三ノ宮「ニューミュンヘン神戸大使館」伝統の2度注ぎで黒ラベルはニューミュンヘンビールに

三ノ宮「ニューミュンヘン神戸大使館」伝統の2度注ぎで黒ラベルはニューミュンヘンビールに

神戸三宮(Syupoのタイトルは駅名に準じて三ノ宮)で美味しいビールが飲みたいとき、地元の方がまず最初に思いつくお店はここ「ニューミュンヘン」でしょう。

1964年創業、神戸の老舗ビヤレストランです。430席もある巨大な店舗ながら明るい時間からビールを愛する人々でいっぱいになる港町の人気店。重厚感あるヨーロッパ石造り建築を模した建物ですが、これは2代目。

 

初代は東京オリンピックと同じ年に誕生したものですが、1995年1月、未曾有の巨大地震・阪神淡路大震災によって倒壊。当時の面影を残しつつ、新たに建てられることになりました。

 

8階まである大きなビヤホールは、フロアごとに少しずつ趣がことなりますが、ドイツ風の暖かい雰囲気は共通です。

 

ビール好きの一人客から家族連れ、宴会まで幅広い用途で賑わいます。女性一人のビールランチもよくみかけます。

 

2代目の建物を建てるとき、店内にミニブルワリーを併設。ニューミュンヘン神戸大使館では2種類のクラフトビールを醸造し、出来たてを店内で楽しめます。このビール造りにはサッポロビールが協力しているので、「神戸・大阪のニューミュンヘンでしか飲めないサッポロビールがある」とコアなサッポロファンの間で話題になりました。

 

一階でさくっとパブ感覚でジョッキビールを飲むのもよいですが、食事も兼ねて落ち着いて過ごすならば二階席。大きく取られた窓から差し込む日差しとシャンデリアシェードの優しい光が混じり合い、優しい印象です。

 

定番ビールはサッポロ黒ラベル。静岡県焼津にあるサッポロビール静岡工場からの直送です。専属の注ぎ手が品質に責任をもっている、これこそビヤホールでビールを飲む価値。

黒ラベルは業務用の20L樽ではなく、特別な1000Lタンクにて輸送時の振動の影響が収まるよう1日保存されてから提供されます。

 

オリジナルビールは下面発酵と上面発酵の二種類。

 

それではメニューをみていきましょう。

 

生ビールは中ジョッキ520円(税別)。デラックスジョッキは1.1Lはいる巨大なもので1,110円。日本酒の里、灘のお隣ですから菊正宗があります。ウイスキーはデュワーズが400円。

 

ビアカクテルの種類も多く、ヴァイツェンレモネードなどが並びます。

 

ビールは2度注ぎ。勢いよくジョッキに流し込んだビールで大量の泡をつくり、ビールのグラスに沿うようにビールを流し込んでいきます。こうするとビールは空気にほぼ触れることなくグラスの中に入り、最初の粗い泡は泡切りナイフで削ぎ落として完成。

 

乾杯!

苦味が抑えられながらも、驚くほどフレッシュでみずみずしい味になっています。毎日黒ラベルを飲んでいる方でも、きっと「あ、違う!」と思うに違いありません。

 

ドイツレストラン、ではなくてニューミュンヘンは日本式洋食。一番人気は丹波地鶏を骨ごと揚げた唐揚げで長年の名物料理。親子3代で好物だという友人もいます。

ハンバーグやオムライス、ピザにエビチリ、串かつまであります。牛ロース剣串焼は創業当初からのメニューなので、超常連さんが好んで食べる一品です。

 

鶏ももや手羽ではなく、かぶとと呼ばれる骨のある旨の部位を食べやすく切って特性のタレにつけ置きした唐揚げ。創業当初からの名物料理で、いまもこれを目当てに飲みに来る人も多いです。私も食べ物の目的はいつもこれ。

 

バスケットにはいった標準サイズの他に軽いおつまみにできる小盛りもあります。でも、やっぱり美味しくてこの数では物足りなくなって(笑)

 

上面発酵の港神戸ヴァイツェン(620円)は小麦原料。苦味がなくフルーティーな味が特長です。ヘーフェヴァイツェンという酵母を濾過しないビールで、ミニブル併設レストランならではのビールの楽しみ方です。

 

大麦麦芽の一部をカラメル麦芽にしている琥珀色のラガービールが大使館ビール(620円)。60日間も熟成している長期熟成タイプで深いコクとしっかりとした苦味と旨味があります。

食後のコーヒーの感覚で最後の一杯に飲むというのはいかがですか。

グラスに描かれた時計が示す時刻は5時46分。このビールをつくるきっかけを記録しているのが印象的です。

 

美味しい生ビールと唐揚げで楽しいひととき。神戸に訪れた際には立ち寄られてみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

ニューミュンヘン 神戸大使館
078-391-3656
兵庫県神戸市中央区三宮町2-5-18
11:30~22:30(無休)