三越前『金波』日本橋最安！？デカ盛りの酒場でマグロブツ480円

日本橋室町で最もボリュームがあり値段も安い店は、おそらく『金波（きんぱ）』でしょう。名物のマグロブツや紙カツは食べごたえ十分。一度移転しているため新しい雰囲気ですが、しっかり老舗酒場の風格あり。※一人飲み向けではありません。

茅場町から移転してきた”コスパ”抜群の酒場

東京都中央区日本橋。江戸時代から続く商人の街にも、典型的な大衆酒場が存在します。店の名は『金波』。

茅場町で長く続いてきた酒場で、2016年に現在の場所に移転しました。特長はなんといっても盛りの多さと安さ。いわゆる「コスパの良い店」として近隣で働く人々のオアシスとなっています。ただし、テーブル席しかないこと、そしてボリュームが多いこともあり、2名以上での利用が求められます。

店は日本橋三越すぐ。むろまち小路と江戸桜通りに挟まるエリア。コレド室町をはじめ大規模施設が建ち並ぶ界隈で、この一画だけは小さな店やビルが肩を寄せ合っています。

中華料理店の二階が目的の『金波』。長い通路の先に階段があり、はじめは躊躇するかもしれません。

なんだかデザイナーズ物件のような、無垢の木材を多用したテーブル席とオープンキッチンが広がります。黒板メニューにはかっこよく品書きの文字が並んでいますが、見てみるとものすごく安い。店の造りや日本橋室町という立地からはまったく想像ができません。

身なりの良いスーツ姿の人々も、ここでは駄菓子屋で飲む子供のような笑顔で、好きなものを好きなだけ食べて飲んでいくのです。

日本盛（上撰・生貯蔵酒）：500円

なんとお通しにビアタン一杯のキリンラガービールがでてきます。一口だけビールが飲みたいという人にも嬉しい内容です。お通しは日替わりで冷奴などですが、この日は大きな唐揚げ。驚きました。

それでは乾杯！

一品目に皆さん必ず注文するのはポテトサラダとマカロニサラダの合盛りです。かために茹でられ、しっかり黒胡椒を効かせたマカロニサラダはビールのおつまみとして優秀。大衆酒場ですから、こういう当たり前の美味しさにほっとします。

そんなマカロニサラダにはリボン炭酸で割ったニッカハイボール。

金波が人気の理由は、この山盛りマグロブツでしょう。赤身の中でもいろんな部位があり、スジがある箇所もありますが、十分に美味しく思えます。なにより、こんな山盛りで500円未満は驚きの安さです。

お腹をすかせて行かないと、もったいない！お腹いっぱい食べさせたいという大将の思いが込められています。

リーズナブルなお酒は、キリンの樽詰サワー。ウォッカベースで、富士の伏流水で仕上げたもの。

マグロブツだけでも十分に満足いくボリューム。さらに『金波』を満喫するなら、もうひとつの名物「紙カツ」を。

ハムカツよりも更に薄い豚肉にしっかり衣をつけて揚げたものです。予想通りの味ですが、こういうのが食べたいとき、ありますよね。

日本酒はときどき変わるようで、このときは日本盛が推しメニューでした。紙カツに上撰のお燗酒。大衆酒場らしい組み合わせもいいものです。

スーツ姿の会社員が2～6人くらいでワイワイとお酒を楽しむ酒場です。19時頃には満席になることもあります。好きな人にはたまらない一軒。立ち飲みやチェーン居酒屋ではなく、しっかりとした個人系大衆酒場で飲みたいという方々にぜひ！

※喫煙可能なのでタバコの煙が気になる方はご注意を。

（取材・文・撮影／塩見なゆ）

店名	金波
住所	東京都中央区日本橋室町1-12-7 望月ビル
営業時間	営業時間 [月～金] 11:00～無くなり次第終了 17:00～23:00頃料理 22:15頃(L.O) ドリンク 22:30頃(L.O) 定休日土日祝
開業年	1971年
備考	利用は2名以上。19時頃からはじめる場合は予約推奨