博多『焼鶏筑ぜん』創業40年。博多一番どりを味わうお得なセットあり

博多『焼鶏筑ぜん』創業40年。博多一番どりを味わうお得なセットあり

朝引きの博多一番どりが味わえる、博多駅前の焼鳥酒場『筑ぜん』。創業から40年目を迎え、老舗の風格も感じられます。焼鳥は1本80円からとリーズナブルですが、ちょい呑みセット(1,200円)はもっとオトクです。

 

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筑前國一之宮 住吉神社の鳥居前町で40年

筑前国の一宮である住吉神社とJR博多駅の間に広がるオフィス街。この界隈はとくに焼鳥店が多く、伝統的な福岡流の焼鳥を食べさせてくれる店が充実しています。そのうちの一軒、『焼鳥筑ぜん』は、近隣会社員などの常連さんに支持されて、1982年(昭和57年)の開店から40年続いてきました。

JR博多駅からは徒歩7分ほど。鹿児島本線の終電まで営業していることもあり、近郊に暮らしている人も安心して過ごせそうです。

 

さて、ここでは分類上、便利的に「福岡流焼鳥」と名付けていますが、東京をはじめ全国の焼鳥とは異なる特徴がいくつもあります。

味付けにタレは使わず塩焼きを基本とし、横長の串皿ではなく、大皿にキャベツを敷いてその上に放射線状に並べるというのが特徴その一。また、焼鳥といっても鶏肉に限らず、豚や牛、海鮮まですべてが”焼鳥”というくくりです。なかでも最も定番のきやとりは鶏ではなく「豚バラ」で、単純に「焼鳥」というと高い確率で豚バラがでてきます。焼鳥が「豚バラ」という地域は北海道・室蘭の「室蘭やきとり」がありますが、福岡(北九州)と室蘭、ともに鉄のまちということで食文化にも影響があったのかもしれません。

ちなみに、お隣の久留米は巻物串発祥の街(諸説あり)とされていて、同じ福岡県下でも焼鳥には違いがあります。

 

それでは、焼鳥が福岡名物とお伝えしたところで、『筑ぜん』の紹介へ移ります。

外観からわかるように、店は大きく小学校の教室ほどの大きさがあります。厨房の中央に焼台を置いて、オープンキッチンスタイルでコの字カウンターが囲んでいます。東京や大阪の飲食店と比べ、通路やテーブル間隔、カウンターの幅など、全体的にゆとりを感じる間取りです。

 

大将をはじめお店の皆さんの、職人気質ながらほどよい距離で接してくれる応対は、一人ならカウンターについつい長居してしまいそうです。

 

東京の焼鳥は焼台をカウンターや店の正面に寄せた配置にすることが定石ですが、そういえば九州は概ねアイランドキッチンならぬアイランド焼鳥になっているように思います。こういう違いも見ていて楽しいものです。

 

品書き

お酒

樽生ビールはサッポロ黒ラベル小:450円、中:610円。瓶ビール(中瓶)はアサヒスーパードライキリン一番搾りサッポロラガー:各610円。

チューハイ類は、氷彩プレーン:500円、瀬戸内レモンチューハイ:500円、パンチレモンチューハイ:500円、ラムハイ:500円、デュワーズハイボール:500円など。珍しくホッピー(セット):500円もあります。日本酒はコップ:450円。

 

おすすめメニュー

ちょい呑みセット(ドリンク+串4本+酢モツor冷奴):1,200円。

ごまカンパチ:780円、とりわさ:680円、博多一口ギョーザ:550円、ホルモン鉄板焼:780円、牛スジ煮込:540円、アンコー唐揚:680円、牛サガリ串:420円、雲仙ハム串:260円、エビアヒージョ:580円など。

定番のやきとり

看板料理の焼鳥は、とりすじ:70円、とり皮:100円、砂ずり:110円、四つ身(もも身のこと・福岡以外ではあまり四つ身の呼び名はは見かけません):120円、トリハツ:120円、レバー:120円、玉ひも:160円、手羽先:160円、しっぽ(ぼんじり):160円、ささみ:210円。いずれも銘柄鶏の「はかた一番どり」が使用されています。

豚やきとりは、心臓:80円、鹿児島茶美豚豚バラ:120円、白モツ:160円、みそさがり:160円、豚なんこつ:260円。

このほか、牛バラ:210円、牛丸腸:320円、牛赤センマイ:210円、牛ネクタイ(食道):160円、牛センポコ(血管):160円、鶏ミンチボール:110円、肉詰めピーマン:250円、海老:240円、イカ:110円、塩サバ:320円など。

定番の一品メニュー等

馬刺し:1,300円、馬レバー刺し:1,300円、ポテトサラダ:320円、鶏すじの唐揚げ:320円、パリパリ皮せんべい:470円、明太子:530円など。

 

ちょい呑みセット(1,200円)ではじめて、追加で数品という頼み方

乾杯はサッポロ黒ラベル(610円)で

なにはともあれ、ビールから。以前と銘柄がかわりまして、サッポロビールを取り扱うようになりました。状態抜群の一杯が嬉しいですね。

 

それでは乾杯!

一人、二人で飲むのならば、時間関係なく注文が可能なちょい呑みセット(1,200円)がオトクでしょう。ビールも選べて、焼鳥4本、酢モツなどの小鉢がついてきます。

 

突き出しは数品から選ぶことが出来ます。

 

突き出しと同時に、たっぷりとキャベツが盛られた大皿が出てきました。これから配膳されてくる焼鳥の定位置となります。ちなみに、酢が効いたタレがかかっており、そのまま食べてもビールが進みます。

 

やきとり(70円~)

一回り長い串にたっぷり打ちれた食べごたえのある焼鳥が運ばれてきました。銘柄鶏を使用しているにも関わらず、とりすじをはじめ串が1本70円~と、ボリュームとその安さに驚かされます。さすが焼鳥激戦区です。

 

福岡の焼鳥はこのように、肉の間に挟まる野菜は、ごく当たり前に玉ねぎが使われています。肉から滲み出た脂で燻り返すように焼き上いているのでしょう。どの部位も表面がパリッとしています。

塩味でシンプルに引き出した肉の旨味。酢の効いたキャベツで追いかけて、さらに余韻にビールや焼酎をぐっと合わせていきます。

 

パンチレモンサワー(500円)

爽快な酸味とほのかな柑橘系の苦味を感じるパンチレモンも、豚バラと相性ぴったり。

まだまだ、ごまカンパチや、朝引きの地鶏をつかったとりわさなど、ご当地ものがたくさんあります。

JR博多駅博多口近く。ベテランのお客さんに長く親しまれてきた『筑ぜん』で、本場・福岡流の焼鳥や地元の料理を楽しみました!

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)