築地『天竹』百年続く天ぷらと河豚の店。良心価格のランチとふぐちり

築地『天竹』百年続く天ぷらと河豚の店。良心価格のランチとふぐちり

2021年9月28日

明治時代、門前仲町で天ぷら店をはじめた浜田竹松氏が、天ぷらと竹松から「天竹」と命名。以来百年、築地に移転し営業を続ける名店。天ぷらと河豚が看板料理で敷居が高く見えますが、実はとても良心価格。晩酌セットは1,100円です。

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勝鬨橋のたもとの河豚が恋しい季節

東京都中央区。築地と月島を結ぶ、隅田川にかかる晴海通りの橋「勝鬨橋」。日本では貴重な跳開橋で、竣工は1940年。2018年まで勝鬨橋の脇にあった築地市場も1935年開設と同じ時代の施設でした。

築地市場と晴海通りを挟んだ対面にあり、勝鬨橋のたもとでこの街の変化を見続けてきた老舗の日本料理の店をご紹介します。

ビルになっても風格たっぷり

店の名は「天竹」。門前仲町で明治創業で、築地に移って相当な歴史があります。街を代表する老舗料理屋のひとつと言えるでしょう。

現在は「天竹ビル」に姿を変え1階から3階が店舗となっています。残念ながら私は建て替え以前の店に入ったことはないのですが、50代以上の読者さんは昔の天竹で飲んだことがあるという人もいらっしゃるのでは。

現在の店舗も、百年紡いできた日本料理店らしい堂々とした店構えです。敷居が高く感じるかもしれませんが、実はふぐ料理店としてはとても良心的な価格設定で、日常のちょっとした贅沢にぴったり。

さらに、昼食時はまぐろ刺身がつく日替わり定食(850円)や、小鉢お椀付きの貝柱が入るかき揚げ丼(870円)、親子丼(770円)など、お財布に優しいランチがあり、市場周辺の食品関係者の胃袋を支えています。

大箱だけど落ち着きます

いらっしゃいませ。ベテランのお姉さんたちが慣れた応対で迎えてくれます。席の用意ができるまで玄関近くの椅子に腰掛けることわずか、席へと案内されます。

一階の左側は主にお昼から飲んでいるベテランさんをお見かけすることが多い、掘りごたつの小上がりとテーブル席。30席ほどの空間で、ここに通されると大箱であることを感じさせません。また、予めガス台がセットされており鍋料理歓迎といった雰囲気です。一人鍋も喜んで対応してくれますので、築地一人酒の方もぜひ。

二階、三階は合計120席以上ある大きなスペース。30人以上入る座敷も完備しています。

ランチでも、しっかり飲むときでも、一杯目はやっぱりビールが飲みたい!たっぷりはいる大きなタンブラーに注がれたサッポロ生ビール黒ラベルで乾杯。

品書き

飲み物

樽生ビール(サッポロ黒ラベル650円)、瓶ビール(アサヒスーパードライキリン一番搾りサッポロ黒ラベル 中びん750円)、チューハイ(440円)、清酒(440円)、デュワーズハイボール(440円)など。

晩酌セット

一人飲みならば、晩酌セットから始めるのが良いと思います。大きな中タンブラーの生ビールと、ふぐから揚げなど3~4品ついて、税込1,100円です。もちろん、これだけで完結せず追加で色々食べたいところ。

コース一覧

ふぐちりがつく標準的ものは、墨田コースで5,500円。

単品料理

会食などの利用でなく、天竹を飲み屋さんとして利用するならば単品で頼んでみてはいかがですか。天ぷらの店でもありますし、キス天(1,100円)と、安くて美味しい焼鳥(3本330円)あたりを組み立てて。

ふぐちり(7月・8月は前日までに要予約)は単品では2,980円とかなり注文しやすい値段です。ほかに、トラふぐ刺身(4,290円)、ふぐ唐揚(3切2,200円)、ふぐわさ(1,100円)、ふぐ鮨(3貫550円)、ふぐ煮こごり(冬季限定1,100円)など。

お昼から注文できます。ふぐを肴にお昼酒。

トラふぐ刺身(4,290円)

涼しい季節のお楽しみ。冬は少なくとも一度は天竹で頼みたい、トラふぐ刺身(てっさ)。ふぐ引き包丁の技が光る美しい薄造りです。一枚ずつと言わず、数枚を持ち上げ、ちょんとポン酢に。

トラふぐ白子焼き(4,000円ほど)

ふぐの繊細で淡白な美味しさを味わったあとは、濃厚な旨味を楽しむふぐの焼き白子を。塩味だけでぐーっと引き出されたふぐの深い味に、ほっぺが落ちそうになります。

ふぐヒレ酒(990円)

天竹の自家製、ふぐヒレ酒。ビールのあとは、だいたいこれを頼んで、つぎ酒をします。

飛びきり燗のお酒を注ぎ、軽く蓋を載せ、しばらくしたらさっと蓋を取るのと同時に、マッチを火を当て、溜まったアルコール分を”ポッ”と飛ばして出来上がり。香ばしさと、口当たりの柔らかなお酒の味が実に心地いいです。

あなご天(1,760円)

築地場外市場周辺はあなごを出すお店が数多あり、天竹のあなご天も値は多少張るものの、期待を裏切らない上物がでてくる印象があります。江戸前の代表的な魚であるあなごは、江戸・東京の歴史ある街で食べるとより美味しく感じます。一人だと、これでお腹いっぱいになってしまうのが悩み。

ふぐちり(2,970円)

写真で一人前。税込み3,000円以下でこれだけのふぐちりが出てくる――。天竹に通うベテランの皆さんの気持ちがよくわかります。なお、トラふぐちり(5,280円)は別にあります。

冬が近づくとそわそわしてきませんか。あぁ、ふぐちりが食べたいと。食べごたえある盛り付けで、ふぐ気分を満たしてくれるのに十分な内容です。

分厚い身から、滴るふぐの旨味。掲載日時点では通し営業は休止中ですが、昔は土曜日の午後2時過ぎ、時間を気にせずふぐ三昧を楽しんだものです。

明るく、老舗ならではの安定感と、ゆっくり流れる時間。のんびりここでビールを飲むだけでも幸せな時間でした。

ランチにビールをつけて1,000円台を楽しむもよし。家族や友人と2~3人くらいできままに河豚を摘んで一人5,000円くらいという利用もよし。

使い方いろいろ、築地の老舗でお昼酒はいかがですか。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名つきじ 天竹
住所東京都中央区築地6-16-6 天竹ビル
営業時間営業時間
11:30~22:00(LO 21:30)
※3月~10月は14時~16時半休憩

日曜営業
定休日
日曜(3月~10月)、年末年始(12月31日~1月4日)、GW、お盆期間
開業年1912年以前(明治時代)
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