姫路『プロ酒場』働く人の酒場。湯豆腐は70年以上続く人気料理。

姫路『プロ酒場』働く人の酒場。湯豆腐は70年以上続く人気料理。

2022年2月24日

戦後すぐに創業した『プロ酒場』。独特な店名ですが、プロフェッショナルの「プロ」ではなく「プロレタリアート」が由来。働く人のための酒場です。創業時からの名物は湯豆腐。播磨の食材を豊富に揃えるご当地料理の店でもあります。

スポンサーリンク

お城だけじゃない、姫路の魅力

真正面に姫路城大天守を望むJR姫路駅。お城まで一直線に伸びる、全長840m、幅50mの立派な大手前通りは、2015年にトランジットモール化され、散策がより楽しい通りに生まれ変わりました。

さて、そんなお城への観光ルートに並行して、姫路には立派なアーケード商店街があります。一般的に商店街は小売店が多く飲食店街とは分離されていることが多いですが、姫路の駅前商店街は、ショッピングストリートであると同時ににぎやかな飲み屋街でもあります。

チェーン居酒屋や新進気鋭の酒場に混ざって、老舗の酒場、食堂も元気に営業中。日中から商売をされている店もあり、飲み歩き好きならばきっと楽しめる楽しいエリアです。姫路にはご当地料理、生姜醤油で食べる「姫路おでん」や、播磨灘の魚介類など、お酒にあうおつまみも充実しています。そうそう、数は減りましたが角打ちもあります。

「プロ湯豆腐」の電照看板の灯りが営業中の合図

メインのみゆき通りから一本曲がると、情緒的な飲み屋の路地がみつかります。夕暮れとともに、ポツリ、ポツリと提灯に明かりが灯り、どこからともなく仕事帰りの人が誘われ、暖簾をくぐっていきます。

目指す『プロ酒場』も、そんな駅前商店街の奥にある裏路地の大衆居酒屋です。

外観

戦後すぐに創業し、いまは3代目が守る姫路でも有数の老舗居酒屋です。老舗らしい味わい深い店構えに惹かれますが、大きく「プロ」と書かれた文字はインパクト大。17時をすぎると、続々と地元の会社員グループや名店との噂を聞きつけた飲兵衛さんたちが集まり、暖簾をくぐります。

2014年にリニューアル

店の背景を知ると、飴色に染まった壁紙に角が丸くなったカウンターが待っているのでは?と思いますが、店内は意外なほど新しい雰囲気。黒を基調とした内装にダウンライトが店を照らします。聞けば、2014年にリニューアルをしたそうです。

乾杯はキリン一番搾りで

次々とお客さんが入り、まもなく満席になるというタイミングで滑り込み、一人飲みの特等席である調理場前のカウンターに通していただきました。一杯目はやっぱりビールからがいいですね。キリン一番搾りで乾杯。

品書き

お酒

樽生ビールはキリン一番搾りアサヒスーパードライ、小:310円、中:520円、大:820円。瓶ビールは大瓶:620円で、アサヒスーパードライキリンラガーサッポロ黒ラベルから選べます。酎ハイは樽詰:400円。

定番の日本酒は灘の大手、白鶴 1合:380円。

焼酎や地酒が充実しています。網干の龍力:620円~、姫路の田中酒造場 白鷺の城:570円など、ご当地の日本酒が揃うのは楽しいです。

お酒の黒板メニュー

名城 無濾過 生原酒 隠し酒:600円、奥播磨純米吟醸:800円など。

黒板メニュー

日替わりでは、

鯛つくり:600円、平目つくり:600円、すまがつおたたき:600円、サワラつくり:600円、鯛のあらだき:450円、鯛味みそきゅうり:350円、おから炊いたん:300円、あじの開き:300円、さわらのねぎ味噌焼き:450円、赤舌カレイの煮付け:450円、手作り焼売:100円、シバえび唐揚げ:450円など。お造りを含め、どれも良心価格です。瀬戸内の魚介が多いのがワクワクします。

定番メニュー

姫路名物ひねポン:460円、とりもつ煮:450円、明石焼き:550円、手作りさつまあげ:450円、名物湯豆腐:300円、姫路肉吸い:400円など。

名物湯豆腐は必須。気になる地のもの地酒を

名刀正宗(570円)など、地酒を燗つけて

定番酒、ここでは白鶴ですが、それに限らず、地元のお燗酒を豊富に揃えているのが楽しいです。燗酒向けに造られた銘柄もあり、仕上がりを楽しみにちびりと飲めば、いい気分。

おでん(110~170円/本)

すじとこんにゃくをお願いしました。ご覧の通り、すりおろした生姜が入る姫路おでんが運ばれてきました。出汁とすじの旨味に生姜が混ざることであっさりとまとまっています。

名物!湯豆腐・ミニ(300円)

かつおのすましに豆腐をいれた、プロ酒場伝統のメニュー。創業時から続く味と聞きます。生姜が効いており、旨味は関西の一般的な出汁の湯豆腐よりもさらに濃く感じますが、しつこさはありません。かための木綿豆腐とのバランスも抜群。注文必須と言われる理由がわかる逸品です。ちなみに、大では鍋で登場し、最後まで熱々で食べられるよう工夫されています。

牡蠣の酒蒸し(170円/個)

瀬戸内は広島に限らず、岡山の日生や播磨灘でも牡蠣の養殖が行なわれており、11月から4月頃にかけて飲食店の店頭にならびます。それにしても、産地とはいえ1個170円とは驚きの安さです。蒸し牡蠣特有の引き締まった身と濃厚な味わいは、お燗酒をもう一合注文したくなるに違いありません。

人気店なので、必ず飲みに行きたいという場合は予約されることをおすすめします。湯豆腐はぜひお試しあれ。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名プロ酒場
住所兵庫県姫路市駅前町301
営業時間11:30~14:30・17:00~21:30(日祝定休)
開業年1946年