那珂湊『久楽』市場に隣接した海鮮食堂。地魚豊富な海鮮丼を肴に飲む

那珂湊『久楽』市場に隣接した海鮮食堂。地魚豊富な海鮮丼を肴に飲む

2022年7月14日

遠洋漁業で栄えた港町、那珂湊。現在は底引き漁で水揚げされるヒラメ・カレイ類、アイナメ、ホウボウ、そしてアンコウなどの近海魚が中心で、さらに廻船によりカツオも運ばれてきます。今回は那珂湊漁港に隣接する海鮮食堂『久楽』で、海鮮丼を肴にお昼からお酒をいただきます。

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美味しい肴があるのに、ノンアルではもったいない

美味しい魚を求めて、目指すは茨城県ひたちなか市那珂湊。

街の中心的存在を担ってきた那珂湊漁港は、根魚やカツオだけでなく、マダイやメジマグロ、伊勢海老にアワビなど多種多様な魚類が水揚げされる、茨城を代表する漁港のひとつです。とくに茨城の県魚でもあるヒラメは県下最大の水揚げを誇ります。

また、港の隣には新鮮な魚介類を一般向けに小売・飲食提供する専門店街・さかな市場があり、国営ひたちなか海浜公園、アニメの聖地で話題になった大洗と並ぶ、主要な観光地となっています。年間100万人の来訪者があるそうです。

ですが、そのほとんどが北関東自動車道でやってくる自家用車利用者です。美味しい魚があるのに、運転のためにお酒が飲めないなんてもったいないです。(ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転)

ローカル線の旅情もお酒を美味しくする

ということで、筆者はお酒を飲むために、公共交通機関で那珂湊を目指します。上野からJR常磐線の特急列車で1時間20分。ひたちなか市の中心駅である勝田駅で下車し、第三セクターのひたちなか海浜鉄道に乗り換えます。

昔どこかで乗ったことがあるような、1両編成のちょっぴり古い列車にゴトゴトと揺られて15分。

那珂湊の玄関口、那珂湊駅にやってきました。昭和のままときが止まったような駅舎に旅情を感じます。

駅から那珂湊漁港までは、商店が点在する湊中央町通りをのんびり歩いて15分ほど。バスもありますが、徒歩で向かいます。

那珂湊おさかな市場

水産卸がずらりと並ぶ那珂湊のおさかな市場周辺は、観光客が多いのもうなずける、魚のテーマパークのような雰囲気です。一般客も入れる巨大な鮮魚売り場がずらりと並んでおり、店先では鹿島灘などでとれる牡蠣その場で剥いて食べさせてくれるコーナーも。

回転寿司店などを食事処を併設した店舗もあります。

地物を中心に、近海魚、磯魚がずらりと並んでいます。丸魚も気になるところですが、そろそろのどが渇いてきましたので、食堂へと向かいましょうか。

お昼から夜まで続けてやっている『久楽』

外観

漁港に隣接する店がいくつかあるなかで、『久楽(きゅうらく)』を訪ねました。ファミリー向けの店が多い中、『久楽』はお酒が飲める落ち着いた雰囲気です。創業は2004年。

内観

意外にもスーツ姿、作業着姿の働く人々の姿が多い店内。奥の座敷では刺盛りやメヒカリ、サザエのつぼ焼きを肴に宴会中のお父さんたちもいます。気の張らない雰囲気がお昼酒にぴったりです。

昼食時をすぎると中休みをとるお店もありますが、『久楽』は夜まで営業しているので、旅行のペースでゆっくりと過ごせます。

品書き

お酒

樽生ビール:590円、瓶ビール:590円ともに銘柄はアサヒスーパードライ。日本酒は菊正宗生酒300ml瓶:850円、1合:490円、その他、レモンサワー:490円。

一品料理

さざえつぼ焼き2個:980円、ほっき貝焼き2個:950円、目光のから揚げ:840円、あじのたたき:1,280円、お刺身盛り合わせ:3,200円など。

定食メニュー

おさしみ5点盛り合わせ定食:1,680円、焼き魚定食:1,880円、煮魚定食:2,380円、天ぷら定食:1,880円、あじフライ定食:1,650円など。

丼ぶりメニュー

久楽海鮮丼:1,980円、まぐろ丼:1,380円、釜揚げしらす丼:1,480円、天丼(えび・あなご・はぜ):1,580円など。

看板料理のひとつであるあんこう鍋:2,980円は、10月から4月まで。

旅先の港町で無性に食べたくなる海鮮丼

アサヒスーパードライ中瓶(590円)

まずはビールから。キンキンに冷えたアサヒスーパードライで乾杯!リニューアルして飲みごたえが増しました。

お通し

お酒にはお通しがついてきます。内容はその日の入荷次第。この日は鯛ポン酢

久楽海鮮丼(1,980円)

港町や市場の食堂へ行くと、無性に食べたくなるのが海鮮丼です。刺身盛り合わせよりも豪快な盛り付けなことも多く、一人前で刺身を楽しむならばやはりコレ!期待通り、切り身が山盛りになったものが運ばれてきました。

店名を冠した久楽海鮮丼は、丼ぶりのほかに、煮物、小皿、そして海鮮がはいったお椀がついてきます。

日本酒を一本もらって、ちびちびと飲みたくなるおつまみがついてきました。アンコウの煮こごりです。深い旨味が、お酒を誘います。

海鮮丼はホッコクアカエビとイクラ以外は地のもののようです。厚切りのカツオマグロ真鯛ヒラメイカ、そしてシラス。重なるように盛られており、酢飯までなかなかたどり着きません。

別名「常磐かつお」。常磐沖で釣り上げられるカツオは、最も近い港である那珂湊で水揚げされ、その日のうちに豊洲などへ運ばれていくそうですが、それよりもさらに鮮度がよいのが、この街で食べるカツオです。

足が早い魚ですから、なおのこと港町で食べるとれたての美味しさは格別です。

カツオだけではありません。ヒラメもまぐろも、コリコリとしている脂ののった真鯛もどれも絶品。いくらなど、遠方の具材はいらないと思えるほど。

※季節・海の状況で日々盛り合わせの内容は変わります。

ビール2本と高清水1本。山盛りになった海鮮丼の刺身を肴に大満足のお昼酒となりました。港町はテンション上がりますね。

帰りは大洗町を抜けて水戸駅まで乗り入れる路線バスで帰ることにします。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名久楽
住所茨城県ひたちなか市湊本町18-18
営業時間11:00~20:00(火定休)
開業年2004年