2018年のオープン以来、クオリティの高い料理で十三の酒場好きを魅了しきた『スタンド煮が味』。実際に訪ねてみると、「さすが大阪!」と思える素晴らしい酒場でした。割烹で提供するような上質な昆布締めをはじめとした料理がほとんど500円未満です。
目次
大将との距離の近さも魅力
外観
十三と書いて「じゅうそう」と読みます。関西の人にはお馴染みの庶民的な歓楽街・商店街が広がる街です。
地名の由来は諸説ありますが、淀川の上流から数えて13番目の渡し(船)があったことからきていると言われています。淀川を挟んだ対岸は開発が加速中の梅田。大阪の中心街にも近いのに、ここは変わらず懐かしい雰囲気の飲み屋街が残っています。
老舗の酒場も多いですが、近年、新進気鋭の立ち飲み店が増加しています。安さを前面に押し出した店だけではなく、料理の質を高めて、適正価格で高付加価値を提供する店が人気です。2018年オープンの『煮が味』は、まさしくそういう酒場。
内観
コンパクトな調理場を囲むような変形L字のカウンターを配した店内。一人三役こなすような手際の良い大将が一人で切り盛りしています。お客さんは常連さんも多いようですが、大将ははじめての人も変わらずラフに接してくれます。雰囲気はどこか屋台の飲み屋のよう。一人で来ても店の一体感が感じられ、適度な距離を保ちつつも溶け込めるはずです。
品書き
樽生ビール(サッポロ生ビール黒ラベル):400円、ハイボール(デュワーズ):400円、チューハイ:400円、焼酎:400円、日本酒 燗酒(日本盛『大阪盛』):1合520円。その他、地酒があります。
料理
料理はすべて日替わりです。取材時(8月30日)の品書きはこちら。割烹系の和食を中心とした献立ですが、値段が一周りも二周りも安いことに驚きます。
明石タコお造り:420円、カツオ焼霜造り:420円、鯛の皮の湯引き:200円、ハモ笛南蛮漬:350円、ハモアラ唐揚げ:290円、稚鮎の天ぷら:280円、あったか肉豆腐:390円、とろほろ豚軟骨煮:400円、豆腐の味噌漬け:300円など。
上等な“アテ”と楽しい時間
サッポロ生ビール黒ラベル(400円)
人気店で入れないかと心配でしたが、お帰りのお客さんと入れ替わるようにカウンターへ滑り込みました。さあ、一杯目をいただきます。同店の樽生ビールは状態良好な黒ラベルです。それでは乾杯!
真鯛昆布じめ(420円)
真鯛昆布じめは、一皿目から感動の逸品でした。丁寧な仕事が施されたほどよい〆具合の真鯛です。厚みがありモチモチとした弾力とともに、上品なのにいくらでも広がるような旨味が溢れ出してきます。
自家製ポテサラ(350円)
この黒い粒はなんだと思いますか。なんと山椒です。
さいの目状にカットした卵とマッシュ状のポテト、スライスきゅうり。ここまでは王道のポテトサラダです。ポテサラそのものの味だけでもとても良いのですが、さらに山椒の醤油漬けがインパクトを与えています。醤油漬けの山椒があわさると、こんなに深くコクのある味になるのですね。
デュワーズハイボール(400円)
香りを楽しむポテトサラダには、スコッチウイスキーのデュワーズを。お願いしたわけではありませんが、かなり濃い目です。
麦焼酎和ら麦(400円)
豚バラと小松菜のあったか汁や肉豆腐など、これから嬉しい「煮もの」も揃っています。合わせるならば、麦焼酎も良さそうです。焼酎の水割りは大きめの焼酎グラスになみなみ注いでくれました。サービス満点ですね!
大将との会話も楽しい、コンパクトな店ならではの雰囲気が素敵でした。土曜日・日曜日も営業していますから、ふらりと飲みに行ってみませんか。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)
※当初、チューハイは氷彩と表記していましたが、誤りでした。お詫びして訂正させていただきます。
店名 | スタンド 煮ガ味 |
住所 | 大阪府大阪市淀川区十三東3-26-5 |
営業時間 | 18:00~24:00(土日は17:30~・水木定休) |
開業年 | 2018年 |
公式サイト | https://twitter.com/standnigami |