注文しましょう。

銘柄は長年サッポロ。カウンターにデンと置かれる北極星が輝いています。ビヤタンを満たし、黒ラベルは乾杯！

ポテトサラダ：330円

お通しはありませんので、まずはすぐにでるメニューを選びたいものです。おすすめはポテトサラダ。もちろん自家製で、やや柔らかいタイプ。

マグロブツ：490円

料理のほとんどがワンコイン以下で、まさに大衆酒場です。マグロぶつをちびりと摘みつつ、ビヤタンを口に運べば、飴色の空間に心が溶けていくような気分になります。

ちくわ天：330円

揚げたてでサクサクのちくわ天が運ばれてきました。生姜醤油にちょいとつけていただきます。

生ホッピー（550円）・サッポロ生ビール黒ラベル（580円）

『宝泉』を紹介する上で外せない飲み物があります。写真の通り、泡なしで注がれる生ホッピー（樽詰ホッピー）です。樽詰ホッピーそのものも取扱店が少なく貴重ですが、ここのホッピーは大女将のこだわりで、アルコール度数が非常に濃い点も注目です。氷なし、なみなみに注がれて運ばれてきます。

「すごく濃いから注意してね」と大女将。3杯までしか注文できませんが、3杯飲むのはかなり大変です。

肉豆腐（390円）

さて、そんな生ホッピー（樽詰ホッピー）とともに注文が多いのは肉豆腐です。一人前サイズの器に豆腐半丁とホロホロになった豚のバラ肉、飴色の玉ねぎがたっぷり盛られた一皿。

甘さしっかり、濃いめに仕上げられており、お酒を進ませる逸品です。

ほかにも、あたりめを柔らかくしてから炙る「やわりめ」というオリジナル料理も評判です。

ごちそうさま

「宝泉」は、大女将、二代目のご夫婦、そして3代目も手伝っている、家族3代で切り盛りする酒場です。年季の入った店のムードもあり、心から温かく感じられます。こんな雰囲気ならば毎日通いたくなるでしょう！常連さんが多いのも納得です。

昭和から続く活気ある酒場で、適度に賑やかな中で自分だけの時間を楽しむ。『宝泉』はそんなお店を求める方にぴったりです。

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