【閉業】亀有「金たろう」ほていちゃん系炭火やきとり。気軽に使える本格派。

【閉業】亀有「金たろう」ほていちゃん系炭火やきとり。気軽に使える本格派。

2021年11月1日

亀有の「炭火焼鳥 金たろう」は、「ふれあい酒場 ほていちゃん」などを展開する株式会社フォートップスの新業態。誰でも使いやすい価格や雰囲気という「ほていちゃん」のコンセプトはそのままに、職人が焼く本格焼鳥やこだわりの煮込みが楽しめます。

スポンサーリンク

街の焼鳥酒場×ほていちゃん

東京圏にて破竹の勢いで出店を続ける「ふれあい酒場 ほていちゃん」。

飲み方次第では1,000円で楽しめる低価格や、惣菜を買うより安いとまで言われるサービス品の数々で、ここ5年で注目を集めてきた居酒屋チェーンです。酒場好きの人向けに限らず、老若に男女・幅広い層が気軽で便利に使えるコンビニエンスな店としたことが、他の低価格系・立ち飲みチェーンとの違いでしょう。

ターミナル駅近くの1等立地を中心に出店してきた「ほていちゃん」ですが、2021年に入り、ほていちゃんのスピンオフとも言える、成城学園前の「さんたろう」を出店するなど、ベッドタウン向けの業態を開業しています。10月28日に亀有駅北口にオープンした「炭火焼鳥 金たろう」もそのひとつです。

ほていちゃん系の「金たろう」ですが、以前は同じ場所に「金たろう亀有本店」という約30年続いた備長炭焼鳥の店がありました。同店のあと、関連する店が営業を続けるも撤退。そこへ居抜きで出店したのがほていちゃん系の「金たろう」です。店名、ロゴイメージの一部、内装、そして焼鳥タレを引き継ぎました。

メニューやスタッフはかわり、随所にほていちゃんのテイストが盛り込まれています。

立ち飲みカウンターと掘りごたつも完備

立ち飲みカウンターは1割引

ほていちゃんといえば、入ってすぐの立ち飲みカウンターですが、「金たろう」でもつくりは同じ。立ち飲みは期間限定で1割引になるサービスや、このスペースでしか飲めない大瓶410円のサッポロラガーも「ほていちゃん」と同様。

目の前には焼台があり、調理の様子を眺めながら飲むことができます。スマートフォンをみながら飲むのも良いですが、ときどき職人技を覗き見するのも焼鳥店のカウンターの魅力だと思います。

テーブル席

グループ向けのテーブル席のほか、座って飲みたい一人向け用の相席のテーブルも6席ながら用意されています。※こちらは1割引になりません。

掘りごたつの座敷

4人テーブルが5つ並ぶ、掘りごたつの座敷席。足元が空いているだけでなく、ちゃんと床暖房を完備しています。いままでの「ほていちゃん」系の中では最も落ち着きのある空間でしょう。

最初はやっぱり生ビール。サッポロ生ビール黒ラベルの中ジョッキで乾杯!

ビールやウイスキーは引き続きサッポロビール系。焼酎や日本酒は宝酒造系になりました。

品書き

サッポロラガーは立ち飲み限定。テーブル席では、生ビール(473円)、デュワーズハイボール(363円)、ホッピーセット(白・黒418円)、バイスサワーセット(396円)など。価格の指標になりやすい酎ハイはプレーンハイで275円とかなりリーズナブル。ベースは宝甲類焼酎、炭酸水はマルチサーバー。

さらにホットドリンク「熱茶ハイシリーズ」(363円)が登場。玄米緑茶ハイ黒烏龍茶ハイリプトンレモンハイの3種類。他店への展開も予定とのこと。

焼鳥店ではあるものの、串の種類は定番を中心に絞られています。そのかわり、大衆酒場のおなじみメニューや、〆の生蕎麦など、サイドメニューはかなり豊富です。

串焼き国産豚の部は金たろうのレバー(143円)、カシラ(143円)、タン(176円)、シロ(176円)、上タン(253円)、てっぽう(176円)。国産鶏の部はもも(176円)、ねぎ間(176円)、砂肝(143円)、ささみわさび(176円)、つくね(209円)、こころ(176円)。1本から注文可能。

そのほか、しいたけトマトベーコンガーリックぱん2本など(各209円)。

サイドメニューのこだわりは、のちほど料理と一緒にご紹介します。

ほていちゃんでも人気の数量限定品、カマンベールを使った鉄板チーズステーキ焼き。ハーフ(190円)、キング(ホール 350円)。在庫がなくなり次第終了とのこと。

ほていちゃんの料理が大幅パワーアップ、ここだけの職人技

ほていちゃんの定番に、焼鳥・やきとんが加わった――

実はそれだけでなく、ベテラン料理人の方が固定で厨房にいるからこそできる、技が光る料理の数々がありました。

ほていちゃんといえば、どこでも安定したメニューが特長のひとつですが、なかなか厨房の方に注目する機会はないと思います。

「金たろう」では、焼鳥・やきとんという技を必要とする料理のために、固定でベテランの料理人さんが勤めています。

ホテルの厨房などでも経験を積んできた料理人一筋の料理長は、洋食から焼鳥まで幅広く対応可能。店舗での下処理や串打ちを行い、炭火で焼き上げるまで一切を仕切っています。

また、ほていちゃんのブランド担当者のこだわりも詰め込まれており、備長炭も質の良いものをチョイスしているようです。取材時、ちょうど炭屋さんが届けに来ていました。

串が焼けるまでの時間をつなぐおつまみにどうぞ、と用意された生姜。常識の範囲内で自由に食べることができます。

待つこと数分。料理長が焼き上げた「金ちゃんのレバー」の完成。大きくてプリっとした食感。ほていちゃん系以前の「金たろう亀有本店」から引き継いだ30余年継ぎ足してきたタレも、コクが強く相性がいいです。

シロ(タレ)、ししとう、砂肝、カシラ。塩にもこだわりがあるとのこと。

刻んだ紅生姜が添えられています。

珍しいのは、各テーブルに焼鳥のたれが置かれているというところ。お好みでどうぞ、とのこと。

ほかにも、カレー塩、抹茶塩などもあり、”味変”も楽しみのひとつになりそうです。

もも(176円)

お店のオススメ、鶏のもも。甘くコクのあるタレと、適度な歯ごたえとあふれる旨味のもも肉との相性はなかなか。ビールが進むこと間違いありません。

店で仕上げているというシロ。脂をかなり削ぎ落としたもので、クサミはほとんどなく塩でも食べられるものです。紅生姜をのせていただきます。

つくね(209円)

店でつくる自家製のつくねは、ナンコツがしっかり入るコリコリタイプ。業務用半製品などを使わない、お店のこだわりの串です。

豚もつ煮込み(286円)

二度の茹でこぼしをし、とろとろになるまで煮込んだ味噌ベースのもつ煮込み。ほていちゃんは牛煮込みですが、こちらは豚モツの煮込みです。これが煮込みの人気店にもひけを取らない美味しさなので驚きました。

クサミは皆無、生姜とわずかなニンニクを効かせた旨味が濃厚な一品です。

豚もつカレー豆腐(396円)

さきほどの煮込みにカレー、豆腐、チーズをいれたアレンジ品。カレー煮込み好きの期待を裏切らない味付けだと思います。

鉄板鶏すき焼き(319円)

炭火で熱した鉄板皿の上でグツグツと音を立てて運ばれてきます。この価格であっても一品ずつ丁寧に作ってくれているのは嬉しいところです。

チーズオムレツ(319円)

酒場にくると、なぜか食べたくなるこどもの頃から好きな味。

鉄板鶏つくねと目玉焼き(363円)

鉄板皿の料理といえば、つくね好きにはたまらないこちら。目玉焼はちょっぴり半熟気味。漂う香りがビールを誘います。

玄米緑茶ハイ(363円)

粉末からつくるそうですが、風味が強く味も濃い、これからの季節に嬉しい暖かいお茶ハイです。

チキン南蛮(4個363円)

お店でつくるタルタルソースを添えたピリ辛味の鶏南蛮。ほかにも、鶏ささみ刺し(396円)、上ガツ刺し(396円)など、鶏・豚モツ料理が多く、あれもこれもと目移りしてしまいます。

納豆揚げ豆腐(319円)

豪快にどーんとでてくる食べごたえ十分な一品。揚げたての豆腐のパリパリと納豆の粘りが楽しめます。

リプトンレモンハイ(363円)と鉄板チーズステーキ焼キング(ホール350円)

エモさよりも、素直に感情に響く美味しさを!ということで、カマンベールチーズを1個まるごと焼いたおつまみに、サランラップで蒸してやってくる素朴なリプトンレモンハイ。想像どおりの美味しさ、こういう気分の日ってありませんか。

一度は食べたかった人、いらっしゃいませんか。チーズの贅沢1個食べ。

生レモンサワー(363円)

金たろうで初導入の生レモンサワー。ポッカサッポロ社のパンチレモンを少しと、カットレモンをゴロゴロと入れたもの。ベースは宝焼酎です。

飲みきってしまったら、おかわり用追いチュー(253円)をもらいましょう。割材の瓶にはいっていますが、マルチサーバーから注いだすでに焼酎は入ったが含まれたプレーン酎ハイなので、これをそのまま注ぎ込めばお手頃価格で2杯目の完成です。

かち割ワインソーダ(赤363円)

ワインの産地、勝沼の蒼龍葡萄酒がつくる一升瓶ワイン・ソウリューセレクト赤をつかったワインのソーダ割り。酒場には一升瓶ワインが似合います。

〆の蕎麦もこだわりあり

もり(429円)

蕎麦の返しに金たろうのタレをつかった、焼鳥屋ならではの蕎麦。税別390円という手頃感もあって魅力的な〆です。

かけは土鍋ででてくるのですが、これが全国のご当地蕎麦好きの筆者の心に響きました。焼鳥タレをつかった甘いつゆも、どこか雪国の旅先で食べるような味に思えます。

手間と人手をかけてしっかりつくる料理が揃う「金たろう」です。そのため、ほていちゃん系では初となる定休日が設定されました。こういう個人店寄りの店、いいですよね!

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/株式会社フォートップス)